スッポンタケの卵は食べられるという話を聞いたような気がしたので、食べてみた。
スッポンタケは腐食に富む場所に好んで生えるキノコで、数多いキノコの中でも特別あやしい形状を持っている。しかも、直径5センチほどのまん丸な卵から、ある日突然にょきっと生えてくるというあやしいオマケ付き。それでも図鑑では「柄は食べられる」とされているが、キノコの頭が臭いこともあり、積極的に食べたいと思えるものではない。しかし、卵なら!卵なら食える気がする!などと根拠もなく思うわけである。

スッポンタケの卵は三つのパーツに分解できる。
ゼラチン質の皮と、黒いグレバに覆われた頭、芯に当たる茎だ。それぞれ質感が全く異なるので、一つのキノコで三種類の味わいが生まれる超お得なキノコと言えよう。
料理の方法がよくわからんので、茹でて塩ふってかじるという、もっとも素材の味を生かす(グロさも生かす)方法で味わう。

調理後。左手前が茎、右手前が頭(グレバ)、奥が皮。以後別々に試食を行う。
頭:もっとも問題のある部位。黒いグレバは成熟すると悪臭を放ちハエを呼び寄せるという最悪物質。しかしこの部分は胞子を含み、もっとも栄養に富むのもまぎれもない事実。卵のうちならまださほどニオイは気にならない……ような気がする。これは食べるしかない。
茹でると、なんかぬらむらとしたモノになった。雰囲気はナマコに似ている。茹でた後でもやはりニオイは全然気にならない……ウソです。なんか臭う。青臭いというか、モヤシ臭いというか、そんなニオイ。何のニオイかなー、と何度も嗅いでいたらちょっと頭痛くなってきた。ええい、ここで日和るわけにはいかん。食べるぞー。
恐る恐るちょびっとだけかじる。む。意外に大丈夫。ナタデココ風の歯触りとモヤシ臭、アンドぬめぬめ。そしてそこに栄養があることを感じさせる旨み。いける!大丈夫だ!残りを丸ごと口の中に放り込む。
もぐもぐ。瞬間、モヤシ臭が口腔を満たす。そしてぬめぬめ。ウっ!気持ち悪い!無理、ムリムリムリ!
吐き出すのは嫌なので、無理やり味噌汁で流し込み、一息つく。ぜえぜえ。あー、えらい目にあった。おそるべしグレバ。これは食いもんじゃない。
ただし、きわめて若いものはむちっとした歯触りと豆もやしの豆のような風味があり、食するに値する。
皮:皮は卵の表面を覆う外皮と、頭部分に接している内皮、その間をうずめるゼラチン質から成る。透明感のあるゼラチン質はかなりの厚みがあり、その透明感はゼリーとして食べられる珍味・オオゴムタケを思わせるもので、もしかしたら高級デザートになるかもしれない、などという期待感を抱かせる。
茹でてみると、ぶよんぶよんの物体に仕上がった。外皮はまさに恐竜の卵の殻のような風合いで、あまりおいしくなさそうなので、外す。これはきれいにはがれる。内皮はモヤシ臭がするので、これも本当は外したいのだが、これはうまくはがれない。
では食べてみよう。
う。ぶにゅぶにゅする。オオゴムタケに近い気がするのだが、何かが違う。食感としては、片栗粉を水に溶いたものを火にかけたもの:インチキわらび餅、に近い。少し組織がゆるく、口の中で溶けていくような感触がある。あと、やっぱり例のモヤシ臭がある。成熟が進み過ぎていたか、少し酸味もある。うん。もういい。すげーウマい(涙目)。だから残りはアナタにあげる。
茎:図鑑で「食」とされている部位。中国ではキヌガサタケの茎部分を加工した「スースン」の代用品として用いられるらしい。見た目は漂白したスナック菓子、触った感じは意外に固く、プラスチックか硬質ゴムを思わせる。中央にゼリー状の部分があるのがちょっと気になるが、臭いもさほどなく、なるほどこれならいけそうだ。
茹でてみると、すこし柔らかくなって、秋田名物きりたんぽを想像してしまう。中央のゼリー状の部分のせいか、少しぬめりがあり、箸でつかみづらい。
食べてみる。お。最初、シャクッとした歯触りがあって、さらに噛めば噛むほどにコリコリという食感が持続する。やわらかい数の子と言ったらわかるだろうか。キクラゲのような食材を好む中国では、たしかに珍重されるものであろうなー。ただ、芯の部分のゼリー物質はこの場合、明らかに余分で、そぐわない。あとカタマリで食べると、やっぱりモヤシ臭が気になるので、薄めにスライスしたほうが良かっただろうな、と思った。
うまく調理して、モヤシ臭を取り除けば、じゅうぶん食材として使える。ニオイが取り除ければな……
結論。スッポンタケは
モヤシ臭い
二度と食べるもんか
味評価
茎 C
皮 D
頭 Dマイナー(きわめて若いものはC)
スッポンタケは腐食に富む場所に好んで生えるキノコで、数多いキノコの中でも特別あやしい形状を持っている。しかも、直径5センチほどのまん丸な卵から、ある日突然にょきっと生えてくるというあやしいオマケ付き。それでも図鑑では「柄は食べられる」とされているが、キノコの頭が臭いこともあり、積極的に食べたいと思えるものではない。しかし、卵なら!卵なら食える気がする!などと根拠もなく思うわけである。

