17日まで久留米市美術館で「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」という長い名前の展覧会が開催されていました。
アーツ・アンド・クラフツ運動は19世紀後半にイギリスで起きた美術工芸運動です。産業革命以後に機械工業で生み出された大量生産品ではなく、手づくりから生まれる美しさを生活の中に取り入れようとするものです。趣旨に賛同する人々の工房から様々な生活用品が生み出されました。この運動は世界に広まり建築の分野にも影響を及ぼしました。
イギリスの田舎の伝統的なデザインを基にした椅子とライティングテーブル、壁掛け。
展覧会のパンフレットから。この運動によるものづくりはアクセサリーや様々な生活用具に及びました。
ポストカードから代表的なデザインを紹介します。
「海藻」壁紙。1885年頃。
「らっぱ水仙」壁紙。1891年頃。
「小鳥」壁掛け布。1878年。
20世紀の初めには日本でも「民藝運動」が提唱されました。「用の美」という言葉を聞いたことがあります。機能美と言い換えたら語弊があるかもしれません。アーツ・アンド・クラフツ運動の後、フランスでは19世紀末にアール・ヌーボーの芸術思潮が生まれてきます。
美術館の休憩室からの眺め。
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