【オカトラノオ、ルリトラノオ、観葉植物のトラノオ…みんな別の種類】
北アメリカ原産の多年草。日本には大正時代に観賞用として渡ってきた。学名の「フィソステギア・バージニアナ」が示すように、米国の東海岸にあるバージニア州辺りに多く自生していたという。その学名から「フィソステギア」とも呼ばれている。
直立した茎の先に桃紫色の花を下から順番に咲かせる。長い穂は30cm前後にも。花の名前はその花穂を虎の尻尾に見立てたことから付いた。暑さ寒さに強く、半日陰でも育つ。庭植えや鉢植えにし、水揚げがいいことから切り花としても根強い人気。花期は7~10月と長い。葉に白や黄色の斑(ふ)が入ったものもある。
名前にトラノオと付いた植物は多いが、穂状の同じような花の形によるもので、別にトラノオ科という種類があるわけではない。ハナトラノオはシソ科で、同じ仲間に湿地に生えるミズトラノオがある。シソ科の植物は茎の形が四角、葉は対生(2枚の葉が向かい合ってつく)などの特徴を持つ。このためハナトラノオには「カクトラノオ(角虎の尾)」の別名もある。
単にトラノオというと観葉植物のトラノオ(別名サンセベリア、チトセラン)を指す。これはアフリカ原産でリュウゼツラン科。オカトラノオはサクラソウ科の白花で、日本や朝鮮半島、中国などに分布する。同じ仲間にサワトラノオ、ノジトラノオなど。青紫の花が美しいヤマトラノオやルリトラノオはゴマノハグサ科に属する。イブキトラノオはタデ科。花は白または薄紅色で、滋賀県の伊吹山に多いことからその名がある。
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