MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.022 「パフューム ある人殺しの物語」 (2006年 独 147分 シネスコ)

2007-03-12 00:28:18 | 2007年劇場鑑賞
監督 トム・ティクヴァ
出演 ベン・ウィショー
    ダスティン・ホフマン
    アラン・リックマン



本日2本目の映画は朝見た「ドリームガールズ」とは対照的な作品。
この映画が宣伝されだした頃はイマイチどんな映画かピンとこなかったんですが、何か相当エゲツナイ映画だそうな・・・
そんな印象を持って見にいったけど、上映時間見てビックリ!おいおい147分もあんの~?

(あらすじ)

18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。

パフューム・・・て言葉の響きが聞きようによればファンタジックな感じを受けそうだけど、内容を何も知らず見ると腰を抜かすかも?(「~ある人殺しの物語」て言うサブタイはよく付けたもんだ・・・これがなかったらどんな映画か想像つかないやろね)

冒頭主人公のジャンの生い立ちがナレーション(J・ハートが担当)で語られるけど、身重の母親が魚市場の雑踏の中で、それも机の下で子供を自らの手で産み落とす場面から始まるが、そのシーンですら見方によればえげつない!
体液と血にまみれた赤子と包丁でぶつ切りにされる魚や解体される牛や豚、ゴミのように床に撒き散らされる内臓や肉片!そしてゲロ!
産まれたての赤子とそれらの肉の切れ端や塊、汚物らを短いカットで交互に見せる悪趣味さはまるでキャスパー・ノエの映画見たい・・・産まれたての赤ちゃんの生と死の境目を壮絶な表現で見せられた感じのオープニングでした。

こんな生まれ方した奴は尋常な子に育たんぞ~と思ったら案の定、超人的な嗅覚の持ち主で、その特殊能力を発揮して香水作りをし、やがて究極の香水を求めて・・・

一言で言えば猟奇的な犯罪者の半生のような物語です。
人間の「生の香り」を求めて殺人を繰り返す異常犯で「生の香り」を求めるには死体から「死の油」を搾りとると言う行為が残虐ですね。
彼の作業場に多数の人毛があったり、巨大なタンクに死体が漬かってたりと・・・ほとんど週間マーダーケースブックに紹介されそうなサイコぶり!

そして作られるその「究極の香水」の恐るべき効果はもう神の領域という超優れもの・・・殺人犯が一転して世界を支配してしまいそうな「神」になってしまいそうになる・・・てのは見方に寄れば「究極の武器」を持つ奴が人間をコントロールし、世界を支配しかねないという意味にも取れてしまいそうな恐ろしい映画でした。

原作に結構忠実らしいですが、でも147分は長く感じたな~



★★★★ 2007.3.9(金) アポロシネマ8 スクリーン3 16:00 I-17