かずの里山ハイク

山や花、日常の出来事などの気まぐれブログ

桐ヶ峠から高岳山

2011年05月15日 | 山歩き

山野草の観察と撮影修行?のため高岳山を歩いてみる。このコースの良い所は、桐ヶ峠までは
沢筋、桐ヶ峠から高岳山頂までは尾根筋の山野草を観察できるところにある。

沢筋ではホウチャクソウが各所に咲き、尾根筋ではチゴユリ、イワカガミなどの群生が見頃で
楽しめた。休憩60分を含み約6時間、新緑の森の中で過ごし、修行?に励んだ。

アバウトな歩行コース図は下図の通り、なお桐ヶ峠の場所、一部登山道は国土地理院の
地図表記と異なるので注意が必要。昔と登山道の位置が変わったのか定かではないが、
現在の桐ヶ峠は高岳山、三ッヶ峰間の最低鞍部にある。

なお、駐車地は林道奥の登山口からは一番離れた空き地にした。
山麓のチゴユリの群生地という理由でもあったが、花は盛りを過ぎていた。

いきなり難問!折れた茎の下の対生葉から花が咲いている。茎や葉の様子からすると笹のようだが、
笹の花とは似ても似つかん。ある方から教えて頂き、調べたところ、花や葉の形から、タチシオデの雄花の
ようです。意識的に見たのは初めてで、なんじゃーこりゃーでした。

ニガナ・・・5枚の花弁と雄しべの形状に特徴が見られる。葉は倒披針(とうひしん)形の細い形をしている。

葉の形を亀の甲羅に見立てたオオカメノキ(スイカズラ科の落葉低木。別名ムシカリ)、この時期山中のいたる所で見られる。

林道を外れ、清流なども楽しんでみる。吹き抜ける風やせせらぎの音も心地良い。
眼をつぶり、耳を澄ませば色んな世界も見えてくる。

ホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属)・・・宝鐸(ほうちゃく、ほうたく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた
飾りであり、風鐸(ふうたく)ともいう(出典ウィキペディア)。

ガクウツギ、これから花色は白く変化する。

小沢(こさわと読む、おざわではない)渡渉点の小滝、小さくとも良く見れば風情が。

斑入りミズヒキ・・・園芸店などでも売られているらしい。

マムシグサ(サトイモ科テンナンショウ属)・・・秋になると赤いトウモロコシみたいな実を付ける。



チゴユリ(ユリ科チゴユリ属)、高岳山は沢筋ではホウチャクソウ、尾根筋ではチゴユリの自生が多く、
どうやらチゴユリ属のお気に入りの場所のようだ。

寒かった冬のせいなのか、今年のギンリョウソウの生育はいまいち。

桐ヶ峠・・・ここに着いた時、ややマニアックな周回ルートを思い着いた。約半分のルートは歩いていないので
いずれ時期をみて歩くことになるかも。また一つ気になるルートが増えてしまった。

二次自然林の新緑に囲まれる尾根道、年数がたてば魅力も増すことだろう。
人間もこうであればいいのだが、なかなかどうして一筋縄ではありません。雑念を取らないと、修行じゅぎょうじゃ。

タチツボスミレ・・シハイスミレはやや盛りを過ぎていた。

まもなくしてイワカガミのお出まし、花色を良く見るとシロバナ、ピンク、その中間色と3種類あるようだ。
中間色のものはピンクとアルビノの白色のものが交配しているのかも知れない・・・勝手な推測ですけど。

中間色、いわばノンポリ、人間世界では玉虫色といって、どっちつかずで決着することが多い。

ミツバツツジのさすらい花ならぬ残り花

ピンクの正当派イワカガミ・・・以前はこの色しか無かったような気もするが、何しろ気にも留めてなかった
のでよくわからん。

白花の群生の様子など。

新緑ときめくブナの森、大木は少ないが、幼木もちらほらと育っているので、その内に。

笹原と木立と新緑・・・癒されますぅ!



山頂北部にある見晴らし所より、過日歩いた十種ヶ峰、この山の麓の地名は徳佐だから、自然に徳佐ヶ峰と
呼べばいいものだが、大昔に天大神のお子の御食主命が十種の神宝を埋めたという伝説から名づけられた
らしい。神宝とまでは言わないものの、それに匹敵するぐらいのものがこの山にはある。
休憩していると山陽小野田市のYさんが到着され、「SLは通りましたか?」と聞かれ、「あまり興味もないので
よくわかりません」とそっけない返事をしたが、山情報などの交換をしながら楽しい歓談の時を過ごした。
日曜なのでもっと登山者もいるかなと思ったが、結局今日の山は二人占めでのんびりできた。



白花のイワカガミの群生の様子、登山道脇にこのように咲いている。

存在感のあるブナの幹肌と新緑のようすなど。



キジムシロ・・・似た花にミツバツチグリがあるが、ミツバツチグリは3小葉に長い葉柄があり、キジムシロは
茎から直に葉が出ているので見わけがつく。

ところで最近、重力に逆らうことが難しくなってきた。いい写真を撮ろうと思えば、息切れなどあれば手ぶれに
なってしまうので、写真を重点に置く時は周囲を細かく観察しながら、息を乱さないようにゆっくりと歩き、
シャッターチャンスを逃さないようにしている。

5年位前のことだろうか、山野草にやたら詳しい方と山行と共にする機会が多い時期があった。
その方は私に山野草を楽しむきっかけを与えてくれた師匠とも言える人だった。

同行するといつも他の仲間に比べ、歩行はゆっくりだった。山行経験が豊富な方なのになんでだろうといつも
疑問に感じていた。最近の自分の歩きかたを見ていると、ようやく当時の師匠の歩き方が理解できるように
なった。

で、直近ではその歩行スタイルがすっかり板に付き、写真を撮らない時も歩行スピードが上がらなくなった。
本格的な登山からはとっくに身を引いているつもりだが、これでは普通の山歩きさえ出来なくなっている。

だったら、山歩きからも正式に引退をして、山遊びに鞍替えとなるのかも。山遊びだと山腹、山麓だけで
過ごしても違和感はないだろうし、長く付き合えるような気がしている。

しかしながら、最近の山歩きでは装備他のちょっとした小細工もしながら楽しむようにしている。
過日の小峰峠から荕ヶ岳では、一時歩行や休憩時に虫がまとわりつき、やや深いだったので、今回は
扇子をザックに忍ばせ準備した。今回、虫は少なく出番は無かったが、これから暑くなると出番はある。
さて、次はどの山で遊ぼうか?