スッポンタケの卵は三つのパーツに分解できる。
ゼラチン質の皮と、黒いグレバに覆われた頭、芯に当たる茎だ。それぞれ質感が全く異なるので、一つのキノコで三種類の味わいが生まれる超お得なキノコと言えよう。
料理の方法がよくわからんので、茹でて塩ふってかじるという、もっとも素材の味を生かす(グロさも生かす)方法で味わう。

調理後。左手前が茎、右手前が頭(グレバ)、奥が皮。以後別々に試食を行う。
頭:もっとも問題のある部位。黒いグレバは成熟すると悪臭を放ちハエを呼び寄せるという最悪物質。しかしこの部分は胞子を含み、もっとも栄養に富むのもまぎれもない事実。卵のうちならまださほどニオイは気にならない……ような気がする。これは食べるしかない。
茹でると、なんかぬらむらとしたモノになった。雰囲気はナマコに似ている。茹でた後でもやはりニオイは全然気にならない……ウソです。なんか臭う。青臭いというか、モヤシ臭いというか、そんなニオイ。何のニオイかなー、と何度も嗅いでいたらちょっと頭痛くなってきた。ええい、ここで日和るわけにはいかん。食べるぞー。
恐る恐るちょびっとだけかじる。む。意外に大丈夫。ナタデココ風の歯触りとモヤシ臭、アンドぬめぬめ。そしてそこに栄養があることを感じさせる旨み。いける!大丈夫だ!残りを丸ごと口の中に放り込む。
もぐもぐ。瞬間、モヤシ臭が口腔を満たす。そしてぬめぬめ。ウっ!気持ち悪い!無理、ムリムリムリ!
吐き出すのは嫌なので、無理やり味噌汁で流し込み、一息つく。ぜえぜえ。あー、えらい目にあった。おそるべしグレバ。これは食いもんじゃない。
ただし、きわめて若いものはむちっとした歯触りと豆もやしの豆のような風味があり、食するに値する。
皮:皮は卵の表面を覆う外皮と、頭部分に接している内皮、その間をうずめるゼラチン質から成る。透明感のあるゼラチン質はかなりの厚みがあり、その透明感はゼリーとして食べられる珍味・オオゴムタケを思わせるもので、もしかしたら高級デザートになるかもしれない、などという期待感を抱かせる。
茹でてみると、ぶよんぶよんの物体に仕上がった。外皮はまさに恐竜の卵の殻のような風合いで、あまりおいしくなさそうなので、外す。これはきれいにはがれる。内皮はモヤシ臭がするので、これも本当は外したいのだが、これはうまくはがれない。
では食べてみよう。
う。ぶにゅぶにゅする。オオゴムタケに近い気がするのだが、何かが違う。食感としては、片栗粉を水に溶いたものを火にかけたもの:インチキわらび餅、に近い。少し組織がゆるく、口の中で溶けていくような感触がある。あと、やっぱり例のモヤシ臭がある。成熟が進み過ぎていたか、少し酸味もある。うん。もういい。すげーウマい(涙目)。だから残りはアナタにあげる。
茎:図鑑で「食」とされている部位。中国ではキヌガサタケの茎部分を加工した「スースン」の代用品として用いられるらしい。見た目は漂白したスナック菓子、触った感じは意外に固く、プラスチックか硬質ゴムを思わせる。中央にゼリー状の部分があるのがちょっと気になるが、臭いもさほどなく、なるほどこれならいけそうだ。
茹でてみると、すこし柔らかくなって、秋田名物きりたんぽを想像してしまう。中央のゼリー状の部分のせいか、少しぬめりがあり、箸でつかみづらい。
食べてみる。お。最初、シャクッとした歯触りがあって、さらに噛めば噛むほどにコリコリという食感が持続する。やわらかい数の子と言ったらわかるだろうか。キクラゲのような食材を好む中国では、たしかに珍重されるものであろうなー。ただ、芯の部分のゼリー物質はこの場合、明らかに余分で、そぐわない。あとカタマリで食べると、やっぱりモヤシ臭が気になるので、薄めにスライスしたほうが良かっただろうな、と思った。
うまく調理して、モヤシ臭を取り除けば、じゅうぶん食材として使える。ニオイが取り除ければな……
結論。スッポンタケは
モヤシ臭い
二度と食べるもんか
味評価
茎 C
皮 D
頭 Dマイナー(きわめて若いものはC)