月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

もし栽培できたら儲かりそうなキノコを考えてみる その①

2016-12-30 01:25:49 | キノコ栽培
エリンギ、ホンシメジ、タモギタケ、ハナビラタケ、ササクレヒトヨタケ・・・

いま、かつて見ることのなかったいろいろなキノコが栽培可能になり、市場に出回っている。
たとえばキノコ最大手のホクトは、新品種『霜降りヒラタケ』を開発し、テレビCMをうって市場にアピールしている。

同業の私から見ても、日持ち・味・ボリュームの点で、3拍子揃ったいい商品として目に映る。でも、売れているかというと、うーん。
データがあるわけじゃなく、ただのイメージでこう言ってしまうのも良くないんだけど、「人気がある」って感じには見えない。「なんか他のキノコとシェア食い合ってんなぁ」ってのが正直な印象だ。

栽培キノコは工場の大規模化により、年々生産量を拡大し続けていたが、それもつい5年前くらいに頭打ちになった。そもそも消費量はこの15年くらいあまり変わっていないのだ。この状況でさらに新しいキノコ栽培を始めたとしても、けっきょく他のキノコと競合してしまうので「大ブレイク」みたいのはなかなか期待できない。

じゃあどうすればいいか。流通量の多い、ふつーのキノコ栽培を続けてコストカットに努めましょ!ってのが正論。でもねぇ。

・・・やっぱ栽培キノコの新規開拓ってのは夢とロマンがあるのよ!

ということで。これから栽培を始めたら有望なキノコは何かをキノコマニアの立場で考えてみた!

考察:おいしいだけじゃダメ
結論から言おう。「おいしいだけじゃ広まらない」!
ずば抜けておいしいはずのホンシメジやハタケシメジのシェアがあまり広がらないのがいい証拠である。かと言って価格競争では今のエノキ、ブナシメジ、エリンギあたりに勝てるわけがないので、いま目指すべきは「個性」。これに尽きる。

マツタケを見ればわかる通り、個性のあるキノコは、オンリーワンとして他のキノコとシェアを食い合わない。


その①カンゾウタケ   味★★  栽培の容易さ★★★★  注目度★★★★
栽培キノコ界の超ダークホース
すでに栽培が可能とされていて全く流通していないものとしてカンゾウタケをあげたい。赤い!酸っぱい!なんかキモい!!ということで、個性的であることに異論をはさむ余地はまったくない。問題は、その赤さと酸っぱさにあまりにも馴染みがなさすぎるということ。キノコが赤い時点でドン引きなのに、なおかつ酸っぱいとか、明らかにやりすぎである。なお、大多数のキノコファンのあいだでも「マズい」というのが共通認識のようだ。

しかし!マズいからこそ誰も注目していない。そこにこそチャンスがあるともいえる。
本当はマズいのではないのだ。まだおいしい食べ方がきちんと研究されていないだけ!この日本の高い調理技術にかかれば、きっと「日本人の口に合うおいしいカンゾウタケ料理」が見つかるであろう。そのとき、カンゾウタケは未曽有のブレイクスルーを迎えるだ!グワハハハハ!


毎度、口をすっぱくして言っている(カンゾウタケだけに)が、塩をしっかり効かせてソテーするとかなり旨い。生でも食えるという触れ込みだが、味的には論外。

はたけしめじ

2016-12-14 16:22:31 | キノコ
ハタケシメジは正義のシメジ。味はズバ抜けているのに身近な場所に生えてくる。

世間ではシメジ=ブナシメジみたいになっちゃってるからシメジのおいしさって軽視されがちだけど、いやもう、本来の実力はこんなもんじゃあないんですよ。

ちなみにホンシメジやブナシメジはこのあたりでは激レアキノコなので、見かけることはほぼありませぬ。

はつたけ

2016-12-04 23:46:32 | キノコ
秋の松林で採れるキノコと言えば、ハツタケ。

マツタケもアミタケも減ってしまって「キノコ不毛の地」と自虐的に呼んでいる三重の地でも、ハツタケならなんとか見つけることができる。

舌触りがボソボソしているのと見た目がまずそう(傷つくと緑になる)なのが弱点だけど、濃いダシが出る。


これがたくさん出るのはマツが元気な証拠かなー。