月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

『ハルシオン・ランチ』

2012-05-31 21:02:36 | キノコ本
ついでだから沙村さん続きで。

『ハルシオン・ランチ』全2巻

部下の持ち逃げにより会社が倒産、絶賛ホームレス中のアラフォー、元(げん)のもとに少女が姿を現す。ヒヨスと名乗るその娘は、食事に関してちょっとばかり常識が欠如していた。ヒヨスの予測不能な行動に振り回される元。しかし彼女には、地球の運命をも左右するほどの重大な秘密が隠されていた……

社会の底辺を生きる男たちに明日はあるのか?っていうか人間食うな!クソ真面目にバカやりまくる、シュールで投げやりなSFギャグ漫画。


まあこれも全然キノコ本じゃないんだけど、きのこネタが少しあるし、欠落を埋める物語、異質なものを媒介する人々の物語、っていう大枠では、キノコ的だと思うんよ。ああ、自分でも何言ってるかよくわからん……

それにしても、よくぞここまで趣味全開な作りにしてくれたもんだ。そこらじゅうにパロディとオマージュの嵐。小ネタも満載、しかもネタが古い!おそらく30代半ばから40代前半くらいの、多少なりともオタっ気のある人ならバカ受けするだろう。なんて狭いターゲット層なんだ……絵、うまいんだから普通にマンガ描いたらいいのに……普通に描いたらオレは読まないけどね!



きのこネタ。ドクヤマドリとは通なセレクションだけど、それヒダがイグチじゃないじゃん。

ぐほあ!腹が……腹があァ!!

『無限の住人』

2012-05-28 20:47:53 | キノコ本
ネタが尽きてきたので、ひさしぶりにキノコ本紹介。といっても今回はぜんぜんキノコ本じゃないけど。

沙村広明『無限の住人』。時代劇漫画なのだが、時代考証とか完全無視のめちゃくちゃなキャラクター造形と過激なアクションがウリ。第一話がいきなり教会ではじまったり、サングラスかけた奴が出てきたりと、かなりのはじけっぷりを見せ、まっとうな時代劇ファンならキレて当然なのだが、「主人公が不死身」っていう時点で、そんなことはもうどうでもよくなるのだよ。

主人公は両親の仇討ちを果たそうとする少女・凛と、彼女に用心棒として雇われた不死身のゴロツキ、万次。凛の父親が持つ道場を滅ぼした屈強な無頼剣士の集団・逸刀流に対し、たった二人で闘いを挑む。

まあストーリーはさておくとして、この万次さんというのがかなりおもしろい役回りで。

①葬式の垂れ幕のような白黒の服
②どう見ても縁起の悪い顔なのに背中には吉祥を意味する卍マーク
③百人を斬った極悪人でありながら心根は真っ直ぐで善良
④異形のゴロツキだが元は同心
⑤生死の境目の住人(殺されても死なない)

などなど、二律背反の性質をたくさん持っているのだ。それがなにかって?動物でもなければ植物でもない、生と死を媒介する、毒であり薬でもある、これら二律背反は我らがキノコの旗頭!つまり大いにキノコ的だということを暗示するのだ、ガハハハハハハ(テンションおかしい)

そもそもパンキッシュな時代劇って時点で十分キノコ的だと思うんだよね。エログロもちょっと入ってるし。



かろうじて一場面だけキノコが出てくる。逸刀流の幹部が宴会中に謀殺される場面で、動きを鈍らせるために食事に盛られていたという毒キノコ・ツキヨタケ。

調理後のツキヨタケを同定できるとは、すげーキノコ鑑定士になれるぞ!凶(まがつ)クン。

現在アフタヌーンで連載中。単行本は29巻まで刊行中。かなり読者を選ぶ漫画だが、画がうまいのは万人の認めるところ。




かなへび

2012-05-26 19:34:20 | 動物
カナヘビ。正確にはニホンカナヘビだけど、まー日本でカナヘビと言ったらまずコイツ。

ひなたぼっこをしていて逃げるタイミングを逃がしたらしい。近づいても固まったまま動かないのがかわいい。

部屋の壁に住んでるムクドリのヒナはだいぶ大きくなってきた。エサをねだる声も日に日に大きくなっている。ちょっと騒々しいくらいだ。おかげで朝5時半ごろに起こされる。

カンゾウタケ料理

2012-05-24 21:56:20 | キノコ料理
毎年恒例、カンゾウタケ料理。うまく撮れないから、はらいせに食べちゃえ!ってわけでもないけど。けっこー好きなんだな、カンゾウタケ。

