大阪市立自然史博物館で行われたシンポジウムを見に行った。
写真は当日配布のパンフレット。これが異常にいい出来で、「なんだ、これがあれば講演聞く必要ないじゃん」と一瞬だけ思ってしまった。もちろんそんなことはない。
会場は盛況と言っていいんじゃなかろうか、ざっと100人くらいは来場していたように思う。
将来性の高い研究の取組みに対して国が重点的に支援を行う「グローバルCOEプログラム」のひとつとして採択された、鳥取大学の「持続性社会構築に向けた菌類きのこ資源活用」の研究チームがこの公開シンポの主催者。講演のラインナップはいずれも興味が持てて難解過ぎない内容で、なおかつバランスがいいのがうれしかった。
講演は6題。
『クロマツと一緒に生活するきのこ「ショウロ」の栽培』霜村典宏
ショウロ人工栽培技術の開発の話。クロマツの根に効率よくショウロ菌を感染させて菌根を作らせる。品種の選抜と必殺テクニックにより、播種後3~4ヶ月でキノコが形成されるようになった。
『きのこ栽培の悩みの解決を目指す!』松本晃幸
きのこ栽培の現場の職業病として、胞子による肺疾患(きのこ肺)がある。それを未然に防ぐものとして、胞子を作らない品種を開発している。紫外線照射による突然変異体から、特にエリンギで実用レベルの品種開発に成功した。
『「分解者」としてのきのこは「生産者」になれるのか?』會見忠則
バイオエタノールの生産にキノコを活用しようという研究。リグニンやセルロースを分解できるキノコなら、独力で廃材からエタノールを作っちゃうことだってできるかも。代謝経路は見つけたが、今のところ、その経路を活性化させる方法がない。
『光合成をしない植物(菌従属栄養植物)の菌根共生』大和政秀
ギンリョウソウやタシロランといった、菌類に栄養を依存する植物の研究。これらの植物の多くは、相手の菌類を選り好みする傾向がある。菌根をうまく培養すれば、種の保存、園芸などへの応用も可能。
『昆虫に栽培される菌類の生態』梶村恒
カビを栽培して幼虫の餌として利用する昆虫の話。キクイムシは木に穴を開けて卵を産むが、その際、穴の壁面にカビの胞子を植え付ける仕組みを持っている。ナラ枯れの元凶とされる虫もその一種だが、ハチやハエ、オトシブミといった昆虫にも同じ仕組みを持つものがある。
『里山の生態系変化の中での菌類』佐久間大輔
里山は人間の活動の中で大きく変化してきた。キノコの分布もそれに歩調を合わせている。大阪でも、草地、柴山、マツ林、ナラ林など、それぞれのサイクルで利用されていたことが知られ、マツタケも産していた。戦後の燃料革命の後に放棄された里山とキノコの今後の姿に注目したい。
以上、超要約で。盛りだくさんでおなかいっぱい。キノコでエタノール生産ってのは、難しいと思うけど、かなり野心的な取り組みなので頑張ってほしい。「食べると酔っ払っちゃうキノコ」という間違った想像をして楽しむ私のような人間は捨ておいて、研究に没頭してほしい。
博物館の展示を見る時間がなかったのは残念!
わーい、きょーりゅーだー\(^o^)/
こっ!この展示はかなりヤバい!
写真は当日配布のパンフレット。これが異常にいい出来で、「なんだ、これがあれば講演聞く必要ないじゃん」と一瞬だけ思ってしまった。もちろんそんなことはない。
会場は盛況と言っていいんじゃなかろうか、ざっと100人くらいは来場していたように思う。
将来性の高い研究の取組みに対して国が重点的に支援を行う「グローバルCOEプログラム」のひとつとして採択された、鳥取大学の「持続性社会構築に向けた菌類きのこ資源活用」の研究チームがこの公開シンポの主催者。講演のラインナップはいずれも興味が持てて難解過ぎない内容で、なおかつバランスがいいのがうれしかった。
講演は6題。
『クロマツと一緒に生活するきのこ「ショウロ」の栽培』霜村典宏
ショウロ人工栽培技術の開発の話。クロマツの根に効率よくショウロ菌を感染させて菌根を作らせる。品種の選抜と必殺テクニックにより、播種後3~4ヶ月でキノコが形成されるようになった。
『きのこ栽培の悩みの解決を目指す!』松本晃幸
きのこ栽培の現場の職業病として、胞子による肺疾患(きのこ肺)がある。それを未然に防ぐものとして、胞子を作らない品種を開発している。紫外線照射による突然変異体から、特にエリンギで実用レベルの品種開発に成功した。
『「分解者」としてのきのこは「生産者」になれるのか?』會見忠則
バイオエタノールの生産にキノコを活用しようという研究。リグニンやセルロースを分解できるキノコなら、独力で廃材からエタノールを作っちゃうことだってできるかも。代謝経路は見つけたが、今のところ、その経路を活性化させる方法がない。
『光合成をしない植物(菌従属栄養植物)の菌根共生』大和政秀
ギンリョウソウやタシロランといった、菌類に栄養を依存する植物の研究。これらの植物の多くは、相手の菌類を選り好みする傾向がある。菌根をうまく培養すれば、種の保存、園芸などへの応用も可能。
『昆虫に栽培される菌類の生態』梶村恒
カビを栽培して幼虫の餌として利用する昆虫の話。キクイムシは木に穴を開けて卵を産むが、その際、穴の壁面にカビの胞子を植え付ける仕組みを持っている。ナラ枯れの元凶とされる虫もその一種だが、ハチやハエ、オトシブミといった昆虫にも同じ仕組みを持つものがある。
『里山の生態系変化の中での菌類』佐久間大輔
里山は人間の活動の中で大きく変化してきた。キノコの分布もそれに歩調を合わせている。大阪でも、草地、柴山、マツ林、ナラ林など、それぞれのサイクルで利用されていたことが知られ、マツタケも産していた。戦後の燃料革命の後に放棄された里山とキノコの今後の姿に注目したい。
以上、超要約で。盛りだくさんでおなかいっぱい。キノコでエタノール生産ってのは、難しいと思うけど、かなり野心的な取り組みなので頑張ってほしい。「食べると酔っ払っちゃうキノコ」という間違った想像をして楽しむ私のような人間は捨ておいて、研究に没頭してほしい。
博物館の展示を見る時間がなかったのは残念!
わーい、きょーりゅーだー\(^o^)/
こっ!この展示はかなりヤバい!
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