きょうの新聞に、厚生労働省の調査で、昨年度の高齢者虐待12,600件 という記事がありました。大半が、家庭の中で起きています。認知症の人が娘や息子から暴力を受けるケースが多いのですが、わたしは、自分の介護の経験から、その気持ちがわかるのです。
最近の日本は家族の絆を強調し、家庭で介護されることが幸せの象徴のような発言があります。もちろん、余裕が(物心ともに)あって、それができる方はいいのですが、わたしは家族の限界もまたあると思っています。特に認知症は、目を離せない、同じ話をなんどもするなど、介護する側にとってしんどい時があります。
私の母が施設に移って1年半になりますが、きのうの誕生日に、母に「産んでくれてありがとう」 と言う事ができました(ちょっと恥ずかしかったのですが)。小さなブーケを持って。
本屋で立ち読みをした雑誌に、誕生日に親に感謝のことばをいったら、幸福になれる・・と書いてあったので実行してみようと思ったのです。
離れていることで、すなおに母に語ることができます。一緒にいたころの”いらいら”から開放されてこそ、見えるものもあると思ったりします。
介護を家庭に・・というばかりではなく、社会的にしていきたいと思うのですが、とくに認知症に関してはそう思っています。