寒菊;冬菊;島寒菊;浜寒菊;初見草;秋無草;霜見草;雪見草。花言葉は、繊細。キク科の多年草。植物学的に油菊という。菊の原種の一つとさっる島寒菊、浜寒菊の一変種。近畿地方以西の日当たりのよい山麓に自生する。また園芸用に庭に植える。茎は30~60㎝で、葉の裏側に軟毛がある。花は晩秋から初冬にかけて、枝の先に小さくまばらにつき、黄色ときに白もある。冬菊、霜菊の別名。「寒菊はおごらで久し花盛 重 頼」「冬や咲きや隠逸伝の翁ぐさ 宗 因」「寒菊の気髄に咲くや藪の中 来 山」「寒菊や醴造る窓の前 芭 蕉」「寒菊や粉糠のかかる臼の端 芭 蕉」「寒菊や箔色しづむ鷹の鞭 野 祇」「寒菊や夕日に向かふ硯形 桃 隣」「寒菊や垣根つづきの庵の数 太 祇」「寒菊や日の照村の片ほとり 蕪 村」「寒菊や猶なつかしき光悦寺 召 波」「寒菊や虱をこぼす身のいとま 白 雄」「寒菊や臼の目切りがぼんのくぼ 一 茶」「寒菊を憐みよりて剪りにけり 高浜虚子」「寒菊や霜憐れめど剪り惜しむ 岡本松浜」「寒菊の雪をはらふも別れかな 室生犀星」「冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋櫻子」「わが手向冬菊の朱を地に点ず 橋本多佳子」「冬菊を活けて老いざまを慈しむ 殿村菟絲子」「冬菊や隣へ慰問聖歌隊 石田波郷」「霜の菊円光負うてゐるごとし 永島靖子」「棺へ足す冬菊のみみな違うふ 嶋田麻紀」「寒菊やあんぜんめんぜんすまるや様 伊沢 恵」「寒菊のあとも寒菊挿しにけり 橋本末子」「冬菊の乱るる色 濃くしたる 鹿野佳子」。(寒菊も冬菊ともに雪をかぶりて咲きにけり ケイスケ)