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聴き入ってしまう、ジャンゴ・ラインハルト生誕100周年記念盤!

2010-11-16 17:27:49 | 音楽にまつわる話<的>な
 実態はわからないのだが、ヨーロッパでかつてのナチによるユダヤ人排斥運動に似た、ヒステリックな人種排斥運動が起きているらしい。その対象はロマ。別の言い方をすればジプシー。仏政府はこの夏に、不法移民取り締まりで拘束した「ロマ人約700人の強制送還」に踏み切ったのだが、もともと不定住のロマ民族をどこに「強制送還」したのかといえば、ルーマニアとブルガリア。このあたりもよくわからないのだが、フランス国内には1万5千人程度のロマの人々がおり、折に触れ排斥の対象になっているという。イタリアでもフランスに追随するような措置が取られているという。
 これは経済の停滞などが原因になっているきわめてポリティカルな話だが、ロマ、ジプシーといわれて思い出すのは、ヨーロッパでジャズの革命を果たした、ロマ民族出身のギタリスト=ジャンゴ・ラインハルト(1910.1.23 - 1953.5.16)だ。
 今年はジャンゴの生誕100周年に当たる。その時に、ロマ迫害に踏み切ったサルコジは、ヒトラー並に永遠に記憶されてもおかしくはない。なぜなら、ジャンゴ・ラインハルトはすべてのヨーロッパのジャズ文化を支える根っこであり、文化という意味において、フランスは最大にロマの恩恵に浴している国のひとつなのだから。
 ロマ強制送還が行なわれている同時期に、ここ日本でジャンゴ・ラインハルト生誕100周年を祝すように、ジャンゴの創りあげたマヌーシュ・スウィングのナンバー1ギタリスト、巨匠ストーケロ・ローゼンバーグ率いるローゼンバーグ・トリオのジャンゴ・ラインハルト・トリビュート・アルバムが発売されていた。
 しかも、そこにはジャンゴ同様、ロマ出身のマヌーシュの大物ギタリスト、ビレリ・ラグレーンも参加している。発売から3ヶ月近く経っているので、初回限定盤があるかどうかは、確かめて欲しいのだが、初回限定DVDにはローゼンバーグ・トリオのレコーディング・セッションの様子などが納められていて貴重だ。音は、無条件に聴き入ってしまうクオリティ。
 いつかもっと詳しくジャンゴ・ラインハルトというギタリストについて触れてみたい。それほど魅力的なのだ、この人の音楽は!

ザ・ローゼンバーグ・トリオ
with ビレリ・ラグレーン
ジャンゴロジスト(+6)
スペシャル・エディション
VIVO-255
(初回限定盤は限定DVD付 日本盤特典:ボーナストラック6曲)
2940円
2010年8月22日発売
プランクトン

【ジャンゴロジスト(+6)  収録曲】
01. Vendredi 13
02. Dream Of You
03. Peche A La Mouche
04. Clair de Lune
05. Choti
06. Double Jeu
07. What Kind Of Friend
08. For Sentimental Reasons
09. Gipsy Groovin'
10. Coquette
11. In A Sentimental mood
12. I'll never Smile Again
13. Sweet chorus
14. Webster
15. Indifference
16. Moonglow
17. Yours And Mine
18. Tears

<日本盤特典>
★ボーナス・トラック6曲:配信のみで販売されたミニアルバム"Free As The wind"を収録。
19. Les Flots Du Danube
20. The sheik Of Araby
21. I Wonder Who's Kissing Her Now
22. Margie
23. That's Why They call Me Shine
24. Saint-Louis Blues

(J-CASTニュース 音盤見聞録掲載原稿を転用
 → http://www.j-cast.com/mono/2010/11/11080436.html)


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