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トト姉ちゃんの「反戦・平和」の思いが詰まった仕事はすごい!

2016年05月14日 | 丸ちゃんの喜怒哀楽へなへなジャーナル

毎日、朝ドラの「トト姉ちゃん」を見ているが、これからどうなっていくのか楽しみにしている。

トト姉ちゃんのモデルは雑誌『暮らしの手帖』を創刊した大橋鎭子さん。

その雑誌そのものはほとんど読んだことはなかったが、先日、家の本棚を見ていたら、その雑誌のある特集号を1冊の単行本にしたものがあった。『戦争中の暮らしの記録・保存版』(暮らしの手帖編)で、もう30年以上前に購入したものだ。

 

B5判・上製本・ビニールカバー、一部カラー、292頁の本で、奥付けを見ると、発行者に大橋鎭子とある。発行日は昭和54年(1979)で手したのは7刷目の本。定価は1200円。もちろん消費税はない。

だがこの本の原版はさらに遡ること11年、昭和43年(1968)8月の『暮らしの手帖』第96号を1冊まるごとの特集として発行された。そのテーマは「戦時中の暮らしについての具体的な記録」。

昭和43年というとまだまだ戦争の記憶を人々は鮮明に持っていたころで、北海道から沖縄、朝鮮、満州、樺太、台湾など戦争中の日本の全域に及ぶ内容の原稿が1736編寄せられたという。その半数は誌面の余裕さえあればどれも活字にしたい内容で、長い間の編集仕事でこんなことは初めてのことであったと花森安治編集長は後記で語っている。

そしてこの本は、その特集を読んだ読者の感想を付録として収録し単行本として出版された。

特集を読んだ読者の感想は二つの付録として収録されているのだが、その一つ目が「戦争中の暮らしの記録を若い世代はどう読んだか」というテーマ、そして二つ目が「戦争を体験した大人から戦争を知らない若い人へ」というもので、まず戦争を知らない世代の感想が載り、その感想を読んだ戦争体験者が知らない世代に語りかけるという構成になっている。

それにしても、こういう原稿募集を隔月刊3号分の中で行い編集発行していくというその情熱・パワーには圧倒されるが、この特集が若い世代と戦争体験者が自分の心の中を語り始めることの大きなきっかけになり、そのことが多くの読者に受け入れられたことは、当時『暮らしの手帖』が毎号、80万部も発行されていたこと、そしてこの特集号が普段の号よりも早く売り切れ、10万部の増刷をし、それもすぐに売り切れたということなどを知れば、間違いないだろうと思う。

そして、あらためてすごい仕事だと思うのだ。

小さな活字がびっしり、写真や読者からの絵もふんだんに掲載されている290頁。すぐに読み終えることはできないだろうが、今でも手に入るので、ぜひ手元に1冊置いておきたい。Amazonはこちらのサイト。

 

 

 

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