【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】5ー04 拈華微笑 以心伝心から見える化の時代へ ~ 言葉を使わず心から心へ伝える ~
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第5章 表現上手で説得力を向上
世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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■ 5ー04 拈華微笑 以心伝心から見える化の時代へ
~ 言葉を使わず心から心へ伝える ~
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「以心伝心(いしんでんしん)」という四字熟語もしばしば耳にしてきましたが、近年は、以前ほどではないような気がします。それどころか、以前は日本人の特質的に良い意味で使われていましたが、昨今では「以心伝心」ができなくなってきたことへの憂いの言葉のように使われます。古い人間にとっては、日本人の良さが消え去るようで寂しい思いをします。
「以心伝心」を訓読みしますと「心を以(もっ)て、心に伝う」となります。「以て」は「手段・方法・材料などを示し、”…によって””…で”(広辞苑第六版)」という意味ですので「以心」は「心を使って」という意味になります。「伝心」は「心を伝える」という意味ですから、「以心伝心」というのは、「心を使って、心を伝える」という意味です。すなわち、「文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合う(新明解四字熟語辞典)」こととなります。
出典は「禅源諸詮集都序」に出てきますので、禅宗の語で、「言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝える」ことを意味します。
類義語として「拈華微笑(ねんげみしょう)」があります。「拈」は訓読みで「ひねる」、すなわち、「捻(ひね)る」と同意です。「拈華」とは「華を拈る」で「微笑」は、通常私たちは「びしょう」と読み、「ほほえむ」という意味です。
釈迦が説法をした折に、黙って花を拈って示したところ、迦葉(かしょう)という釈尊十大弟子の一人だけが、その意味を理解してにっこり笑ったという故事から「以心伝心」と同様な意味で「拈華微笑」が用いられます。(四字熟語辞典)因みに、この故事からも解りますが、迦葉は、釈尊の入滅後には教団の統率者となりました。
同じような意味で、「教外別伝(きょうげべつでん)」や「 不立文字(ふりゅうもんじ)」という四字熟語があります。前者「教外別伝」は、同じような意味ですが、禅宗の教えから「悟りは言葉や文字で伝えられるものではなく、直接心から心へと伝えるもの(新明解四字熟語辞典)」という意味です。類語の「不立文字」もやはり仏典にあり、悟りというものは文字では表せないということから「悟りは修行を積んで、心から心へ伝えるもの」となります。
日本人は、口に出さなくても自分の気持ちは相手に伝わると思い込んでいたため、アメリカ人を始め多くの外国人のように I love you. ということを言わない時代が続いて来ています。ところが近年、日本人も拈華微笑が通じる人が少なくなって来ています。そのうちに、アメリカ人と同様に、一日に一回以上I love you.と言わないと離婚理由として正式に認められるようになるかもしれません。
有能な人は、相手が何を考えているのか、読心術とまで行かなくても、ある程度雰囲気を読んで、それを別の方法で確認して、すなわちウラを取ってから実務に応用すると言われています。拈華微笑は私たちにとって必要な能力なのかもしれません。
では、その能力をどのようにして修得したらよいのでしょうか?
一つには、その様な経験の場数を踏むことだと思います。しかし、その様な場に遭遇することはそれほど多くはないでしょう。とりわけ「ノウハウ」と言われるような目に見えないことを伝えたり、習得したりすると言うことは大変困難なことです。コンサルタントを対象としたある研修会では、経営コンサルタント歴の永く豊富な講師は「教えてもらうのではなく、感じ取る」という知識修得よりは拈華微笑を大切にしています。
日本人は、「腹芸」などと言われるように、また「以心伝心」の類語が複数ありますように、「言わなくてもわかってくれるはず」「簡単な説明だけだったが、伝わっているはず」と考えがちです。
昨今では、拈華微笑ができない人が多くなっているために、思わぬトラブルに巻き込まれたり、想定外のことが発生したりすることもあります。ある企業でのことです。先輩が、後輩に「どう、昼飯でも一緒に」と声をかけました。後輩は「結構です」と答えたそうです。
昼休みになって、先輩は玄関のところで、後輩の来るのを待っていたのですが、いつまで経っても後輩は来ません。それもそのはずです。先輩は「結構です」という後輩の言葉を「結構なお誘いをありがとうございます」と”同意”と解釈しました。ところが、後輩は、先輩と昼飯を食べるなんて、固苦しいですので、「ノー」の意味で「結構です」と答えたのです。
このようなことがありますと、先輩としては、後輩達の言葉の使い方が難しく感じ、何ごとにおいても「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」になってしまいます。「疑心」すなわち疑う心があると「暗鬼」すなわち「くらがりの鬼」を呼んでしまうのです。すなわち、「疑心暗鬼」というのは「実際にはいないのにその姿が見えるような気のする鬼。不安・妄想から起こる恐れ(広辞苑第六版)」という意味から「心に疑いを抱いてますと、何でもないことでも恐ろしいものに見えたり、些細なことに不安を覚えたりする」ことに繋がるのです。「以心伝心」がなかなかできない時代になってしまいましたので、言うべきことをキチンと表現しないと「疑心暗鬼」に繋がってしまいかねませんね。
