九州を舞台にした大手企業の「実験」が始まった。
日産自動車の日本の危機脱出への「挑戦」
「 実験」という言葉を使っているのは、日経ビジネス。4月22日に日産自動車が半年間の協議の末に、福岡県にある「九州工場」を分社化することを労働組合と合意したのを受け、アジアを活用した生産再編に挑む日産自動車を評して使っている。
日産は今回の分社化を機に、これまでの同社の国内生産体制を見直そうとしているとのこと。これまでは、九州地区で輸出用も含めたSUV(多目的スポーツ車)やミニバンなど中大型車、横須賀市の追浜工場で小型車、栃木県の栃木工場で高級車とのすみ分けをしてきた。
ところが、この構図を今度は九州工場でも小型車の生産を始める検討に入ったとのことだ。
ものづくりがグロバール化した中で、新興国に限らず、世界で小型車需要が増す中、年間の国内生産100万台の維持を掲げる日産にとって、電気自動車や高級車など高付加価値品だけではその規模は維持できない。むしろ小型車の巨大市場に近い九州を基点に、世界のモノづくりの革新を図る狙いが伺える。
この新たな挑戦を日経ビジネスは「実験」という言葉で表現したのだろうが、私は、失敗もありうる実験ではなく、企業の生き延びるための必死なチャレンジ、失敗を許されない「挑戦」だろうと受け止めています。
いずれにしても、東日本大震災で、自動車メーカーのサブライチェーンは、甚大な被害を受けた。中国、韓国における自動車産業が成長し、調達対象とになる部品メーカー急増しているという背景に、危機感を感じ、九州工場で小型車でも儲かる仕組みを作る方策に転じたものと思われる。
この日産の九州を舞台にした「新しい自動車製造の形づくり」が、この挑戦が成功し、他社の九州への呼び水になるよう大きな期待をしたい。
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