図:ケモカイン受容体CXCR4はGタンパク質に共役した7回膜貫通型の受容体で、これにケモカインCXCL12が結合することによって細胞内のシグナル伝達系が活性化されて、細胞の移動や増殖が亢進する。多くのがん細胞においてCXCR4が過剰に発現していることが明らかになっており、これが転移や増殖を促進している。ミルクシスル(マリアアザミ)の種子に含まれサプリメントとして利用されているシリビニンにCXCR4の活性化を阻害する作用が報告されている。また、CXCR4の発現は低酸素誘導因子-1(HIF-1)によって亢進するので、HIF-1の活性化を阻害するとCXCR4の発現量が減少してがん細胞の増殖や移動を抑制できる。HIF-1の活性化抑制作用を有するシリビニン、ジインドリルメタン、ジクロロ酢酸、2-デオキシグルコース、ラパマイシンなどの組合せもCXCR4の発現抑制の効果が期待できる。
406)ケモカイン受容体CXCR4の阻害をターゲットにしたがん治療(その1)
【転移は偶然に起こる訳ではない】
がん細胞は周囲組織に浸潤し、リンパ管に入ってリンパ節に転移したり、血管に入って遠隔の臓器や組織に転移します。また、腹部のがんであれば腹膜に播種し、胸部のがんは胸膜に播種する場合もあります。胃がんの場合を例にしてがん細胞の広がるルートを下図に示しています。
図。胃がんを例にとってがんが広がるルートを示している。胃にできたがん細胞は胃壁に沿って浸潤性に増殖し、膵臓や腹膜など隣接した組織にも広がっていく。リンパ管に入ると周囲のリンパ節に転移し、血管に入ると肝臓や肺など離れた臓器に転移する。手術で原発巣を切除しても、がんの取り残しや、離れた臓器に転移(遠隔転移)があると再発する。
がん死のほとんどは、がんが転移して全身に広がることによって起こります。つまり、がん細胞の周囲組織への浸潤や遠隔臓器への転移を防げれば、がん死を防ぐことができます。
がん細胞の転移は偶然に起こる現象ではありません。がん細胞が転移を成立させるためには何段階ものプロセスを経る必要があり、それぞれのステップで数多くの因子が関与しています。
例えば、がん細胞の運動を活発にし、がん細胞の移動を制限している結合組織などの細胞外マトリックスを分解する酵素を産生し、血管壁の内皮細胞の間から血管内に侵入し、血液に運ばれて他の臓器や組織に定着し、原発の部位とは異なる微小環境の中で細胞を増やすという過程が必要で、このどれが阻止されても転移は成立しません。(下図)
【ケモカインとケモカイン受容体】
がん細胞の転移や浸潤の制御で、ケモカインとケモカイン受容体が重要な働きをしていることが明らかになっています。
ケモカイン(chemokine)とは細胞遊走活性を主機能とするサイトカインの一群で、様々な細胞の移動や局在を制御に関与している低分子量(8~12 kDa)のタンパク質です。炎症性疾患や自己免疫疾患やHIV-1感染(エイズ)などの発症や病態に重要な役割を果たし、またがん細胞の増殖や転移にも関与しています。
ケモカインがケモカイン受容体に結合すると受容体の種類に応じた細胞内シグナル伝達系が活性化され、細胞の移動や増殖や生存や遺伝子発現などが亢進されます。がん細胞の場合には、ある種のケモカイン受容体の活性化が浸潤や転移を亢進しています。(下図)
図:ケモカイン受容体はGタンパク質に共役した7回膜貫通型の受容体で、これにケモカインが結合することによって細胞内のシグナル伝達系が活性化されて、細胞の移動や増殖の制御に関わる。多数のケモカインとケモカイン受容体が知られており、生体内で多彩な細胞の活動を制御している。
ケモカインはよく保存された4個のシステイン残基の配置からCXC、CC、XC、CX3Cの四つのサブファミリーに分類されます。CXCおよびCX3Cケモカインでは最初と2番目のシステイン残基の間に1あるいは3個のアミノ酸残基が存在し、CCサブファミリーではそれらは連続しています。
