私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

一書に曰く④

2019-03-11 08:41:30 | 日記
 海神が鉤を渡す時に火々出見尊に教えます。
 「あなたの子孫は末代まで“貧鉤<マヂヂ>、狭々貧鉤<ササマヂヂ>”と云って唾を3度吐いて与えなさい。また、兄が海で釣りをする時に、あなたは海辺で“風招<カザヲキ>”をしなさい。そうすれば、私が沖へ吹く風と岸辺に吹く風を起して、釣りをしている兄を溺れさせます。」
 と。
 そして、尊が帰ってから兄が海で釣りをしている時。教えられた通りにすると、迅風が起り、兄は溺れ苦しみます。海岸にいた弟に

 「汝久しく海原に居して、かならず善き術有らむ。願はくは救いたまへ。若し我を活けたまはば、吾が生の児の八十連属<ヤソツヅキ>、汝の垣辺<ミカキ>を離れずして、俳優<ワザオギ>の民と為らむ」

 と云って、弟の持つ徳(この場合「威力」でしょう)を知って従うことにしたのです。しかし、弟はそれでも気が納まらなかったのか、その時の様子を

    “而弟有愠色、不與共言<オトウト オモホテリシテ アヒ ノタマヒタマハズ>”

 と書き表しております。なお、この「愠色<オモホテリ>」ですが、いきどおり恨む心をいみしておりますがどうして弟がそれほどまでに兄を恨む必要がこの場合あったのでしょうかね。此の場合も、あまりにも兄火酢芹命が悪者扱いを受けており、可哀そうな気持ちさへするのですが、どうでしょうかね??何も悪い事をしているのではありません。むしろ、弟火々出見尊の方が「あなたの俳優<ワザオギ>になろう」と云う随分と低姿勢な兄より意地悪いように思えてなりませんが・・・・

 でも、兄は、尚も、余程、弟の魔術に惑わされたのか媚を売るのですが、この続きは明日にでも・・・