月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

たんぽたけ

2015-10-31 22:20:29 | キノコ
「これ!何これ!冬虫夏草?」

そんな声がしたので、なんだなんだと近寄ってみると、自分がついさっきまで写真を撮っていた黄金色のカレバタケのすぐとなり。おおっ!?このブツブツした木魚叩きは……どこをどう見ても冬虫夏草!

ということで、手だれた方に掘りだしてもらった。



掘りだされたのは、虫ではなくて、地下生菌のツチダンゴだった。キノコに寄生するキノコ、タンポタケの仲間だ。初めて見る!見た目はオオセミタケとよく似てるなー。

そんなことをしているうちに合宿最終日はタイムアップ。湖一周の3分の1も歩いてないのにっ!……もっと時間があればなぁ。

帰るのにまた半日かかる。みんなに挨拶をして、後ろ髪引かれながらの解散となった。(もちろんその後、みやげもの屋を物色するのを忘れてはいない)

菌友のみなさま、ありがとうございました!

わかくさたけ

2015-10-29 23:59:05 | キノコ
山の中だけじゃなくって公園の芝生もキノコだらけだった長野。

ここで初めてみたのがワカクサタケ(たぶん)。キノコとしてはわりと希少な緑色を帯びるキノコだ。

緑色がきれいなのは傘が開ききらない若いもののみ。生長しきってしまうと橙色になってしまい、何のキノコだかわからなくなる。

ワカクサタケ属ってのができてたの知らんかった!

さくらしめじ

2015-10-26 23:08:26 | キノコ
宿の周囲もキノコの宝庫だった!

林の中で、神社の境内で、水際の芝生で。どこに行ってもあんまり見たことないキノコがあちこちに。

林の中ではサクラシメジの群生が見られた。

こちらではメジャーなキノコだが、三重では見たことがない。ワインレッドが美しく、判別が簡単なうえ、量も採れるし味もよい理想的な食用キノコだ。

帰りの農産物直売所でもサクラシメジがたくさん店頭に並んでいるのが見られた。

あおいぬしめじ

2015-10-21 23:24:35 | キノコ
こちらはこちらで鑑定会。
おそらく見られた種類は100を軽く超えたと思う……が。にわかな装備ではとうてい判別できそうにないフウセンタケやベニタケの仲間はみんな気付かないふりをして採らなかったので(笑)集まったのは50種類くらいだったか。

ベニテンとツノシメジをのぞけば、いまひとつ地味かも。

さてさて、晩ごはんはといえば。もちろん天然キノコ料理!

ハナイグチやハナビラタケのお味噌汁に、カラスタケやオオキツネタケのつくだ煮(たしかにオオキツネタケはつくだ煮にするほど生えてた)、そしてマツタケご飯!豪華すぎる!ご飯がモリモリ食える!けっきょく、たらふく食いすぎてしばらく行動不能に(^_^;)

翌日の合宿最終日。

もういちど標高の高い場所に連れて行ってもらう選択肢もあったけど、あえて宿泊地の周辺を散策することにした。


遊歩道沿いで見つけたアオイヌシメジ。初めてみるキノコだ。

傘がわずかに青みがかった灰色をしている。においをかぐと、いわゆる「桜餅臭」(アニスのにおい)がある。ただ、このにおいが桜餅のにおいと感じるかどうかは個々人の鼻にかかっているみたい。





べにてんぐたけ

2015-10-20 23:44:02 | キノコ
昼休みをはさんで別の場所へ。ここはシラカバがたくさん生えてる。と言うことは……

ベニテングタケ!

メルヘンの使者!ザッツ毒キノコ!とりあえずコイツは見ておかないとねぇ。

ここでもその他の雑キノコがたくさん。カラマツ林があったのでハナイグチも探したけど、誰かに採られたものか、もともと少ないのか、少しだけしか生えてなかった。


採って帰ったキノコの鑑定風景。
ここでは一般客の採った食用キノコを宿の御主人が鑑定している。
傍で見ていたが、かなり信頼度の高い鑑定眼の持ち主。キノコフリークの目から見ても非のうちどころがなかった。

気持ち良い風と日差しの中、キノコを囲んで、ざわざわとにぎやかな時を過ごした。


長野きのこ合宿

2015-10-19 23:50:15 | イベント
はい、うかうかしてる間にもう一カ月経っちゃったけど、先月の合宿報告!

