「フッフ、とうとう見つけたぞ。貴様が例の忍者だな!」
ひとりの忍者を三人の忍者が取り囲んでいる。三人の忍者はそれぞれ赤、白、黄色の装束を身にまとい、さらにそれぞれ同じ色の小さな陣笠をかぶっていた。その傘のてっぺんは突起のように奇妙に突き出ている。
「我々はイボカサ三兄弟!貴様の命運もここまでだ。まずは名を名乗ってもらおう!」
取り囲まれている方の忍者は落ち着き払っていた。赤黒い装束をみにまとい、身じろぎひとつせず直立している。
「・・・カンゾウ。カンゾウだ。」
忍者は静かに名乗ると、身構えた。空手の構え。彼は武器を持っていない。
「自信家なのかバカなのか、度胸だけはいいようだな。いくぞ!」三人の忍者は互いに目配せすると、三人同時に刀を構えた。
カンゾウと名乗る忍者と一定の距離を置きながら円をえがくように回り始める。三人の動きは徐々に早まって、やがて目にもとまらぬほどのスピードになった。三つの色が混然とまじわり、ひとつの色となる。そして円陣がせばまり始めた。
「ヤァー!」「ヤァー!」「ヤァー!」
次の瞬間、すさまじい気合いとともに三人が同時に襲いかかった!
「キキキーン!!」
激しい金属音が響き、周囲にこだまする。三人は弾けるように跳び、元いた場所と全く同じ場所に降り立った。
「見たか!我々の三位一体の攻撃を!」
カンゾウは三人の攻撃を金属の手甲で全て防いだ。だが一糸乱れぬ同時攻撃に、反撃のスキは無い。防ぐので精いっぱいだ。そしてそれだけではない。カンゾウの右手首と左腕、右足首に、それぞれ赤、白、黄色のロープが巻き付いているではないか!
秘技「三色イボの糸」!!カンゾウの動きはこれで封じられた。
「よく今の攻撃を防いだな。だが次は無い。」
三人の忍者がみな勝ち誇るようにニヤリとする。三人は互いに目配せすると、再び円をえがいて回り始めた。三人の動きは徐々に早まって、やがて目にもとまらぬほどのスピードになった。三つの色が混然とまじわり、ひとつの色となる。そして円陣がせばまり始めた。
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