すでにホムペにはアップしているので大きめフォトをこちらに。
戸根橋最奥部の駐車場に着くと地元の古老の方が駐車場の草刈をされていた。「きれいになりますね。お世話になります」と申し述べると「今日は天気がいいので登山者も多いじゃろう」と言われる。このあたりの地主らしくで登山者に楽しんでもらおうとスイセンの花を植えられていた。周辺の林道脇をスイセンの花で埋め尽くそうと植えられているが、80歳になったのでなかなかはかどらないらしい。話を続けると昔は自給自足でこのすぐ側の沢でも30cmぐらいのやまめが沢山いたらしい。今は植林等で沢も暗くなり、クモ等の虫も少ないのでやまめも住み着かなくなったという。鎖場の鎖も60年ぐらい前に村人が製作し、皆で協力して担ぎ上げ取り付けたとのことだった。この莇ヶ岳や弟見山稜線付近はかってブナの原生林が広く残り、魅力的な山域だった。鎖場では岳友と岩トレにもよく来たし、晩秋には正面登山道でも落ち葉たっぷりさくさく歩きが楽しめ、下りでも適度なクッションになり、早く歩け膝にも優しい登山道だった。だがぶなの森にも開発の手が伸びそのほとんどが伐採される話が持ち上がった。林野庁の伐採計画に対して自然愛好家が「莇ヶ岳自然を守る会」を結成し伐採反対運動が展開されたが、若干の手直しだけで計画通り伐採は進められ、自然林のほとんどは失われた(防長山野へのいざない改訂版より抜粋)。子供が小さい頃家族でも登ったこともあるが、正面コースも山頂付近まで伐採され無残な姿になったこともある。今回のコースでも山麓は味気ない植林帯を歩くことになるが、登山道脇の植生も一部回復していることもあって少しは魅力が回復したような気がする。
登山道脇の雑木も20年ぐらい経ってかなり大きくなってきている。
樹間から望む莇ヶ岳山頂
登る途中には第2展望台という大岩へのルートも整備されていた。南東方面の展望が開けるが、ここから新緑や紅葉の時期に山頂方面の森を眺めるのも良いだろう。
第2展望台より金峰山方面を望む。春霞みで山頂は薄っすらと見えるだけだった。
二の鎖、以前は難なく登っていたが今回はなかなか手ごわい。思いのほか体力の低下を自覚することになる。もう急峻な岩場は無理だな。
おひさの莇ヶ岳山頂、5月になればイワカガミが楽しめるだろう。
山頂より野道山と三ッヶ峰、後に控える十種ヶ峰は薄っすら。
山頂から北部へ少し歩くと弟見山が良く見えるスポットがある。足を伸ばしてみよう。
かすかに残る原生林
松の木尾根コースを少し下ると大岩の見晴らし台がある。第2展望台と同じような感じだが新緑や紅葉時期に楽しめるだろう。
野道山から三ヶ峰間の縦走路を思わすような笹原と木立
振り返れば莇ヶ岳山頂が見える。
平坦な道は快適な散歩道、松林もきれいだ。
最後に望む莇ヶ岳、さようならまた会う日まで。