はい、今回の「C級キノコを食べてみた」は富士山で手に入れたコレだ!
ドクヤマドリ。
C級、っていうか思いっきり毒キノコなんだが。
山と渓谷社『日本のきのこ』では、中毒した際の経験談が詳しくつづられている。ドクヤマドリ一本をつけ焼きにして5人で食べたところ、食後4~5時間後、腹部に強い不快感を抱き、やがて下痢・嘔吐が続き、やがて快方に向かった、とのことである。なかなか強力だ。
本来、興味本位で毒キノコを食べるなど愚骨頂、ろくでなし三太夫、アホバカ間抜けのパープリンのすることだが、私は、いずれにも当てはまるので試してみることにする。良識ある一般の方々はくれぐれもマネしてはならない。こんなことをするヤツはアフリカ象の鼻クソにも劣ると肝に銘じるべきである。
さて、イグチで唯一「ドク」の名を冠するドクヤマドリだが、猛毒イグチと言われるバライロウラベニイロガワリやミカワクロアミアシイグチにくらべれば、まだかわいい方である(悶え苦しむことはあっても)。「少量なら茹でこぼせば食べられる」という言葉もどこかで聞いた(気がする)。食毒不明で全く情報のないキノコを試すことを考えれば、最初から毒とわかっているのだから、いくらかとっつきやすい、と考えられなくもない。何をされるかわからない歯医者に行くのは怖いが、始めから歯を抜くと分かっていれば安心して行ける、それと同じである。(そうか?)
さて、やるぜよ。
本日のサンプルは身のしまった幼菌。わりと持ち重みがする。重量にして200g弱ほどありそうだ。これの半分を調理する。普通に食べたら中毒するのが確実なので、毒抜きとしてスライスしたものを茹でこぼすことにする。キノコの毒素は基本的に水溶性のものが多いので、多少は軽減できるはずである。さらに、できるだけ毒素を吸収しにくい状態にするため、胃に内容物のある状態(要するに食事のあと)で食した。効果のほどは不明であるが、これもすきっ腹で食べるよりいくらかマシであろう。
スライスすると、わずかに、薬品っぽい少し不快なニオイがする。ただ、これは気になるほどではない。ナベに放り込んで、いつもより少し念入りに、2分ほど茹でてみた。
完成。
見た目は普通のキノコだ。香りはあまり強くはないが、旨みの存在を知らせてくれるような、どちらかというと良い香りを漂わせている。
本来の味や旨みを見るため、塩のみでいただくことにする。
さて、柄を食べてみよう。ふむ。コリコリ、というほどではないものの、やわらかいながらに歯ごたえを感じさせるものがあり、食感は良し。食べてしばらくして、こんどは旨みが口に広がる。うむむ、これはなかなかいけるのでは……。
つづいて、傘。うほっ。こちらもやわらかめながら、シコシコと優しい歯触りがあり、続いて広がるのが強い旨みだ。これは柄の旨みを凌駕する。やべぇ、これウマいわ・・・。
ちょっとでやめるつもりがやめられなくなり、茹でたドクヤマドリをけっきょく全部食べてしまった。「茹でこぼせば少量なら食べられる」……100グラムって、少量……じゃないわなぁ。ちょっとヤバいかも……(-_-;)
以降、ドクヤマドリを摂食してからの経過を記す
20:30 摂食
21:30 以後、就寝まで異状は見られず。ただ、妙にのどが渇く、それと口の中がねばつく。口のねばつきは過去、食中毒したときに経験がある。
00:30 就寝
4:30 寝苦しくて目覚める。呼吸が浅くなり心拍数も上がっている。
下腹部全体をやんわり締めつけるような圧迫感。ただし痛みはない。消化不良で発生したガスがお腹にたまっているような感覚。胃には多少むかつきを覚える。意識にはまったく支障がないが、頭が多少クラクラする。下痢や嘔吐の兆候はなく、いずれも漠然と不快なだけなので様子を見る。
5:00 呼吸・脈拍、いずれも落ち着く。寝なおす。
7:00 起床。日常生活に支障はないが、下腹部と頭に不快感が残る。ちょうど二日酔いに似た感覚。以後、昼過ぎになってようやく不快感が消える。
……このまま「ドクヤマドリはおいしかった」で済んでしまうと、試そうというバカが大量に現れるのではないかと懸念していたが、さすがドクヤマドリ。直撃にはいたらぬものの、その毒は、私の脇をかすめていった。これで追随するバカも現れないであろう、ヨカッタヨカッタ。
とゆーことで。ドクヤマドリは、旨みだけならヤマドリタケモドキに匹敵するほどのうまさ
味ランク:A-(普通にうまい)
ただし、もれなく当たるでした。
※当ブログはキノコ食に関して一切の責任を負いません。あしからず。
