く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<東大寺・長池> 発見!修学旅行生が池に落としたカメラ

2023年11月17日 | アンビリバボー

【警備詰所の職員ら奮闘! 懸命の探索が実る】

 11月16日午後2時すぎ、東大寺・二月堂からの帰り道での出来事だった。場所は大仏殿東側の細長い「長池」。大人の男女2人が何かを探すように虫取り網のようなものを池に差し入れていた。そばには心配顔の男女7人の修学旅行生。スマホでも落としたのかな? 男の子に話を聞くと、池のコイの写真を撮ろうとしてカメラを落としたとのことだった。

 男女2人のうち黒い制服姿の男性は東大寺警備詰所の職員で、女性は修学旅行生たちに付き添う先生だった。2人は旅行生が指をさす場所を中心に、繰り返し網で池の底をさらった。だが、網に掛かるのは黒い泥ばかり。

 先生は生徒たちに次の見学場所(興福寺?)に向かうよう指示し、先生が残って東大寺の職員と探し続けた。修学旅行生たちの集合時間は午後3時15分とのこと。もう1時間を切っていた。虫取り網を何度も池の中に突っ込むうちに、網の部分が柄から取れて使えなくなった。

 「やはり無理か」。その場を離れて帰途に就こうとしたら、向こうから大きな網を持った白いシャツ姿の男性がやって来た。手にするのは直径が50~60㎝もありそうな巨大な網。もうしばらく様子を見ようと再び現場へ。1人で残っていた先生は携帯で関係者に状況を報告中だった。

 また2人で捜索が始まった。そのうち熊手を持った警備詰所の職員も加わり別の女性の先生も駆けつけた。大網が水中から上がるたび、カメラが入っていないか注視したが、空振りが続く。大網で底をさらうこと十数回。「もう見つからないかも」と思った、その時だった。「あった!」と大網の男性。その場に遭遇して30分弱が経っていた。

 後からやって来た先生が無事に見つかったカメラの紐を手に取った。白い小さなデジカメだった。大網の男性は大任を果たせて安堵の表情。その男性に深々とお辞儀を繰り返す2人の先生の姿が印象的だった。

 先生から報告を受けた生徒たちの喜ぶ姿が目に浮かぶ。長時間水中に漬かったカメラがうまく機能するかどうかは分からない。だけど、この日の東大寺での出来事、警備詰所の職員たちの親身な心遣いは、いい思い出として長く心に刻まれることだろう。

 大網の男性が引き揚げるとき、この長池について話を伺った。それによると、江戸時代に大仏殿を再建するときに使う材木をこの池に浮かべていたらしい。池は貯木場だったのだ。知らなかった。

 では、そんな巨大な網を警備詰所に常備しているのはなぜ? この長池では時々死んだコイが浮かぶことがあり、それを回収するためとのことだった。その大網が今回はカメラの救出に役立ったわけだ。警備詰所の皆様、心温まる場面を見せていただき、ありがとうございました。

コメント
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