先週土曜日、午後から関大千里山学舎で行われた憲法問題合同シンポジウム「改憲動向の多角的検討」(日本科学者会議近畿地区・民科法律関西支部・大阪歴史科学協議会共催)に出席した。①「改憲論者の歴史認識」(広川禎秀・大阪市大・歴史学)、②「日本国憲法と自然科学」(岡 勝仁・大阪府大・化学)、③「改憲動向において社会的権利はどのように扱われているか」(多田一路・立命館大・憲法学)の3つの報告が行われ、それぞれに対して会場から意見や質問が出された。参加者は約50人ぐらいいただろうか。違った分野の研究者がこのような形で合同シンポを開くのはめずらしく、改憲問題をさらに深めて理解する上で勉強になる集まりだった。関大で憲法の講義なんて、法学部時代の桜田誉教授の講義以来ではないか・・・。
ところで、安倍政権は、今日の日本がほとんど自民党独裁政権やさらに安保条約、つまりは米国の支配を受けながら60年かけて今の憲法の下で作られてきたということについてはどのように考えているのか、あるいはどう評価しているのか、そこから脱しようとするとはどういうことなのか、またそこでの憲法の役割についてはどのように認識しているのか、など新たな疑問も湧いてきた。
最後の質疑の中で、近現代史がなかなか学校の授業のなかで教えられず、若者の歴史認識が危機状況にあるという意見が出され、それに対して広川氏から、大学に限らず教育全体を覆う危機状況の中で、生き方の問題として歴史認識をおこなうことの大切さが語られた。ここで私は神戸女学院大石川ゼミの「慰安婦」問題に取り組む女子大生たちの姿を思い浮かべる。実は彼女らの姿こそ、まさに歴史を自分たちの生き方の問題として真正面から認識しつつある世代の姿だろうと思う。