すべてのケモカインはヘテロ三量体Gタンパク質に共役した7回膜貫通型受容体のケモカイン受容体を活性化して作用します。
現在までに、ケモカインは50種類程度、ケモカイン受容体は約20種類が見つかっており、その機能は極めて多彩で複雑です。臓器や組織は恒常的あるいは炎症などの刺激によりケモカインを放出し、ケモカイン受容体を発現する細胞(リンパ球など)はケモカインの濃度勾配や発現部位に従って移動(遊走)します。どのリンパ球がどの臓器に移行するかは,ケモカインと受容体の種類によって厳密に制御されています。
がん細胞の転移においてはケモカイン受容体CXCR4とそのリガンド(受容体に結合して活性化する物質)のCXCL12のシグナル伝達系が重要と考えられています。
ケモカイン受容体のCXCR4 が乳がん細胞に過剰に発現しており、乳がん細胞は肺より産生されるケモカインCXCL12 に導かれ、肺へ転移することが2001年にNature 誌に報告されました。(Involvement of chemokine receptors in breast cancer metastasis. Nature. 410:50–56.2001年)
つまり、乳がん細胞は単に血流に乗って偶然に肺に定着するのではなく、肺組織のケモカインCXCL12によって誘導されて肺に定着するというメカニズムです。
ケモカインのCXCL12は肺、肝臓、骨(骨髄)、脳、リンパ節に多く発現しており、これらの臓器は乳がんを含め多くのがんが転移する臓器と一致します。つまり、乳がんを含めCXCR4を発現している多くのがん細胞は、そのリガンドであるCXCL12の豊富な環境に定着し、増殖しやすいということです。それは、ケモカインのCXCL12ががん細胞の増殖や生存を促進するからです。
したがって、がん細胞におけるCXCR4の発現を減少させたり、その働きを阻害すると、がん細胞の浸潤性増殖や転移を抑制できることになります(下図)。
図:がん細胞はケモカイン受容体CXCR4を発現しており、そのリガンドのCXCL12が結合すると運動や増殖能が高まる。がん組織の線維芽細胞はCXCL12を分泌することによってがん細胞の増殖や転移を促進する。また、骨髄の血管内皮前駆細胞はCXCR4を持っているので、がん組織から産生されるCXCL12によってがん組織に動員されて血管新生が促進される。脳や肺や肝臓や骨(骨髄)やリンパ節はケモカインCXCL12が豊富であるため、それに誘導されるようにがん細胞はこれらの組織や臓器に定着して転移巣を形成する。したがって、がん細胞のサイトカイン受容体CXCR4の発現や活性を阻害すれば、がん細胞の増殖や転移を阻止できる。
ケモカイン受容体CXCR4を多く発現している乳がんは再発や転移の率が高く、生存率が低いことが複数の臨床試験で明らかになっています。
こららの臨床試験をメタ解析した報告があります。
Expression of CXCR4 and breast cancer prognosis: a systematic review and meta-analysis.(CXCR4の発現と乳がんの予後:系統的レヴューとメタ解析)BMC Cancer 2014, 14:49 doi:10.1186/1471-2407-14-49
この論文では、乳がん組織のCXCR4の発現量と再発率や生存率の関係を検討した13件の臨床試験(乳がん患者数3865名)を対象にしてメタ解析を行い、乳がん組織のCRCR4の発現量が多いほど、リンパ節転移や遠隔転移が多く、無増悪生存期間も全生存期間も短くなるという結果を報告しています。
乳がん以外にも、胃がんや肺がんなど多くのがんにおいて、がん細胞の遊走性の亢進や、その結果として起こる転移や浸潤にCRCR4とCRCL12のシグナル伝達系が関与していることが報告されています。
