『よくわかるきのこ大図鑑』 小宮山勝司 著
キノコ大図鑑!
いや、ま、たしかに大図鑑にはちがいねえ。サイズがデカいからな。……ってゆーかそんだけじゃねーか!よくもその程度で大図鑑ヅラできたもんだなァ、ッああぁァ?
……などとキレやすいチンピラを演じているわけにもいかないので、ここは『よくわかるきのこ大図鑑』を「ヨクワカルキノコオオズカン」と読むことでひとまず納得することにしよう。
端的に言って、標準的なコンパクトカラーきのこ図鑑の内容はそのままに、サイズだけ大きくした感じ。サイズだけ大図鑑。
もっとも、サイズがでかいだけで役立たずかと言えば決してそうではない。写真は枚数が多い上に一枚一枚が大きく、レイアウトにも余裕があるので全体を通して読みやすいし、掲載種数300種は並のコンパクト図鑑の約200種の5割増し。著者の小宮山氏は写真撮影に定評があるが、ソフトな文章もなかなかのもので、キノコ初心者が最初に手にする一冊としては、かなり上位に入る出来栄えだと思う。
惜しむらくはその記述量の少なさか。読みやすいということは情報量が少ないことの裏返しでもある。特徴のはっきりしたキノコならばそれでもかまわないが、地味で似かよった種をこの図鑑で区別するのは厳しい。あと、キノコのサイズが記されていないのも手落ちと言えよう。
しかし、それらの弱点を帳消しにしてしまうほどの強みがこの図鑑にはある。そう、それは、コストパフォーマンスだ。
以下に、代表的な大型きのこ図鑑の重量と税込価格、さらに100gあたりの価格を計算して列挙してみた。
日本のきのこ(改訂版・山と渓谷社) 1510g・8400円……100gあたり556円
北陸のきのこ図鑑(橋本確文堂) 1450g・15000円……100gあたり1034円
世界きのこ大図鑑(東洋書林) 2470g・18900円……100gあたり765円
よくわかるきのこ大図鑑(永岡書店) 1100g・1575円……100gあたり143円
見ろ!ブッチギリだ!アメリカ牛より安い!
ちなみにポケット図鑑が200g弱で1000円ほど、コンパクト図鑑が300~500gで1200円前後、一般的な写真図鑑が500~800gで1500円~3000円といったところか。いずれも「よくわかる大図鑑」には遠く及ばない。
図鑑の価値が目方に比例するわけがないし、収納や携帯性の問題もあるから、もちろんこれはジョークなんだけど、それにしてもこのサイズにこの内容で1500円は安いなー。
「ペンションきのこ」のオーナーとして名の通っている小宮山氏。写真の腕はさすが。ただ、この本に関して言えば、たまに画質がすごく厳しい写真が混ざってる。古い機種で撮った写真かな?ま、コスパ最高ですから。
一種類のキノコに、白バック写真を含めたたくさんの写真がついているのはありがたい。
キノコは発生場所別に掲載。著者が長野在住なので、きのこのセレクションは高冷地に発生するものに偏っている。
テキストは文字が大きく読みやすい。専門用語も可能な限り使わない方針で、初心者でも安心して読める。
巻末には写真目次とレシピ集がある。特に写真目次は使いやすいと思う。
あと読んでて気になったのは、毒キノコに関してかなりうるさいこと。ナラタケなんかは「5本以上食べないようにしましょう」なんて書いてある。「軽い下痢くらいだったらいいじゃん」ってのが食いしん坊としてのホンネだよね。
キノコ大図鑑!
いや、ま、たしかに大図鑑にはちがいねえ。サイズがデカいからな。……ってゆーかそんだけじゃねーか!よくもその程度で大図鑑ヅラできたもんだなァ、ッああぁァ?
……などとキレやすいチンピラを演じているわけにもいかないので、ここは『よくわかるきのこ大図鑑』を「ヨクワカルキノコオオズカン」と読むことでひとまず納得することにしよう。
端的に言って、標準的なコンパクトカラーきのこ図鑑の内容はそのままに、サイズだけ大きくした感じ。サイズだけ大図鑑。
もっとも、サイズがでかいだけで役立たずかと言えば決してそうではない。写真は枚数が多い上に一枚一枚が大きく、レイアウトにも余裕があるので全体を通して読みやすいし、掲載種数300種は並のコンパクト図鑑の約200種の5割増し。著者の小宮山氏は写真撮影に定評があるが、ソフトな文章もなかなかのもので、キノコ初心者が最初に手にする一冊としては、かなり上位に入る出来栄えだと思う。
惜しむらくはその記述量の少なさか。読みやすいということは情報量が少ないことの裏返しでもある。特徴のはっきりしたキノコならばそれでもかまわないが、地味で似かよった種をこの図鑑で区別するのは厳しい。あと、キノコのサイズが記されていないのも手落ちと言えよう。
しかし、それらの弱点を帳消しにしてしまうほどの強みがこの図鑑にはある。そう、それは、コストパフォーマンスだ。
以下に、代表的な大型きのこ図鑑の重量と税込価格、さらに100gあたりの価格を計算して列挙してみた。
日本のきのこ(改訂版・山と渓谷社) 1510g・8400円……100gあたり556円
北陸のきのこ図鑑(橋本確文堂) 1450g・15000円……100gあたり1034円
世界きのこ大図鑑(東洋書林) 2470g・18900円……100gあたり765円
よくわかるきのこ大図鑑(永岡書店) 1100g・1575円……100gあたり143円
見ろ!ブッチギリだ!アメリカ牛より安い!
ちなみにポケット図鑑が200g弱で1000円ほど、コンパクト図鑑が300~500gで1200円前後、一般的な写真図鑑が500~800gで1500円~3000円といったところか。いずれも「よくわかる大図鑑」には遠く及ばない。
図鑑の価値が目方に比例するわけがないし、収納や携帯性の問題もあるから、もちろんこれはジョークなんだけど、それにしてもこのサイズにこの内容で1500円は安いなー。
「ペンションきのこ」のオーナーとして名の通っている小宮山氏。写真の腕はさすが。ただ、この本に関して言えば、たまに画質がすごく厳しい写真が混ざってる。古い機種で撮った写真かな?ま、コスパ最高ですから。
一種類のキノコに、白バック写真を含めたたくさんの写真がついているのはありがたい。
キノコは発生場所別に掲載。著者が長野在住なので、きのこのセレクションは高冷地に発生するものに偏っている。
テキストは文字が大きく読みやすい。専門用語も可能な限り使わない方針で、初心者でも安心して読める。
巻末には写真目次とレシピ集がある。特に写真目次は使いやすいと思う。
あと読んでて気になったのは、毒キノコに関してかなりうるさいこと。ナラタケなんかは「5本以上食べないようにしましょう」なんて書いてある。「軽い下痢くらいだったらいいじゃん」ってのが食いしん坊としてのホンネだよね。