■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 32歳のリーダーが率いる子供用品チェーン 1c01
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
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■ 32歳のリーダーが率いる子供用品チェーン 1c01
全国に1020店舗を展開し、乳幼児の衣服から紙オムツ、粉ミルクまで子供用品の豊富な品ぞろえと低価格が売り物の西松屋チェーン(兵庫県姫路市)。小さい子供を持つ家の人が、車など何らかの交通手段で、長くても20分か30分で買い物に行ける場所に店舗を構えているので、白ウサギの「ミミちゃん」の看板を見知っている人は多いかもしれない。
同社チェーン店の通路は広い。通路が広ければ買い物客同士がベビーカーですれ違ってもスムーズに移動できるし、客がいても商品搬入の邪魔にならない。3密回避が求められるコロナ感染対策にも役立つ。衣類はハンガーで吊り下げてあり、サイズやデザインが一目でわかる。ハンガー吊り下げ式の衣類なら、たたみ直して整理する必要がない。従業員は2、3人しかいない。低コストで運営が可能だからだ。
代表取締役社長COO(最高執行責任者)は2021年8月21日付けで専務執行役員社長補佐室長から昇格した大村浩一さん。前社長の長男で1987年生まれの32歳だ。1956年、乳幼児の衣類などを販売する「赤ちゃんの西松屋」を創業した祖父、大手鉄鋼メーカーから転身し製造業のノウハウで効率性を追求し業容を拡大した父の跡を継いだ3代目は、東大法を卒業後、みずほ銀行に入行したが、父に請われて2014年に入社した。
同社の20年2月期決算は25期連続増収を実現したものの減益だった。利益が出なかった原因は同業他社との競争激化、売れ残り衣料品の「値下げロス」、過剰仕入れによる在庫増だ。新社長はそれまで一部の担当者が判断していた仕入れ量を会社全体で一元管理し、在庫状況を現場から経営陣まで共有する仕組みを導入した。ボトムアップだった仕入れをトップダウンに180度転換したことで、売れ残り処分による損失は4割以上縮小した。
次の目標は、11月11日正午にオープンした自社EC「西松屋公式オンラインストア」の拡充だ。コロナ禍でオンラインショッピング市場は伸びている。プライベートブランド「エルフィンドール(ELFINDOLL) 」や「スマートエンジェル(SmartAngel)」をはじめとするベビーグッズを中心に揃え、チラシ掲載のセール商品なども取り扱い、売り上げ増を図る。
近い将来は店舗を1500店に増やし、コロナ収束後は海外出店も視野に入れている。「私より若い社長はITベンチャー企業などにもたくさんいる。デジタル化が進んで世の中の変化がどんどん激しくなるなか、若い世代がけん引していくことが大事。ものおじせずにチャレンジしていきたい」と話す。若きリーダーのかじ取りに注目だ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成