心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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残されたものは

2012年11月14日 | ほんのすこし
残されたものは 夜の闇
残されたものは 葉のしずく
残されたものは いるはずのないもののぬくもり

語り合う言葉と言葉の合間に入り込んでくる
「あのとき」いた そのひと
語り合う相手とわたしとそのひとと
確かにそこに存在していたという
時間の容赦ない進行は 記憶さえ薄めていくのだろうか

語り合うほどに曖昧に
語り合うほどに後悔が顔をのぞかせる
もう戻れはしないという
語る「あのとき」が 多ければ多いほど
残されたものは 時はなんと素早く通り過ぎていくのかと
戸惑い 眠れぬ夜をさまよう

※※※

雨が降りしきる中 昨日は歩いて母の元へ。代車を運転するのがいやだったということもあり、久々の歩きだった。それにしても雨がひどくなってる。大きめの傘をさしていったが、肩には雨が・・・歩きながら 失敗だったかな?と(笑)
病室にはふたりだけの生活から あっという間に4人になっていて ちょっとびっくり。
その前までふたりで好きなように過ごしてきた母にとっては かなり窮屈な事態に。まぁわがまま言ってられません(笑)
手術後かなりの痛みに数日大変な思いをしてきた母も ここに来て ようやく少しずつ落ち着いてきた様子。顔を見に行くこちらもなんとなく安心する。
行ったからといって そんなにお世話するわけでもなく ただ話をしていることが多いのだけど、それでも顔を見せないと心配なのか「どう?」って言いながら カーテンから顔を出すと「あぁ 来てくれたんだ」と喜んだ顔をする。
「入院してるとね、来てくれる人を待ちわびるものなんだよ。向かいの人なんか まだ来ないまだ来ないって電話かけたりしていてね」
うんうん・・・
わたしも会いたいしね。
このまま元気になってほしいなぁ。
元気になったら温泉に行こう。いや しばらくは家で大事にしてるよ。でも 温泉入りたいでしょ? んだな、朝早くなら行ってもいいかもしれないな。
そんなことを言いながら 思いはすでに温泉に・・・旧知の方々の顔を思い出し あれこれと話がはずむ。

わたしが歩いてきたことを知ると 雨が降っているからと早めに帰ったほうがいいよと気を使う母。点滴の具合があまり良くなく 少しでも手を動かすと点滴が止まるので ふたりでときどき上を見上げながら「早く終わるといいね」「うん 今日はこれで終わりだから、終わったら着替えするよ」「着替え手伝っていくよ」「点滴が終わればひとりでゆっくりやるからいいよ」なんて言いつつ。
いよいよ点滴が終わり、看護師さんに熱いタオルの在りかを聞き、借りてくる。結局 着替えを手伝う(笑)
母がひとりで着替えをすると 時間がかなりかかるし その間 さらに汗をかくから せっかく着替えしても下着に汗がつくことも多い。だから 熱いタオルで体を拭いてさっぱりしたところで着替えを手伝うのが一番なのだ。それなのに「ひとりで大丈夫だから」なんて 娘に気を使ってどうするの?って感じ。
まぁ そういうところが母の良さなんだけどね。

相手のことを考える、それがあるとないとではかなり人間関係が違ってくる。
たとえ 親子でも夫婦でもね。他人よりもっと必要かも。

母から学ぶことは多い。

帰り路 雨足がひどくなっているにもかかわらず遠回りして 野菜屋さんに寄る。頭の中にシイタケのイメージが。今夜はあったかい鍋にしよう。足りない食材 シイタケ、ネギ、あと何だったかなぁ・・・雨が降る中 長いネギを袋から出しつつ とぼとぼ歩いているわたし。でも ココロはちょっぴりあたたかい。たくさん話してきたから。とりとめないことばかり話しているのに なんだかわたしのほうが満たされている。この母といつまでこうして話ができるのだろう。先の不安は考えまい。今は今の喜びを噛みしめればいい。

それにしても 寒くなるとやっぱ鍋ですなぁ。