【別名「琉球柳」、小泉八雲も愛した5弁花】
ナス科の常緑低木で、原産地は南米のブラジル南部からウルグアイ、アルゼンチン北部にかけての地域。日本には江戸時代末期に南方から琉球を経て渡来した。このため「リュウキュウヤナギ(琉球柳)」とも呼ばれる。当時の琉球王朝が幕府に献上したともいわれる。「スズカケヤナギ(鈴懸け柳)」という別名もある。
「瑠璃柳」という風流な名前は花の色と葉の形から。花はナス科というだけあってナスの花に少し似ている。葉は長さが10~15cm、幅が2~4cmと柳のように細長く先端が尖った形。茎の高さは1.5~2m。葉の両面や茎に蝋(ろう)質物を含むため、白みを帯びた緑色になっている。英名は「waxyleaf nightshade」。
寒さにやや弱い半耐寒性で、暖かい地方では常緑だが、寒冷地では冬になると落葉する。このため寒い地方では鉢植えにするか、露地植えの場合は落ち葉などでマルチングする必要がある。秋になると紫黒色の球形の小さな実をつけるが、暖地でないと結実しない。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)はこの可憐な花をこよなく愛した。八雲が島根県松江市で結婚後半年近く過ごした旧居(小泉八雲記念館の隣)の玄関先には今も大株のルリヤナギが植えられている。倉敷紡績(現クラレ)の元社長で、実業家として文化人として名を馳せた大原総一郎もルリヤナギを愛した一人。岡山県倉敷市の大原美術館では今年も可憐な花をつけてくれたそうだ。
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