心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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チビ おかえり

2012年12月11日 | ほんのすこし
7日は 母の診察付き添いをした日だ。
夕方 いつもの温泉に行ってきた。そしていつものように 温泉の湯殿の縁に腰掛けて汗を流していた。
外のベンチに出ることができるドアの近くに陣取って 珍しく数名しかいないその時間をゆっくり味わっていた。

体をちょっと動かしたときに・・・ん?
わたし めまいしている?っと一瞬思った。
でも 次の瞬間 体が揺れているのに気が付いた。

これって これって地震じゃないの?

脱衣所の近くにあるサウナから出てきた人たちが「地震だよ!」と話していた。
でも 数名いるなかで 地震に気が付いていなかった人もいた。体感の違いがあるのか いる場所のせいなのかはわからない。結構揺れが大きかった気がする。なんとなく気になって早めに切り上げて 戻った。

母に「地震があったよね。テレビでずっと地震のこと放送しているよ」と言ったら、母は全然気が付いていなかった。う~ん 揺れなかったのかなぁ・・・

そんなことがあって数日過ぎた昨日のこと。
わたしが母のところから車で出ようとしたら ご近所さんが車で寄ってきて窓を開けた。
「ちょっとぉ○子さん、お母さんに話に行こうと思っていたけど。寝ていると悪いから 言わないでいたのよ。」と。何事かと聞いてみたら。
ご近所さんが可愛がっていた猫のチビちゃん。真っ白で両目の色が緑と青の猫だ。その猫がいなくなったとご近所さんが母に「お宅に行ってないか?」と電話してきたのが12月の1日。
「もう三日も帰ってこないから、死んでるかもしれない・・・」と泣き声で話していたそうだ。
わたしは チビがいなくなる前の日の夕方、いつもの場所(母の玄関先のコンクリートがお気に入り)にチビが上がるのを見て、「チビ、お前 寒くないの?家に入らなくていいのかぁ?」と声をかけて帰ったばかりなのだ。母から話を聞いて なんだかあれがチビとのお別れだったのかと思うと、帰ってからも気になってしょうがなかった。

次の日 母のところに行ったときももしかして 車庫に紛れ込んで出れなくなっているんじゃないの?と探してみたり。裏庭を見たり。母のところからの戻り路、両脇に佇んでいないかとキョロキョロしたり。
その後 ご近所さんから何も話がないので、ふたりで「チビは きっと死んじゃったんだね・・・」とがっかりしていたのだ。

そのチビが あの地震のあった日 地震が起きる20分ぐらい前に帰ってきたというのだ。家の周りでうるさいくらいに鳴くので見たら チビがいて、家に入った途端 家中をあちこち走りまわったそうな。
その後 まもなくあの地震が起きたという。
ご近所さん「きっとチビは地震があるって知らせにきてくれたんだよ。毛並みも白くて綺麗なままだし、食べ物もすぐ食べようとしなかったから どっか別のところで1週間も飼われていたんだよ。チビが話できたらなぁ。お前 今までどこに行ってたんだ?って聞けるんだけどねぇ~」と嬉しそうに言っていた。

それにしても チビよ。お前 どこでだれに可愛がられていたんだい?
母が言った。
「人間だと後をつけて どこの家だかわかるけどねぇ。猫じゃあねぇ・・・」
無事に帰ったチビ。今度はどこにも行かないでくれよ。