オホクニがスセリヒメに声高らかに歌い上げたのは
“許遠婆<コヲバ>”です。
色々と申し上げて来ましたが、私が言いたいのは「以上です。」と云い終っています。このたった「コヲバ」という3字の言葉は古事記の中で、他に沢山の歌がありますが、此処で歌われたのが最後です。オホクニの対沼河比売とこの対須勢理毘売戸の歌のやり取りの時しか使われていません。この3字の言葉はオホクニの女性に対する敬愛の情の細やかさが表れているのではないかと想像しておりますが???
さて、これだけ嫉妬心の強い妻に渾身をこめてオホクニは愛を歌いあげています。それに対する須勢理毘売は歌って答えます。