【開花まもないリュウキンカの花に】
春めいた暖かい陽気になった2月13日のお昼前。ぼんやり庭を眺めていると、蝶が一匹ヒラヒラと舞っていた。やがて鉢植えのリュウキンカの花へ。早速蜜を吸い始め、花から花へ移っていた。近づいて見ると羽にはぽつぽつと小さな斑点。羽は白っぼいが少し黄みがかっている。昆虫図鑑をめくると、どうもキチョウの秋型の可能性が大きいようだ。一足早い春の使者の訪れに心がほっこり温かくなった。
蝶を招いたリュウキンカは1週間前の6日に咲き始めたばかり。キンポウゲ科の多年草で、「立金花」の名の通り直立した茎の先に黄金色の鮮やかな花を付ける。寒さに強く、冬から初春にかけハート形の艶やかな葉を展開、花の期間はかなり長い。こぼれ種で増殖するため、今では庭のあちこちで芽を出している。
今年の啓蟄は3月5日。虫たちはその頃目覚めて活動を始める。それにしてもまだ2月半ば。蝶が舞うにはちょっと早すぎるのでは? 全国の気象台は毎年「生物季節観測」として動植物の開花日や初見日、初鳴きなどを調べてきた。そこで奈良気象台のモンシロチョウの初見日をネットでチェック。すると2018年が3月29日、19年が3月28日、20年が3月24日で、平年の初見日は3月27日となっていた。あくまでもモンシロチョウの場合だが、1カ月半近くも早いことになる。過去で最も早かった初見日を教えてもらおうと気象台に電話したが、週末ということで残念ながらつながらなかった。
この生物季節観測、動物ではモンシロチョウのほかアブラゼミ、ホタル、ウグイス、ツバメ、ヒバリなど23種が対象だった。ところが気象庁が観測の大幅縮小の方針を打ち出し、動物の観測は今年から全て廃止されることになった。34種が対象だった植物も梅、桜、アジサイ、ススキ、イチョウ、カエデの6種に限定されるという。全国統一基準で観測が始まったのは今から約70年前の1953年。長い歴史を持ち、季節の移り変わりを表す指標の一つとして定着していただけに、誠に残念というほかない。
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