これからが「須勢理毘売」のオホクニを慕う真心の現れている歌です。ゆっくりと訴えるように静かに歌います。
“売邇斯阿禮婆<メニシアレバ>”
「女であるから」と言って、更に、「あなたを置いて」と。
“遠波那志 <オハナシ>”
“都波那志<ツマナシ>”
「男の人は誰もいません。夫と呼べるような人は誰もいません。私にはあなたしか頼れる人がいないのです。」と、。己の哀れ身を乞うように歌うのです。これだけのスセリヒメの愛の言葉を聞くと、如何にオホクニであっても 、その妻を置いて倭になんか行けるものですか。すぐに、ヒメの前に行って強く抱きしめ、強くキスをするのが、映画では当たり前のシーンになるのですが。・・・・・