【18チームがステージ・パレード・奉納演舞を披露】
奈良の夏の風物詩「バサラ祭り」が8月26~27日の2日間にわたって繰り広げられた。1999年にスタートし、今年で25回目。県内外の「踊り隊」18チームが参加し、JR奈良駅前広場や繁華街の三条通り、東大寺・春日大社で演舞を披露した。目抜き通りでのパレードは4年ぶりとあって、沿道を多くの観客が埋め尽くした。
バサラは「婆娑羅」。鎌倉・室町時代に流行した風潮・美意識で、音楽や舞楽でわざと拍子を外し、派手に目立つことを表したという。このバサラ祭りも、音楽も踊りも衣装も全く自由。今年の参加チームは「FGP忍」が唯一25年連続の出場、次いで「奈良市役所チーム八重櫻」が22回目だった。
27日には午前10時半ごろからJR奈良駅の観光案内所前の広場で開会式と演舞の披露が行われた。最初に登場したのは「奈良クラブバンビちゃん」。J3に所属するプロサッカーチーム奈良クラブを応援するチアダンスチームで、開会式には奈良クラブのメンバー2人も参加していた。この後、「FIRE WAVE 椿KIDS」「キッズチアピーチーズ」と子どもたちのグループが続いた。
「もちいどのトモミバレエDANCERS」は15回目の出場で40人を超えるメンバーが参加。赤いシャツに黒のタイツ姿で、クラシック音楽に合わせ伸びやかな踊りを見せてくれた。初参加の「A-Fam(エーファム)」は全身黒尽くめのやや怪しげな装束で登場。顔を覆った黒いレースを外すと、みなはつらつとした若い女性たちで、個性的な踊りで独特の雰囲気を醸し出していた。
奈良駅前での演舞を終えたグループは順番に春日参道三条通りでもストリート・パフォーマンスを披露した。それぞれのグループを先導するのは大音量で踊りの音楽を流す音源車。参加グループの中では鳴子を手にしたよさこいチームが目立った。大阪府和泉市を拠点に活動する「和泉よさこい“りょく”」、“踊らにゃ損々”がモットーの「てんやわん屋」、4年ぶり参加の「みつば家」……。
奈良市の職員でつくる「奈良市役所チーム八重櫻」は女性陣の華やかな衣装が目を引いた。金魚の産地として有名な大和郡山のよさこいチーム「花柳」の音源車は全体が金魚の作り物で飾られていた。踊り終えたメンバーたちがその車の横に並んで記念写真を撮っていた。
最後尾にやって来たのは“飛び入り踊り隊”。海外からの観光客も含め観客が自由に参加できるもので、見よう見まねで音楽に合わせ踊りを楽しんでいた。パレードは2時間半ほど続いた。この間、沿道には踊り手たちのエネルギーと笑顔があふれ、こちらも元気を頂くことができた。