毎年恒例、三重のキノコ会主催で合宿が行われた。例年、富士山に行っていたのを変更、今年の目的地は長野県!しかも富士山に匹敵するほどキノコの豊富な土地として名高い八ヶ岳にほど近い場所だ。

片道6時間(正味4時間強)を走って着いた先は緑の美しい湖のほとり。天気も絶好で青空に山々の姿が映える。

1日目は現地に到着しただけで日が暮れてしまったが、久々に顔を合わす面々に、ニューフェイスも加わり、持ち寄った酒を酌み交わしながら夜を更かした。


2日目。なかなかの晴天(実はこの直前に東日本で洪水があった)。この日は宿泊先の旅館がマイクロバスを出してキノコの生えそうな場所まで送ってくださるという。すさまじく険しい道を登っていくと、そこは針葉樹の混じった雑木林やシラカバ、カラマツ林が混在する美しい林だった。

さっそくキノコ散策。とにかくキノコの数が多い。一歩進むごとに何かが見つかる、といった按配だ。惜しむべきは、種類がまったくわからないこと。特にフウセンタケやベニタケの仲間が目立ち、これらはキノコ熟練者の集団である我々でもちょっと歯が立たない。そんな中、シラカバの枯れ木に生えるというツノシメジを発見できた。




えりまきつちぐり

2015-10-18 23:43:50 | キノコ
何日雨が降ってないだろう。先週末も天気予報に傘マークがついていたが、けっきょく降らずじまいだった。こっからむこう一週間も降らないみたい。おーい、キノコシーズン終わっちゃうぞい(T_T)

エリマキツチグリの大群生を見つけたのも、これは先月の末頃。この辺りまでは調子良かったんだよなぁ。


雨上がりのエリマキツチグリは特別かわいい。

ズームレンズ

2015-10-16 22:31:17 | 撮影
おもにキノコの群生や大きなキノコを撮る時に使用していたサブのマクロレンズ(35mm)を先日水没させてしまったのだが、どうやら本格的に使用不能になったみたいだ。仕方なくスナップ写真や風景用に購入したズームレンズ(18-55mm)で代用したのだが、これが意外にもかなり使い勝手がいい。

背景をとりこむのは望遠マクロではなかなか難しかったが、こっちの広角で撮ればお手の物。ズームさせるという選択肢が増えたことで、アングルのとり方もかなり自由度が高くなった。ツキヨタケの写真もこのレンズで撮ったもの。これが単焦点のマクロレンズなら、そう簡単にはいかなかっただろう。

これで、いままで背景ボカシ一辺倒だった作風もすこし変わってくるかもしれない。

上の写真は、いい光が入ってきたのをうまくとらえることができた。切り株に生えた若いナラタケだと思いこんでたけど、写真をよく見るとツバがないっ(^_^;)


しろげかやたけ

2015-10-15 23:36:51 | キノコ
神社で白いキノコが群生しているのを見つけた。

同じ場所で古くなって流れてしまったキノコを2回くらい見たことがあったから、同じものだろう。こんどこそ新鮮!
真っ白で、傘に毛のようなものがふさふさしている。シメジ系としてはかなり特徴的なので、調べたらわかるだろうと思い、少しだけ持って帰った。

案の定、すぐに名前は判明、「シロゲカヤタケ」というキノコだということが分かった。どうやら正式ではなくて仮名称らしい。食べてる人もいるという話なので、せっかくだから私も食べてみた。

まず、香り。キノコっぽいにおいとはちょっと違うフローラルないい香りがある。コレ、今年大量に食べたコムラサキシメジとそっくりのにおいだ。肉質は全体的に華奢で軽い感じ。包丁を使うまでもなく、手でほぐすとバラバラとこわれていく。多少繊維質ながら、もろいという点ではこれもコムラサキシメジに似てる。……そして味。みそ汁にしたら良いダシが出て、悪くない味だ。ただ、粉臭さと弱い苦みがあるのが難点。これまた旨みの系統が同じなので、劣化版コムラサキシメジといったところか。味評価はC(食えなくはない)あたりだな。

ちょっと気になるのは、このキノコがカヤタケ属とされていることだ。ヒダがしっかり垂生しているので、外見上はカヤタケっぽいんだけど、どうにも違和感がぬぐえない。

香り・肉質・旨み、それに加えて古くなったキノコの流れ方(水が浸みたような感じになって淡褐色になって腐る)までコムラサキシメジにそっくりなのは、やっぱり近縁だからではなかろうか。ということで、シロゲカヤタケはムラサキシメジ属なんじゃなかろうかと異議を申し立てておく。