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~ 言葉を使わず心から心へ伝える ~
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「以心伝心(いしんでんしん)」という四字熟語もしばしば耳にしてきましたが、近年は、以前ほどではないような気がします。それどころか、以前は日本人の特質的に良い意味で使われていましたが、昨今では「以心伝心」ができなくなってきたことへの憂いの言葉のように使われます。古い人間にとっては、日本人の良さが消え去るようで寂しい思いをします。
「以心伝心」を訓読みしますと「心を以(もっ)て、心に伝う」となります。「以て」は「手段・方法・材料などを示し、”…によって””…で”(広辞苑第六版)」という意味ですので「以心」は「心を使って」という意味になります。「伝心」は「心を伝える」という意味ですから、「以心伝心」というのは、「心を使って、心を伝える」という意味です。すなわち、「文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合う(新明解四字熟語辞典)」こととなります。
出典は「禅源諸詮集都序」に出てきますので、禅宗の語で、「言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝える」ことを意味します。
類義語として「拈華微笑(ねんげみしょう)」があります。「拈」は訓読みで「ひねる」、すなわち、「捻(ひね)る」と同意です。「拈華」とは「華を拈る」で「微笑」は、通常私たちは「びしょう」と読み、「ほほえむ」という意味です。
釈迦が説法をした折に、黙って花を拈って示したところ、迦葉(かしょう)という釈尊十大弟子の一人だけが、その意味を理解してにっこり笑ったという故事から「以心伝心」と同様な意味で「拈華微笑」が用いられます。(四字熟語辞典)因みに、この故事からも解りますが、迦葉は、釈尊の入滅後には教団の統率者となりました。
同じような意味で、「教外別伝(きょうげべつでん)」や「 不立文字(ふりゅうもんじ)」という四字熟語があります。前者「教外別伝」は、同じような意味ですが、禅宗の教えから「悟りは言葉や文字で伝えられるものではなく、直接心から心へと伝えるもの(新明解四字熟語辞典)」という意味です。類語の「不立文字」もやはり仏典にあり、悟りというものは文字では表せないということから「悟りは修行を積んで、心から心へ伝えるもの」となります。
日本人は、口に出さなくても自分の気持ちは相手に伝わると思い込んでいたため、アメリカ人を始め多くの外国人のように I love you. ということを言わない時代が続いて来ています。ところが近年、日本人も拈華微笑が通じる人が少なくなって来ています。そのうちに、アメリカ人と同様に、一日に一回以上I love you.と言わないと離婚理由として正式に認められるようになるかもしれません。
有能な人は、相手が何を考えているのか、読心術とまで行かなくても、ある程度雰囲気を読んで、それを別の方法で確認して、すなわちウラを取ってから実務に応用すると言われています。拈華微笑は私たちにとって必要な能力なのかもしれません。
では、その能力をどのようにして修得したらよいのでしょうか?
一つには、その様な経験の場数を踏むことだと思います。しかし、その様な場に遭遇することはそれほど多くはないでしょう。とりわけ「ノウハウ」と言われるような目に見えないことを伝えたり、習得したりすると言うことは大変困難なことです。コンサルタントを対象としたある研修会では、経営コンサルタント歴の永く豊富な講師は「教えてもらうのではなく、感じ取る」という知識修得よりは拈華微笑を大切にしています。
日本人は、「腹芸」などと言われるように、また「以心伝心」の類語が複数ありますように、「言わなくてもわかってくれるはず」「簡単な説明だけだったが、伝わっているはず」と考えがちです。
昨今では、拈華微笑ができない人が多くなっているために、思わぬトラブルに巻き込まれたり、想定外のことが発生したりすることもあります。ある企業でのことです。先輩が、後輩に「どう、昼飯でも一緒に」と声をかけました。後輩は「結構です」と答えたそうです。
昼休みになって、先輩は玄関のところで、後輩の来るのを待っていたのですが、いつまで経っても後輩は来ません。それもそのはずです。先輩は「結構です」という後輩の言葉を「結構なお誘いをありがとうございます」と”同意”と解釈しました。ところが、後輩は、先輩と昼飯を食べるなんて、固苦しいですので、「ノー」の意味で「結構です」と答えたのです。
このようなことがありますと、先輩としては、後輩達の言葉の使い方が難しく感じ、何ごとにおいても「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」になってしまいます。「疑心」すなわち疑う心があると「暗鬼」すなわち「くらがりの鬼」を呼んでしまうのです。すなわち、「疑心暗鬼」というのは「実際にはいないのにその姿が見えるような気のする鬼。不安・妄想から起こる恐れ(広辞苑第六版)」という意味から「心に疑いを抱いてますと、何でもないことでも恐ろしいものに見えたり、些細なことに不安を覚えたりする」ことに繋がるのです。「以心伝心」がなかなかできない時代になってしまいましたので、言うべきことをキチンと表現しないと「疑心暗鬼」に繋がってしまいかねませんね。
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