レポーター「今日は、伝統的な製法にこだわったそうめんを作り続けている『くらばり製麺所』にお邪魔しました。こちらが工場長でいらっしゃる蔵梁(くらばり)さんです。
こちらでは、かなり珍しい製法でそうめんを作っていらっしゃるそうですねえ」
蔵梁「ええ、ウチは、全国的にもここだけっていう、『ときどき枝分かれ製法』を守り続けて創業百年になります。」
レポーター「百年!すごい歴史なんですねえ。長い間、守られ続けるだけの価値がその製法にはあったということなんでしょうか?」
蔵梁「そう、この製法で作られたそうめんを食べると、舌触りやのど越しに、独特のひっかかり?みたいなものが生まれるんですな。ツルツル、じゃなくてツルツ、ル、みたいな。
これが、単調なはずのそうめんに、なんていうんですかねえ、アクセントを、いや、そんだけじゃなくて、奥行きと広がり?みたいなものを生むんです。で、食べてても飽きが来ないんだなぁ。いくらでもツルツルいけちまう。」
レポーター「ツルツルじゃなくて、ツルツ、ル、ですね?」
蔵梁「あ、そうそう。ツルツ、ル(笑)」
レポーター「では、今回特別に料理を準備してくださいましたので、試食させていただこうかと思います。」
ズズ、ズズズ・・・
レポーター「うん、おいしい!あっ、思ったよりずっとコシがいいですね!で、この、ときどき麺が太くなる感覚があって、それが舌と喉に、こう。」
蔵梁「そうでしょ!やっぱりね、枝分かれなんですよ。しかもこれは時々じゃないといけない。いっつも枝分かれするとね、からまるんですよ、グチャっと」
レポーター「その微妙な加減が重要ということですか。一見して簡単そうに見えますが、非常に繊細な技術・・・いわゆる門外不出というか、やっぱり先祖代々引き継がれてきたものなんでしょうねえ」
蔵梁「ああ、それがな・・・まあいろいろあって、一筋縄じゃねえのよ・・・枝分かれだけにな!」
レポーター「うまいこと話にオチをつけましたね(笑)以上、『くらばり製麺所』から中継でした!」