いまだかつて見たことがないほど巨大に膨れ上がったヒメキクラゲの群落を発見!今年の冬は例年になく雨が多く、キクラゲ類がよく育ったのだろう。いっつもチョロチョロ枝にへばりついてるだけの「どうでもいいキノコ」扱いだったが、これだけデカくなれば食材として利用可能だ!
かつて、C級判定をくだしたこともあるキノコだが、今回はきちんと料理してみることにしよう。
さてと。突然だが、ピーターラビットの生みの親の絵本作家、ビアトリクス・ポターをご存知だろうか?実は彼女は菌類学者を志していたことがあるのだが、その彼女が描いた絵本の一節、ヒキガエルが集まってお茶会をする場面で「魔女のバター黒キノコ」というものを登場させている。このモチーフがヒメキクラゲだというのだ。
「魔女のバター黒キノコ」。うーむ、黒くて妖しいイメージと、木の枝にべっとり塗りつけたような形状が的確に表現されている。よし、今回のコンセプトは、「魔女のバターを作る」!これで行こう!
さて、問題の料理法。ここでいうバターは、バターそのものじゃなくて、バターっぽいものを指すんだろうけど、とにもかくにも油分が欲しい。バターを使うと冷めたときに固まってしまうので、ここはオリーブオイルを使って炒めてみることにした。
イメージ的には、とろけてソース状になるようなモノを作りたかったんだが・・・むしろ固くなってプリプリしてきた??なんかいきなり選択肢を間違ったんじゃないかという疑心暗鬼に襲われる。いや、しかしこのままやるしかあるまい!
味付けはピーナツバターみたいな甘いものにする案もあったが、魔女つながりってことで「マジックソルト」を選択した。
とりあえず完成。いや、見た目ぜんぜん変わってないんですけど……
油はあまり馴染んでくれなかったので、見事に分離している。キクラゲもカタマリのまんまだ。どう考えても「魔女のバター」のイメージには程遠い。やっぱりなんか間違ったかもしれん(-_-;)
いや、それでも……味はいいのかも!試食してみよう。
トーストに塗ってみた。う、うーーーん、見た目はちょっとアレな(^_^;)
食べるか……。
かぶりつくと、オリーブオイルとマジックソルトの地中海風味が口に広がる。
おお、なんと!サクッとしたトーストの香ばしさと、瑞々しいヒメキクラゲのプリプリとした食感が・・・
ぜんぜん合わん
これはアカンわ。甘かろうが辛かろうがパンにプルプルはミスマッチすぎる。
そう即断した私は、完成したばかりの「魔女のバターもどき」をふたたびナベに戻し、再調理にとりかかった。
おー!これよこれ!!
見よ!この安定のつくだ煮っぷりを!もうつくだ煮以外の選択肢が浮かばないほどだ!
ウム。プリとろ食感が食べてもうまい。ご飯がススムわ~~
ということで。ヒメキクラゲはつくだ煮にすべし!以上!ヒメキクラゲ試食レポートでした~!