コツは厚めに切ることと、火を入れすぎないこと。レアでいーよ、レアで。

例によって見た目は肉。あー、すっぱい。あいかわらずワケわかんない味だ。



ちょっと切れはじが残ったので、サラダにもしてみた。キノコを生で食べるのあまり気がすすまないけど。

うーん、ドレッシングに負けちゃって味がよくわからない。やっぱソテーのがいいような。

すっぱいんだから砂糖で煮つけてもいいんじゃないのか?

かんぞうたけ

2012-05-23 18:36:28 | キノコ
さてっと、今年のカンゾウタケ、発生するにはしてるんだけど、なかなか雨が続かず、乾いて風が強い日が多いものだから、生長する前に干からびてしまっているものが多い様子。

フレッシュで色鮮やかなものを背景と一緒にかっこよく撮りたいんだけど、今年もパスかな。広角レンズもないし。

クソブクロ

2012-05-22 18:35:50 | キノコ創作
クソブクロ   作:鳥居コデルマ

ヤツは言った お前たちはクソ袋だと
取り替えがきく なんの取り柄もない
食い散らかしては 汚物を垂れ流すだけの
はた迷惑なクソ袋だと

そうさ俺たちは 名誉もない価値もない
ペラペラのナイフを振り回すだけの
薄汚いクソ袋さ

夜の盛り場の陰で ノラ猫が欲情し
虹色の毒キノコが 街の胃袋を冒す

ああでも俺たちは なんて美しいクソ袋なんだ
ゴミより汚いのに ほんとうにたまに光るんだ
この世のどんな宝石だってかなわない
その輝きがお前には見えるか?

だから俺はお前たちを愛している
すぐにでも抱き寄せてキスをくれてやる
いっぺんきりのキスを
血ヘド味のキスを

うらしまそう

2012-05-21 19:19:00 | 植物
ウラシマソウ。マムシグサをパワーアップしたような感じ。

なんたって花の一部がえらく長く伸びて垂れ下がってるのがチャームポイント。ウラシマソウの名は、これを浦島太郎が垂れる釣り糸になぞらえたものだとか。なかなかいいネーミングセンスじゃないの。

観賞用に育てられることもあるらしい。ここは神社の裏だったんだけど、もしかしたら最初にどこかから持ち込んだものかもしれない。

今日は金環日食が見られる日だった。リングは見られなかったけど、三日月のように細くなったものが雲の晴れ間に見られた。

やまつつじ

2012-05-20 20:11:36 | 植物
ツツジの仲間は種類が多すぎてわけがわからない。園芸種も合わせるとものすごい数がある。

四月までは花の種類が多く、写真撮り放題だったけど、これからは緑の季節になり、被写体を探すのに苦労する。キノコもまだ少ないので、そろそろネタが尽きそうだ。

マツオウジは毒キノコ

2012-05-19 20:35:39 | キノコ料理
三重県菰野町でマツオウジを採取、網焼き用に若いもの3本を採取して、夕食として調理した。

生焼け状態での中毒事例があり、弱火で念入りに火を通す。以前食べたとき、成菌の網焼きで舌がいがらっぽく感じたので、若いものを選んだのだが、それでも食べた直後から、かなりの違和感をおぼえることになった。

頭痛まではいかないものの、頭の芯が鉛を埋め込んだようにズシーンと重く感じる。少しクラクラして、こころなしか眼の焦点が定まらない。食べる前にはいい匂いと感じていたマツオウジの香りも食後は不快臭にしか感じない。時間の経過とともに胸にムカつきを覚え、数時間消えなかったが、嘔吐までは至らなかった。症状は翌朝には回復した。ちなみに食べたのは小ぶりのもの一本半。

