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好きな色は? と聞かれたら
青、と答えるかな
でも、青は似合わない気がしている
ベージュや焦げ茶、それがわたし
でも
本音は
青が好き
深い色の青が好き
だから
着こなせない青を
ただただキャンバスに塗り込める
その青の下には白があって、漆喰のような白があって
重ねる二つの色が
どこか悲しくもあり
嬉しくもあり
あぁ、わたしの世界はどこか狭くて
それでいてどこか遠い
青の世界は
たどり着きたくても
手が届かない
永遠との追いかけっこ
だから
いつも
いとおしい
青が好き
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母が言った
自己満足でいいんだよ、と
嬉しかった
「今ね、こんな風にしてね、描いてみてるんだ」
「お前の好きなことがあれば、それでいいんだよ」
なんだか、ホッとした
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