く~にゃん雑記帳

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<近江八幡・左義長まつり> 激しいぶつかり合いの後に〝奉火〟

2019年03月18日 | 祭り

【干支の猪に因み丹精込めて作ったダシが13基】

 滋賀県近江八幡市の日牟礼(ひむれ)八幡宮の火祭り「左義長まつり」(国選択無形民俗文化財)が16、17の両日行われ、市内外からの多くの観客でにぎわった。初日には〝奉納町〟と呼ばれる旧城下各町が作った左義長ダシ13基の宮入やダシコンクールを開催、2日目には八幡宮の馬場を中心にダシ同士の〝組み合わせ〟が繰り広げられた。ぶつかり合いの激しさから〝けんか〟とも呼ばれる。日が落ちると〝左義長奉火〟。今年の五穀豊穣と火除け・厄除けを願ってダシに次々と火が放たれた。

 この火祭りはもともと安土城下で行われていたもので、城主の織田信長自ら参加していたともいわれる。『左義長祭の唄』の中でも「ハァー おどり出したる信長公の 由緒残したこの祭り」と歌われる。その後、豊臣秀次が八幡山城を築いたのを機に、安土から移住してきた人々がここで始めたという。江戸時代には全国各地の左義長同様1月14~15日に行われていたが、明治時代に入って3月に変更となった。

 

 ダシは毎年、奉納町ごとに年明けから2カ月ほどかけ丹精込めて作る。前面はその年の干支をテーマに、穀物や海産物など食料品を素材に使って飾り立てるのが特徴。16日のダシコンクールでは、昨年に続いて「第十一区」が今年も優勝を飾った。タイトルは「摩利支天~心願成就」。中心に据えた猪の周りに御朱印帳や数珠を配した作品。間近に見て触って、その丁寧な作りに驚かされた。御朱印帳の赤い地の部分はなんと無数の桜エビだった。花びらの輪郭は様々な豆類で、右側の大きな数珠も小豆でできていた。「燃やすのはもったいない」。法被姿の男性に声を掛けると、「燃やすため手間と経費を惜しまずに作ったものなので」と話していた。

 

 17日の昼すぎ、「チョウヤレ」の掛け声も勇ましく各町内を練り歩いたダシが三々五々、八幡宮の広場に集まってきた。程なく〝けんか〟がスタート。向かい合った2基のダシが担ぎ棒の前部を高く持ち上げ、笛と「セイノー」の掛け声に合わせ突進する。まさに猪突猛進。ぶつかり合いは一方が横倒しになるまで続いた。中には猪の作り物が破損し落下したところも。〝けんか〟は相手を変えながら広場のあちこちで数時間にわたって繰り広げられた。この日は一時風が強くて寒く、時折小雨も落ちた。だが会場はそんな天気を吹き飛ばすような熱気に包まれていた。まさに『左義長祭の唄』の通りだった。「ハァー 天下奇祭の左義長おどり 馬場は火の海人の波」

 


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