特徴的なのは食べた直後から不快を覚えることで、今回は1分とかからず症状が現れた。おそらく残りを全部食べていたら、30分としないうちにトイレに駆け込み嘔吐していたことだろう。これだけ早く症状が出れば、毒成分は吸収される前に排出されるので、逆に安全だとも言える。

試しに残したキノコを一度ゆでこぼし、水にさらしてアク抜きしてから汁ものに入れて食べてみたが、これはなんともなかった。毒成分は水に溶け出るらしい。網焼きはキノコの旨みを逃がさず、しかも香りを引き出す調理法ではあるが、毒キノコである場合、毒成分も逃がさず濃縮するため、リスクが高い。わずかでも疑いのあるキノコは避けた方が無難だ。

ちなみにマツオウジ、図鑑では注意付きで食べられるとしてある図鑑が多い。実際、平気で食べている人も多いようだ。
キノコの毒性は、当たる当たらないに個人差があり、またキノコそのものにも個体差、地域差があるので、多分それなのだろう。いずれにしろ死ぬほどの毒性はない。

それにしても今回感じたのは「本能に従え」ということだ。思えば前回食べたときも、舌はおいしいと感じていたのに、全く箸が進まないので変だな、と思っていたのだ。今回も、最初の一切れを食べたときに本能がヤメロと叫んでいるのを感じていたのだが、理性でそれを抑え込んで三切れまで食べてしまった。

きっと人間にも食べられるものと食べられないものを峻別する能力が備わっているのだろう。原始時代の人間は、もっと感覚がするどかったはずだ。何が食べられて、何が食べられないのかなどはもちろん、もしかしたら薬草なども本能だけで見分けていたかもしれない。またひとつ勉強になった。

先日の記事で、無責任にも「若いものは網焼きで」などと書いてしまい申し訳ありませんでした。特に毒キノコに関しては一歩間違えば大事故につながるので、今後軽々しい判断で発言しないよう気をつけます。


きのこブログ三周年

2012-05-18 19:29:29 | キノコ
当ブログ『月刊きのこ人』が三周年を迎えました。

当初、ものぐさの自分がブログなど継続して続けられるものなのだろうかという思いがあり、いつでもいいわけ出来るように『月刊』を冠してみたんですが、意外にもこれまで続いており、しかも最近はほぼ日刊だったりします(その分無内容ですが^^;)

これも駄文&ヘボ写真にめげずに読んでくださる方々のおかげ。ときどきワケわかんない妄想を突っ走らせて変な作品を作ったり、変な実験を始めたりもしますが、これはそういうヤツなのだとどうか大きな心で受け流してください。今後ともよろしくお願いします。


追伸:記事のカテゴリーを編集しなおしました。昔つけてたタイトル、意味不明でなんの記事かわからん……。

さらに追伸:マツオウジの記事、手直ししました。マツオウジは毒キノコです。念のため明日あらためて注意喚起します。ご迷惑おかけしました。

ひめうらなみじゃのめ

2012-05-16 20:49:20 | 動物
ベニシジミを撮っていたら今度は小さなジャノメチョウが割りこんできた。ヒメウラナミジャノメ、これもどこにでもいるありきたりの蝶。

キノコもそうだけど、私は珍品より普通種の方に愛を感じてしまうので、ありきたりなことに決して悪いイメージはない。ベニシジミと比べると、眼がはっきりしてないので、ピントを合わせづらかった。

幼虫の食草はススキ、シバ、チヂミザサなど。

べにしじみ

2012-05-15 19:48:45 | 動物
デージーを撮ろうと思ったらベニシジミが飛び込んできた。せっかくなので撮ってみる。

もっともありふれた蝶の仲間で、幼虫の食草はスイバやギシギシ。これまたそこら中に生えている草だから栄えるわけだな。けっこう鈍感で近づいても知らん顔しているので撮影の練習にいいかも。