その姿を見たのですから、誰だって驚かずにはいられません。ものすごい驚きです。
“見驚畏而遁退<ミ オドロキ カシコミテ ニゲ ソキ タマヒキ>”
古事記にも日本書紀にも、同じ言葉を使って、説明してあります。
最近の産院では妻の出産に夫が立ち合うのが通例になっておりますが、戦前までの日本では、出産の場には「男性入るを許さず」の「禁忌」の場であったのです。それなのに妻の方から「な見たまひそ」と強く言われたから、ついつい見てしまわれたのです。
結果、夫たる命は、その場から「遁退」。そうです、余りいい言葉ではありませえんが、逃げるが勝ちとばかりに「とんずら」してしまいます。「あのような姿をしていたのか。恐ろしい事だ。どうすればいいのだろうか」と心迷い、「あっ」と思わず大声を上げながら、その場から、急遽、逃げ出してしまわれたのです。
そのような外の様子をいち早く察知した豊玉毘売は
「あれほど見ないでと、云ったのに見てしまわれたのね。」
と思って、随分と
“心恥”
宣長は、これを<ウラハズカシ>と読んでおります。あの「ウラガナシ」や「ウらサビシ」と同じように「心」を、ウラ>と読んでいます。何となく信頼が裏切られて失望のあまり、そこにいたたまれず、二度と再び顔を合わすのが心苦しくやるせない思いがつのり高ぶった様子が、此の2字の中に、込められているのです。
余り関係が無いのですか、いつもの通りの深読みの連続ですが、お暇ならお読みいただけますれば幸いです。
“見驚畏而遁退<ミ オドロキ カシコミテ ニゲ ソキ タマヒキ>”
古事記にも日本書紀にも、同じ言葉を使って、説明してあります。
最近の産院では妻の出産に夫が立ち合うのが通例になっておりますが、戦前までの日本では、出産の場には「男性入るを許さず」の「禁忌」の場であったのです。それなのに妻の方から「な見たまひそ」と強く言われたから、ついつい見てしまわれたのです。
結果、夫たる命は、その場から「遁退」。そうです、余りいい言葉ではありませえんが、逃げるが勝ちとばかりに「とんずら」してしまいます。「あのような姿をしていたのか。恐ろしい事だ。どうすればいいのだろうか」と心迷い、「あっ」と思わず大声を上げながら、その場から、急遽、逃げ出してしまわれたのです。
そのような外の様子をいち早く察知した豊玉毘売は
「あれほど見ないでと、云ったのに見てしまわれたのね。」
と思って、随分と
“心恥”
宣長は、これを<ウラハズカシ>と読んでおります。あの「ウラガナシ」や「ウらサビシ」と同じように「心」を、ウラ>と読んでいます。何となく信頼が裏切られて失望のあまり、そこにいたたまれず、二度と再び顔を合わすのが心苦しくやるせない思いがつのり高ぶった様子が、此の2字の中に、込められているのです。
余り関係が無いのですか、いつもの通りの深読みの連続ですが、お暇ならお読みいただけますれば幸いです。