【花色は紫のほか白、青、ピンクなども】
ツユクサ科ムラサキツユクサ属の仲間は北米から南米にかけて70種ほどが分布している。日本など東アジアに自生するツユクサ属が1年草で、茎が地面を這うほふく性なのに対し、ムラサキツユクサ属の仲間は宿根草で、茎が直立し草丈は30~80cmほどになる。葉の形も全く違う。ツユクサが幅広の卵形なのに対しムラサキツユクサは細長い剣状。
花弁は同じ3枚だが、ツユクサは上向きの2枚が青色で大きく、下向きの1枚は白くて小さい。一方、ムラサキツユクサの花弁は3枚とも同じ色で大きさもほぼ同じ。花の色は名前の通り紫が基本色だが、青、赤紫、白、ピンクなども。ツユクサの雄しべは2本が長く4本が短めなのに対し、ムラサキツユクサは6本ともほぼ同じ長さで、紫色の花糸が黄色い葯を支える。その花糸には細い毛が密生し細胞が数珠玉状に一列に並ぶ。このため理科の教材として顕微鏡で細胞分裂などの観察に用いられてきた。
ムラサキツユクサの学名は「Tradescantia ohiensis(トラデスカンティア・オヒエンシス)」。属名は16~17世紀の英国の園芸家・植物採集家ジョン・トラデスカント父子の名前に因む。種小名は米国中西部の「オハイオ州の」を意味する。よく似た近縁の「T. virginiana(ヴィルギニアナ)」は和名でオオムラサキツユクサと呼ばれ、萼片に毛が密生しているのが特徴。種小名は米南東部のバージニア州に由来する。この両者の交配などで多くの園芸品種が生まれており、‘アンダーソニアナ’などの名前で流通している。