【妖怪に託した風刺書画など約40点】
東大寺法華堂(三月堂)のそばにある観音院で、“妖怪書家”として知られる逢香(おうか)さんの個展が開かれている。 元ミス奈良(2014年)で、奈良市観光大使として活躍中の逢香さん。テレビ出演もあって知名度も高く、連日多数のファンが詰めかけている。会期は明日20日まで。
逢香さんは大阪出身で現在奈良在住。6歳の頃に書道を習い始め、奈良教育大学(伝統文化 教育専攻⋅書道教育専修)を卒業した。妖怪に興味を持ったのは大学で変体仮名の授業を受けたのがきっかけという。2021年からNHK 奈良の「逢香の華やぐ大和」に出演中。
会場の観音院入口正面には『あつまれ文字たち』という作品が展示されていた。独特の書体はタイポグラフィー というそうだ。「気に入った子(もじ)たちに 集合をかけました 」との説明が添えられていた。
屏風仕立ての上の作品は タイトルが 『現代社会に龍出現』。現代っ子は みんな龍なんて恐れることなく、珍しがってスマホで写真を撮ったりしている。
『よくくらべ』は今年制作した最新作の一つ。 ハリセンボンで 「比」の字を叩く人たち。それを止めさせようと「怒⋅羨⋅憎⋅妬」の顔を持つ化け物たちが駆けつける。
『嘘つき』(写真は部分)も最新作。 臼と杵の化け物がつくのはお餅ではなく「 嘘 」の文字。だから嘘つき。臼から舞い上がる文字の勢いが、世間に嘘が蔓延している様を表しているようだ。
『般若』は横長の大作。東京でPV(プロモーションビデオ)の撮影の合間に、なんとわずか1日で描き上げたという。
俳優八嶋智人さん(奈良市出身)とのコラボ作品も展示中。八嶋さんも長年、奈良市観光特別大使を務めている。逢香さんが水墨画で鹿を描き、八嶋さんが左上に奈良への思いを込めて「想」の 1文字を墨書した作品。 その前で 中年の女性が逢香さんを「多才な方ね」と評し「鹿の絵も生き生きして」と見入っていた。
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