私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

天佐具売は報告します

2018-05-08 10:39:54 | 日記
 鳴女の復誦する詞を聞いた「天佐具売」はそれを、早速、天若日子に告げます。彼女は巫子ですから占いを本業としております。それゆえ、庭の木に止まっている雉の鳴女の言っている言葉そのものよりはむしろ、その声を

          “其鳴音甚悪<ナクコエ イトアシ>”

 と読みとったのです。「これは甚だしく悪い知らせだ。」と、詞そのものよりも、むしろ、その声からその善し悪しを判断したのです。だから、若日子には

           “故可射殺云進<イコロシタマヒネ ト イイススムル>”

 「庭の湯津楓<ユヅカツラ>の木に、誠に奇妙な雉が止まっております。あんな不吉な雉など早く弓で撃ち殺してしまわれたらどうでしょう」
 と進言します。
 この「天佐具売<アマノサグメ>」について、宣長は「讒女<ザンメ>」のような女性ではないかと云っております。ちなみに「讒」とは「言葉巧みに告げ口をして人を陥れる人」と云う意味があるそうです。
 この女性が云いますのですから、天若日子は、早速、此の水穂国に来る時天神から授かった

     “天之波士弓<アメノハジユミ>天之加久矢<アメノカムヤ>”

 で、其の雉を射殺してしまいます。

 ここで、又、「ちょっと待った。おかしいのでは???」の声がかかります。どうしてだと思われますか。鈍行列車で恐縮ですが、明日またその横道へ・・・・・