また、細胞に遊走能力を与えることがケモカインの主要な役割と考えられていましたが、細胞遊走以外も様々な細胞機能の変化をもたらすことが明らかになっています。
つまり、CXCL12とCXCR4のシグナル伝達系はがん細胞の増殖や血管新生を促進する作用が明らかになっています。
がん組織内の線維芽細胞がCXCL12(stromal-derived factor 1とも言う)を分泌することによってがん細胞の増殖や運動や走化性を亢進しています。つまり、がん組織の間質にいる線維芽細胞がCXCL12を分泌することによってがん細胞の生存や増殖を支持しているのです。
血管新生に関与する血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cells)はCXCR4を発現しているので、がん組織の線維芽細胞などがCXCL12を多く分泌すると血管内皮前駆細胞をがん組織に集めて血管新生を促進します。
つまり、CXCL12-CXCR4シグナル伝達系を阻害することは、がん細胞の増殖や転移を抑制する効果が得られることになります。
【シリビニンはCXCR4-CXCL12シグナル伝達系を阻害する】
以下のような論文が最近報告されています。その要旨を日本語訳しています。
Silibinin, a novel chemokine receptor type 4 antagonist, inhibits chemokine ligand 12-induced migration in breast cancer cells.(新規のケモカイン受容体タイプ4拮抗薬のシビリニンは乳がん細胞のケモカインリガンド-12によって誘導される移動を阻害する)Phytomedicine. 21(11):1310-7. 2014年
【要旨】
研究の目的:C-X-Cケモカイン受容体タイプ4(CXCR4)はがん細胞の浸潤や移動に関与していることが明らかになっている。したがって、CXCR4の働きを阻害する受容体拮抗剤(アンタゴニスト)はがん細胞の転移する抗がん作用が期待できる。この研究は、天然成分の中からがん細胞の転移を減少あるいは阻止するCXCR4拮抗薬を見つける目的で行った。
方法と結果:コンピュータを使った分子構造の解析のスクリーニングによってシリビニンが新規のCXCR4拮抗薬であることを報告する。生化学的解析によって、シリビニンがCXCR4と競合的に結合することによってケモカインリガンド12(CXCL12)によって生じるCXCR4の活性化を阻害し、CXCR4の下流のシグナル伝達系の活性化を阻害することが示された。
CXCR4を過剰に発現しているヒト乳がん細胞のMDA-MB-231細胞において、シリビニンを投与することによってCXCL12で誘導されるがん細胞の移動が阻害された。
CXCL12を過剰発現している乳がん細胞はシリビニンによる増殖抑制作用が顕著に認められた。シリビニンによる増殖抑制効果はCXCR4を多く発現しているがん細胞で強く認められた。
結論:シリビニンはCXCR4拮抗薬であり、がん細胞の転移を予防する効果を持っている。
【シビリニンはミルクシスルの活性成分】
ミルクシスルは学名をSilybum marianum と言い、マリアアザミ、オオアザミ、オオヒレアザミなどと呼ばれます。
原産は地中海沿岸で、ヨーロッパ全土、北アフリカ、アジアに分布しています。日本においても帰化植物として分布しています。
葉に白いまだら模様があるのが特徴で、この模様はミルクがこぼれたようにみえるためmilk thistle(thistleはアザミの意味)と言い、ミルクを聖母マリアに由来するものとしてマリアアザミの名があります。