ちゃつむたけ

2015-10-13 23:14:33 | キノコ
針葉樹の倒木に生える超ド普通種。

今は松枯れで倒れたアカマツの大木がそこかしこにあるので余計に目立つ。

ヒトクチタケ、シハイタケ→チャツムタケ、サケバタケ→マツオウジ、アクニオイタケ

みたいな感じでマツ枯れの木は分解されていく。もちろんこれ以外にもたくさん。同じ針葉樹でもほとんどキノコがつかないスギやヒノキなんかとはえらい違い。体をわざと分解されやすい作りにしてるってことだ。菌根を作るマツは、それだけ菌類との共存を前提にしているってことだろう。進化がすすむにしたがって弱くなるってのも面白い。

人もそうかもしれんな……。

あみたけ

2015-10-10 23:53:07 | キノコ
アミタケ。食用イグチの代表種。

日本各地で100以上の呼び名を持つことからもわかるように、松林のキノコとして広い地域で重宝がられてきた。ぬめりと、コリっとした歯ごたえがあり、旨みもそこそこ。イグチ独特のにおいがあるが、これは個性の範囲内。とにかく量が確保できるのが最大の武器だろう。伝統的にキノコに関心の薄い三重でも、「スドーシ」と呼ばれて名が通っている。

そんなアミタケも今ではずいぶん発生量が減ってるが、アカマツ復調の気配もあるので今後に期待している。背が低いので写真撮りにくい(^_^;)


ちちたけ

2015-10-08 23:46:11 | キノコ
チチタケ。いいダシが出るキノコ。

口当たりがボソボソなのが弱点。いっそのことミキサーにかけちゃえばいいかも。外国にはベニタケ類のそういう利用法があると聞いたことがある。

しかしカラッカラに乾いちゃったな。今月下旬まで望み薄いかも。

くさうらべにたけ

2015-10-07 21:58:20 | キノコ
クサウラベニタケ。毒キノコ御三家の一角。ツキヨタケについで中毒件数が多い毒キノコの常連中の常連。

代表的な食用キノコ・ウラベニホテイシメジとよく似ているほか、状態によってはハタケシメジやホンシメジあたりとも間違うかも。混ざった状態で見たら私も判別できる自信はない。別名「名人泣かせ」の名はダテではない。

1.ウラベニホテイシメジと比べると小型
2.根元をにぎると中空でフカフカする
3.「臭」ウラベニタケというだけあって嫌なにおいがする(カキシメジ似?)
4.苦みがない

代表的な特徴はこのくらいか?

とにかく今年は大豊作なのか、やたら見かける。


「ウラベニタケ」なんで、裏側は紅色を帯びる。ただし若いものはけっこう微妙。


これが毒キノコだなんて・・・!




光るツキヨタケ

2015-10-06 21:47:23 | キノコ
ふたたび訪れた山は風が強かった。ツキヨタケが干からびていないか心配だ。駐車場は見晴らしがよく、美しい夜景が見えた。

友人と二人で月夜を歩く。満月は、街灯のように明るい光を放っている。闇に慣れた目にはなおさらだ。真正面にある時などはまぶしくて直視できないほど。懐中電灯を使わずとも道が見えた。

ときおり、林の中からこちらの様子をうかがう獣の眼が光るのが見える。鹿だろう。しばらく動かずにじっとこちらを見てから、走り去る。夜の森はケモノの国だ。

歩くこと30分。目的地に着いた。ツキヨタケは……っと。

おーーー!光ってる!友人ともども歓声をあげた。

ツキヨタケの発光は弱く、肉眼ではぼんやり見える程度だと聞いていたので、正直なところ、さほど期待してなかったのだが。ツキヨタケの状態が良かったからか、それとも満月の光に照らし出されてか、白いヒダがしっかりと確認できた。
有名なヤコウタケやシイノトモシビタケはずっと明るいが、これだけのボリュームはない。あちらのキノコが夜空の星々だとすれば、ツキヨタケは天の川だろうか。こちらはこちらで、なかなか壮観だ。


しばし見入ったあとで、さっそく撮影を始めることにした。長時間露光なんて、シイノトモシビタケくらいでしかやったことないので設定を覚えていない。適当だ。えいっ!


おー!撮れた!

これはむしろ月のおかげかも!新月の夜だったら、暗すぎてこのカメラじゃ間に合わなかったかもしれない。30秒以上の長時間露光になると、別の装備が必要になるからだ。思わぬ幸運をさずかって、見に来て良かったとしみじみ思った。月夜のツキヨタケ。よくよく思えばなんとも風雅な響きだ。和歌のひとつも詠めそうな。

おっと。こんないい夜だが、ここはケモノの国。長居しちゃいけない。

撮影はそこそこにして、光るキノコを堪能した後、二人はその場を去ったのだった。