く~にゃん雑記帳

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〈奈良県立図書情報館〉 「キネティックアートな3人」展

2024年04月03日 | 美術

【井村隆⋅遠藤賢治⋅千光士義和】

 奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)で「キネティックアートな3人」展が開かれている。キネティックアートは静的な彫刻に対し、動きを取り入れたオブジェなどの総称。金属や段ボールを使って独創的な作品を制作してきた井村隆、遠藤賢治、千光士(せんこうじ)義和の作品が並び、子ども連れの家族の人気も集めている。4月21日まで。

 井村隆の作品群は「カラクリン」と呼ばれ、キネティックアートの第一人者として高い評価を得ている。1945年堺市生まれ。デイスプレー制作会社を退職後独立し、全国各地で個展を開き様々なモニュメントの制作にも取り組んできた。

 それらのモニュメントの中には堺市緑化センターの花時計「フラワーフェアリー」や新潟県立自然館の「シンボルタワー生命球」、横浜子ども科学館の「銀河への旅」、東京⋅三鷹の森ジブリ美術館の「スペースフィッシュ」なども。

 一連の作品群「カラクリン」に使われる素材は主に銅や真鍮、アルミなど。「ボンフリー」と名付けられた魚の頭を持つひとがたの生き物が乗り物を操縦する。展示中の作品は『シーラカンス』『ノア』『飛び魚』『ボンフリーファクトリー』『魚の舟』など。最大の『シーラカンス』は横幅が1.3mもあった。

 遠藤賢治は1953年広島市生まれで、奈良にアトリエを構えて「プチプルプレーン」と名付けた空き缶アートを制作。大阪芸術大学キャラクター造形学科の教授を務めていたが、2020年に亡くなった。

 今回は空き缶を活用したミニチュアの飛行機などの遺作のほか、『太陽の詰め合わせ(太陽がいっぱい)』と名付けられた作品なども展示中。表情が微妙に異なる缶の蓋の詰め合わせに遊び心が詰まっていた。

 千光士義和は1958年高知市生まれ。85年に母校の先輩遠藤賢治の居る奈良市に移住し、動く段ボールアート作家として活躍中。大阪芸術大学芸術計画学科客員教授も務める。

 著書に『かんたん手づくり動くダンボールおもちゃ』など。今回は『マリンバード』や『天空のスイッチバック』など新旧の作品群を出品している。千光士氏は4月14日に開かれる「キネティックアーティスト井村隆の仕事」と題したトークショーにも登壇する予定。

  

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