私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

一書に曰く②

2019-03-09 09:06:44 | 日記
 「一緒に曰く」として、次に、また、お話を続けております。
 
   “思へば潮溢つ瓊、思へば潮涸る瓊を、鉤に副へて奉進りて曰さく・・・・”

 そうして、更に、海神は言います。「この鉤を兄に渡す時は、貧鉤(マヂヂ)、滅鉤(ホロビヂ)、落穂鉤(おとろへぢ)と云って、後ろ手に持って投げ捨てるように渡しなさい。決して、正面から渡してはだめですよ。そうすると、兄は怒ってあなたを攻撃するでしょう。そうしたら、潮溢瓊を出して溺らせ、助けを求めたら潮涸瓊で救ってあげなさい。」と云われます。そして国に帰ってから海神の言ったとおりに鉤を兄に渡します。すると、兄は起こって受け取りません。

 どうお思いでしょうか?そんな手渡し方ってあるものでしょうか???無くしたのは弟です。それも3年もたってからプイと帰って来たと思ったら、失礼にも後ろ向きで手渡すなんて、兄が怒るのは当り前だと思いわれますがどうでしょうか。

 暴力か何かあったのならまだしも、後ろ渡しです。そうしろと海神が教えたのです。火々出見尊はその言われた通りにしたので。兄が怒っただけで弟は、早速、海神から言われたと通りに塩溢瓊を使って兄を没溺(おぼれ)させます。 溺れそうになった兄を弟は『お前の奴僕(やっこ)になるから助けてくれ』と頼みます。早速に、塩涸瓊を使って助けます。
 それから暫らくすると、兄は
 「どうして兄である私が弟のお前の奴僕にならなくてはいけないのか」
 と弟を攻めます。すると、弟は、又も、塩溢瓊を出して兄を攻めます。兄は高い山に逃げ上がりますがそこまで水が押し寄せます。又高い木に登っても、そこまでも水が攻めて来ます。兄はとうとう逃げ場がなくなってしまいます。
 そこで仕方なく兄は弟に従うようになったのです。

 そんなに悪人ではない火酢芹命が、そこまでどうして責められるのか理解しがく、海神の心情が理解できません。お婿さん可愛がりとしか受け取れませんが???神様のすることかとも・・・・