このミルクシスルの種子には、シリビニン(silibinin), シリジアニン(silydianin), イソシリビン(isosilybin), シリクリスチン(silychristin)などのフラボノリグナン(flavonolignan)が含まれています。ミルクシスル種子に含まれるフラボノリグナンを総称してシリマリン(silymarin)と呼ばれています。このシリマリンの主成分(含有量は50~60%程度)がシリビニンです。
つまり、ミルクシスルの種子の薬効成分はシリマリン(多種類のフラボノリグナン類の総称)であり、シリマリンの主成分がシリビニンということです(下図)。
図:ミルクシスルの葉の縁は尖った波形で、葉脈に沿って白い縞模様がある。この模様がミルクがこぼれたように見えるため、ミルクシスル(シスルはアザミのこと)と言い、ミルクを聖母マリアに由来するものとしてマリアアザミの名前がついている。種子が薬用として利用され、その薬効成分はシリマリンと呼ばれるフラボノリグナン類で、シリマリンの主成分がシリビニン(またはシリビンとも呼ばれる)で、シリビニンは最も生物活性の高いシリマリンと考えられている。
ミルクシスルは肝障害を軽減する効果があり、ウイルス性肝炎や肝硬変やアルコール性肝炎や脂肪肝など多くの肝臓疾患に対する有効性が報告されています。抗がん剤の副作用軽減作用やがん細胞のワールブルグ効果を阻害する作用やがん細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導など極めて多くの抗腫瘍効果が報告されています。
グルコーストランスポーターの活性阻害、低酸素誘導因子−1(HIF-1)の活性阻害、mTOR/p70S6K/4E-BP1シグナル伝達系の阻害などによってがん細胞のエネルギー産生を阻害し、さらに、細胞周期の制御、アポトーシス誘導、血管新生阻害、浸潤や転移の阻害、抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん剤や放射線治療の副作用軽減など、極めて多彩な抗腫瘍効果が報告されています。
実際、シリマリンあるいはシリビニンにこのような多彩な抗腫瘍効果が本当にあるのかと疑いがでるほど、多くの作用機序による抗腫瘍効果が報告されています(図)。
図:シリマリンの主成分であるシリビニンには、がん治療に有用な多数の作用が報告されている。
CXCR4は低酸素誘導因子-1(HIF-1)によって発現が誘導されます。したがって、HIF-1の活性を抑制する方法はCXCR4の発現を阻害して抗腫瘍効果を発揮する。
HIF-1の阻害については
364話で解説しています。
シリマリン、ジインドリルメタン、ジクロロ酢酸ナトリウム、2-デオキシグルコース、ラパマイシンなどがHIF-1の発現や活性を阻害します。したがって、これらの組合せはCXCR4-CXCL12シグナル伝達系の抑制にも効果が期待できます。
【ケモカイン受容体とカンナビノイド受容体のクロストーク】
シリビニンがカンナビノイドのシグナル伝達系に作用して抗腫瘍効果を発揮する可能性も示唆されます。それは、CXCR4-CXCL12シグナル伝達系とカンナビノイド受容体シグナル伝達系がクロストーク(相互に密接に関連している)するからです。
以下のような論文があります。
Crosstalk between chemokine receptor CXCR4 and cannabinoid receptor CB2 in modulating breast cancer growth and invasion.(乳がんの増殖と浸潤を制御するケモカイン受容体CXCR4とカンナビノイド受容体CB2のクロストーク)
PLoS One. 2011;6(9):e23901. doi: 10.1371/journal.pone.0023901. Epub 2011 Sep 7.
