経緯を簡単に述べる。
2009年に民主党政権が生まれが、そのマニフェストには
「川辺川ダム、八ツ場ダムは中止。時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す」と明記されていた。
そして鳩山由紀夫内閣が生まれ、国土交通大臣の前原誠司も、後任の馬淵澄夫も川辺川ダム中止の方針を踏襲した。
民主党政権は群馬の八ツ場(やんば)ダムも、熊本の川辺川ダムも、ムダな公共事業のシンボルに仕立て上げた。
そして現場の声も聞かず、建設中止を表明したのだ。
「コンクリートから人へ」は当時の民主党が掲げたスローガンである。
その後、東京都知事石原慎太郎を始め地域6県の知事は、
「八ッ場ダム建設事業の継続」の決断を求める緊急声明」を発表。
結果、八ッ場ダムの建設事業再開を決定した。
そして、その結果、昨年(2019年)の台風19号では、
試験的に水を貯めていた八ツ場ダムのおかげで下流の利根川での氾濫が回避できたのだ。
片や熊本では、蒲島郁夫が2008年に熊本県知事に就任し、
直後、国が五木村に建設を予定していた川辺川ダム計画の白紙撤回を求めた。
つまり、八ッ場ダムは地元の知事たちが必要とし、川辺川ダムは地元の知事が不要としたのだ。
(蒲島郁夫・かばしまいくお・熊本県知事)
蒲島知事はこの7月5日に、川辺川ダム中止の決断は県民の意向とした上で、反対の方針に変わりがないと強調した。
大きな被害に「大変なショックを受けた」、「ダムによらない治水を目指してきたが、費用が多額でできなかった」と述べた。
さらに「ダムによらない治水を極限まで検討する」と話したが具体的な方策に言及はなかった。
この人には呆れた。
結局、対案無き反対をしてきただけだ。
そしてこの12年間、何一つしてこなかったのだ。
「ダムによらない治水」って何だ?
川幅を広げる?川の底を掘り下げる?川筋に堤防を延々と作る?
そんな代案はハナから無理なのだ。
費用も手間も時間も恐ろしいほどかかってしまう。
結局、コストパフォーマンスに一番優れているのは治水ダムの建設しか無かったのだ。
決壊による被害額は、ダムの建設の費用とは比較にならないぐらい大きいということを考えてなかったのだ。
ここに来てまだ「ダムによらない治水を極限まで検討する」と言ったのは無能で無責任の極みでは無いのか?
なぜ「ダムの建設も含めて、防災への取り組みを根本から見直し検討する」と言わないのか?
今回の熊本の洪水被害は、無能な民主党政権と無能な知事とのコラボによる人災である。
思慮浅はかで根性の無い人物が知事や大臣になればこのようなことになる。
悪夢の民主党政権を誕生させたのはマスコミだった。
民主党が正義で自民党が悪のような報道ばかりだった。
テレビのワイドショーや朝日などの偏向新聞しか見ない人はみんな騙されたのだ。
我が国は地震が多く台風の被害も出やすい。
健全な土木技術集団を常に育成しておくことが自然災害への取り組みに不可欠なのだ。
国土の基盤を整備してくれるのが土木建設企業だということを忘れてはならないのだ。
箱モノ政治には大反対だがインフラ整備は国家の根幹と考えたい。
道路、橋、トンネル、河川、港、そして各種通信(NHKだけは不要)、電力網、鉄道網、
これらは「かくあるべき」という姿を描き、直接的間接的に、
国家と自治体、そして企業が責任を持って整備し続ける必要がある。
土木建設企業を「悪者化」し、「コンクリートから人へ」という、
馬鹿げたスローガンを掲げる民主党政権が誕生したことを我々は恥じなければならない。
国民は常に健全な危機感を持たねばならない。心地よい言葉に酔いしれてはならない。
同時に熊本県民も「ダムによらない治水」とは何なのか確認することもなく、
蒲島知事に投票し続けてきたこの12年間を恥じなければならない。
自分的には、中断している川辺川ダムの建設を再開するか、
最低限の治水整備だけを行い、「まさかの時はあきらめて下さい」と正直に説明するしか無いと思う。
「ダムによらない治水を極限まで検討する」なんて馬鹿な話をこの知事はあと何年も続けるのだろうか?
「検討した結果はどうなんですか?」と、今後毎月、熊本県民とマスコミは問うてみよ!と言いたい。
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【追記】
ここまで書いたあとで蒲島知事の「ダムによる治水も検討する」と発言訂正のニュースを見た。
ここでダム反対と言うのは分が悪いと判断したのだろうが、今後の蒲島知事の言動を見守りたい。