「世界一の中国市場」に体験重視で販路を開拓する。
マツダの山田常務執行役員の発言
前2回は日産とトヨタの首脳の「2010自動車イノベーション会議」での発言による経営モデルについて記してきたが、今回はマツダの山田常務執行役員の発言について取り上げたい。
同氏によると、中国の自動車販売は、08年こそ四川省の大地震やリーマンショックの影響で若干減速したが、09年は前年比46%増の1,364万台を記録し、米国を抜いて世界最大に成長している。この中国市場への競争は熾烈で、アジアの大半の国で約8割前後のシェアを誇る日本車も、中国では、09年は27%と低いそうだ。
又、中国の自動車市場には3つの特徴があると発言している。
①初めてクルマを購入する人の比率が高く(初回購入者65%、買い替え13%) 、人口1,000人当たりの保有台数はまだ60台。(日本の約20分の1)
②個人の購買力が急速に高まっている。(所得が増え、逆に販売価格が下がった。)
③内陸部に需要がシフトしてきた。(内陸部の比率は54%)
この中国に対し、マツダは、09年度の販売台数は前年比41%の18万台で、今年は31%増の23万5千台を見込んでいる。マツダが販売戦略で重視するのは、他社が環境対応車、小型化を進めているのに対し、購入者の社会的ステータスを表す商品として市場ニーズに合った車の投入を心がけている。
販売戦略でも、デザインと走りを重視し、実際に見て、試乗してもらう活動を積極的に展開している。ディーラーの近所で短時間乗ってもらうのではなく、お客さんを試乗コースにお連れして、存分に乗ってもらう試乗イベントを今年9月までに547回実施し、今年の集客数は3万組に達している。という。
この自動車メーカー3社の新興国での販売戦略は、それぞれ違うが、いづれにしても、主導権を巡る激しい争いを垣間見ることができる。
かごしま企業家交流協会
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