(沙村広明『ハルシオン・ランチ』より)
ドクヤマドリ。
C級、っていうか思いっきり毒キノコなんだが。
山と渓谷社『日本のきのこ』では、中毒した際の経験談が詳しくつづられている。ドクヤマドリ一本をつけ焼きにして5人で食べたところ、食後4~5時間後、腹部に強い不快感を抱き、やがて下痢・嘔吐が続き、やがて快方に向かった、とのことである。なかなか強力だ。
本来、興味本位で毒キノコを食べるなど愚骨頂、ろくでなし三太夫、アホバカ間抜けのパープリンのすることだが、私は、いずれにも当てはまるので試してみることにする。良識ある一般の方々はくれぐれもマネしてはならない。こんなことをするヤツはアフリカ象の鼻クソにも劣ると肝に銘じるべきである。
さて、イグチで唯一「ドク」の名を冠するドクヤマドリだが、猛毒イグチと言われるバライロウラベニイロガワリやミカワクロアミアシイグチにくらべれば、まだかわいい方である(悶え苦しむことはあっても)。「少量なら茹でこぼせば食べられる」という言葉もどこかで聞いた(気がする)。食毒不明で全く情報のないキノコを試すことを考えれば、最初から毒とわかっているのだから、いくらかとっつきやすい、と考えられなくもない。何をされるかわからない歯医者に行くのは怖いが、始めから歯を抜くと分かっていれば安心して行ける、それと同じである。(そうか?)
さて、やるぜよ。
本日のサンプルは身のしまった幼菌。わりと持ち重みがする。重量にして200g弱ほどありそうだ。これの半分を調理する。普通に食べたら中毒するのが確実なので、毒抜きとしてスライスしたものを茹でこぼすことにする。キノコの毒素は基本的に水溶性のものが多いので、多少は軽減できるはずである。さらに、できるだけ毒素を吸収しにくい状態にするため、胃に内容物のある状態(要するに食事のあと)で食した。効果のほどは不明であるが、これもすきっ腹で食べるよりいくらかマシであろう。
スライスすると、わずかに、薬品っぽい少し不快なニオイがする。ただ、これは気になるほどではない。ナベに放り込んで、いつもより少し念入りに、2分ほど茹でてみた。
完成。
見た目は普通のキノコだ。香りはあまり強くはないが、旨みの存在を知らせてくれるような、どちらかというと良い香りを漂わせている。
本来の味や旨みを見るため、塩のみでいただくことにする。
さて、柄を食べてみよう。ふむ。コリコリ、というほどではないものの、やわらかいながらに歯ごたえを感じさせるものがあり、食感は良し。食べてしばらくして、こんどは旨みが口に広がる。うむむ、これはなかなかいけるのでは……。
つづいて、傘。うほっ。こちらもやわらかめながら、シコシコと優しい歯触りがあり、続いて広がるのが強い旨みだ。これは柄の旨みを凌駕する。やべぇ、これウマいわ・・・。
ちょっとでやめるつもりがやめられなくなり、茹でたドクヤマドリをけっきょく全部食べてしまった。「茹でこぼせば少量なら食べられる」……100グラムって、少量……じゃないわなぁ。ちょっとヤバいかも……(-_-;)
以降、ドクヤマドリを摂食してからの経過を記す
20:30 摂食
21:30 以後、就寝まで異状は見られず。ただ、妙にのどが渇く、それと口の中がねばつく。口のねばつきは過去、食中毒したときに経験がある。
00:30 就寝
4:30 寝苦しくて目覚める。呼吸が浅くなり心拍数も上がっている。
下腹部全体をやんわり締めつけるような圧迫感。ただし痛みはない。消化不良で発生したガスがお腹にたまっているような感覚。胃には多少むかつきを覚える。意識にはまったく支障がないが、頭が多少クラクラする。下痢や嘔吐の兆候はなく、いずれも漠然と不快なだけなので様子を見る。
5:00 呼吸・脈拍、いずれも落ち着く。寝なおす。
7:00 起床。日常生活に支障はないが、下腹部と頭に不快感が残る。ちょうど二日酔いに似た感覚。以後、昼過ぎになってようやく不快感が消える。
……このまま「ドクヤマドリはおいしかった」で済んでしまうと、試そうというバカが大量に現れるのではないかと懸念していたが、さすがドクヤマドリ。直撃にはいたらぬものの、その毒は、私の脇をかすめていった。これで追随するバカも現れないであろう、ヨカッタヨカッタ。
とゆーことで。ドクヤマドリは、旨みだけならヤマドリタケモドキに匹敵するほどのうまさ
味ランク:A-(普通にうまい)
ただし、もれなく当たるでした。
※当ブログはキノコ食に関して一切の責任を負いません。あしからず。
(沙村広明『ハルシオン・ランチ』より)