米国のオハイオ州立大学のComprehensive Cancer Centerの研究グループからの報告です。
【要旨】
研究の背景:カンナビノイドはカンナビノイド受容体CB1とCB2に結合して作用を発揮し、様々ながんに対して抗がん作用を示すことが報告されている。しかしながら、カンナビノイドによるがん細胞の増殖抑制のメカニズムは十分に解明されていない。
この研究においては、カンナビノイド受容体CB2に特異的に結合する精神作用がない合成カンナビノイドが、ケモカイン受容体CXCR4とそのリガンドのCXCL12のシグナル伝達を阻害して、乳がんの増殖と転移を抑制することを明らかにした。このシグナル伝達系は乳がんの進行や転移を制御する重要な役割を担っていることが示されている。
方法と主な結果:乳がん患者から採取した乳がん組織の免疫染色検査によって、乳がん組織にはカンナビノイド受容体CB2とケモカイン受容体CXCR4の発現量が増加していることが示された。さらに、CB2に特異的なアゴニスト(受容体に結合して活性化する物質)であるJWH-015は、ケモカイン受容体CXCR4を過剰発現している乳がん細胞MCF7/CXCR4におけるCXCL12で誘導される走化性(ケモタキシス)と創傷治癒を阻害した。
様々な生化学的解析などによって、JWH-015は、CXCL-12で誘導されるP44/P42ERK活性化と、細胞骨格の接着班(細胞骨格アクチンと細胞外基質が結合する部位)とストレスファイバー(細胞の形態や移動に重要な働きをもつ細胞骨格アクチンフィラメントの束)の形成を阻害した。接着班やストレスファイバーは乳がん細胞の浸潤と転移で重要な役割を担っているので、JWH-015によるカンナビノイド受容体CB2の活性化は乳がん細胞の浸潤と転移を抑制する作用を有する。
さらに、マウスに乳がん細胞を移植した実験系において、JWH-015は移植腫瘍の増殖を顕著に阻害した。また、移植腫瘍の実験系や自然発症乳がんモデル(MMTV-PyMTマウス)において、JWH-015がCXCR4のリン酸化とその下流のシグナル伝達系の活性化を顕著に阻害することを認めた。
結論:カンナビノイド受容体CB2と、ケモカイン受容体CXCR4とそのリガンドのCXCL-12のシグナル伝達系の間のクロストークが、乳がん細胞の増殖や転移の制御に重要な働きを果たしている。CB2受容体は乳がんの治療法の開発において重要なターゲットになる。
カンナビノイド(cannabinoid)というのは大麻(マリファナ)に含まれる化学成分の総称です。大麻は幻覚や興奮などの精神症状を引き起こし、日本では大麻取締法により厳しく規制され、所持や栽培や使用は禁止されています。しかし、カンナビノイドの成分の中にがん細胞の増殖を抑制する作用を持つものが知られており、がん治療への応用が検討されています。
カンナビノイド自体の使用は日本では不可能なので、カンナビノイドの抗腫瘍効果のメカニズムであるカンナビノイド受容体CB2のシグナル伝達系の活性化を目標にした合法的な治療法が研究されています。(米国などいくつかの国では医療大麻やカンナビノイドの医療目的での使用が合法化されている)
この論文では、カンナビノイドがCB2受容体を活性化すると、ケモカイン受容体CXCR4のシグナル伝達系を阻害して抗腫瘍効果を示す可能性が指摘されています。
カンナビノイド受容体はCB1とCB2があり、CB1は主に中枢神経系に発現し、CB2は免疫細胞に発現しています。
CB1とCB2のそれぞれに特異的に結合するリガンドも合成され、医薬品としての開発が検討されています。
この論文で使用されているJWH-015はCB2に選択的に結合する合成リガンドです。
カンナビノイドは様々ながん細胞に対して、増殖抑制や細胞周期の停止やアポトーシス誘導などの抗腫瘍効果を示します。
一方、ケモカイン受容体CXCR4は7回膜貫通型G蛋白質共役型受容体で、乳がんを含めて多くのがん細胞で過剰発現しています。CXCR4はstromal-derived factor 1-α (SDF1α)とも呼ばれるCXCL12がリガンドになります。
CXCL12は肝臓や骨やリンパ節や肺や脳などの組織で多く発現しており、CXCR4を過剰発現しているがん細胞はCXCL12を発現している組織に転移しやすいことが知られています。
CXCR4を過剰発現している乳がん細胞は転移しやすく予後が不良であることが報告されています。つまり、ケモカイン受容体CXCR4の働きを阻害することは乳がんの増殖や転移の抑制に有効ということです。
そこで前述のようなCXCR4-CXCL12シグナル伝達系を阻害するシリビニンや、CXCR4の発現を阻害するHIF-1(低酸素誘導因子-1)の活性化を阻害する方法を組み合わせれば、カンナビノイドと類似の抗腫瘍効果が期待できると思います。(トップの図参照)
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