く~にゃん雑記帳

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<大和文華館> 特別企画展「新春を迎えて―梅と桜の美術」

2020年01月20日 | 美術

【雪村「花鳥図屏風」や国宝「寝覚物語絵巻」など】

 奈良市学園南の大和文華館で特別企画展「新春を迎えて―梅と桜の美術」が開かれている(2月16日まで)。早春の花を代表する梅と華やかな春の訪れを象徴する桜をモチーフにした絵画や工芸品、陶磁器など計37点(特別・参考出陳6点を含む)。国宝『寝覚物語絵巻』(下の作品)や重要文化財の雪村周継筆『花鳥図屏風』、春日大社に伝わる江戸時代の『吉野図屏風』なども出展されている。

 会場に入って右手に「梅を愛でる―清澄と高潔」と題して梅の作品が並ぶ。雪村周継(1504~89?)は室町時代の武家出身の画僧で雪舟に私淑した。六曲一双の墨画『花鳥図屏風』は右隻に早春の朝の光景、左隻に夏の夜景が精緻な筆致で描かれている。春の情景では雪解け水がしぶきをあげて流れる川辺で、梅の古木が咲き誇りオシドリが羽を休める。『螺鈿蒔絵梅文合子』は尾形光琳と尾形乾山の合作を江戸後期の蒔絵師、原羊遊斎(1769~1845)が忠実に模した作品。原作は残っていないそうだ。

 江戸後期の文人画家山本梅逸(1783~1856)の『四君子図』は古くから草木の君子と称えられてきた梅・菊・竹・蘭の4種を一つの画面に描いたもの。富岡鉄斎(1837~1924)の双幅『寒月照梅華図』『梅華満開夜図』、江戸中期の有田(伊万里)の色絵磁器『色絵松竹梅文大壷』『色絵梅文大壷』、18世紀のドイツ・マイセン窯の『色絵金彩柿右衛門写梅竹虎文皿』、沖縄特産の型染め『琉球紅型衣裳』なども展示されている。

 会場左手には「桜を愛でる―清浄と華麗」と題した桜の作品群。『寝覚物語絵巻』は菅原孝標の娘の作といわれる物語「夜半の寝覚」を絵画化した平安後期の作品。女主人公中の君(寝覚の上)の息子まさこ君が女二の宮の姿を垣間見る場面など絵・詞書4段から成る。岩佐又兵衛(1578~1650)筆と伝わる『源氏物語図屏風』は六曲一隻の江戸前期の作品。岩佐は戦国大名荒木村重の子で風俗画に優れ、〝豊頬長頣(ほうきょうちょうい)〟と形容されるふっくらとした顔貌表現から浮世絵の祖といわれることも。田能村竹田(1777~1835)筆『親鸞上人剃髪図』や江戸前期の有田(古九谷様式)の『色絵桜文徳利』なども並ぶ。

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