8月5日(土)
ちょいと奈良博まで行ってきました。
いえね、ほら、「源信展」をやっているからですよ。
「地獄と極楽」っていう、今の時節柄ぴったり(?)のお題で。
源信遠忌「1000年記念」ってのもあるそうで。
源信といえば『往生要集』
極楽に行くにはどうしたらいいかというハウツー本でもあります(をい)
死んだあとは阿弥陀様が迎えに来てくれて、極楽浄土へ生まれる。
そのためには一心に念仏を唱えろというのがそれでして。
それなら一般庶民でもなんとかなりそうです。
そのためには南無南無してね>浄土信仰サイコー。
それを普及させるには
「極楽ってこんなとこよ」
「間違って地獄に落ちるとこんな目に合うよ」
ってのをわからせるために描かれたのが「地獄絵図」と「極楽図」
閻魔様の前に引き出されて過去の悪行を洗いざらい調べられ、
煮え鉛を飲まされたり、体を切り刻まれたり、それを気が遠くなるくらい
繰り返し繰り返しされて、「死ぬ」ことも許されない。
だから、地獄に落ちるようなことはしないようにね★と説き、
念仏を唱えると極楽に行けるよ、極楽はこんなにいいところだよと
目に見える様子を見せて、
「こんなところに生まれ変わってみませんか?」と誘うのが浄土教。
地獄絵図をババアに見せられて夜中にトイレに行けなくなったというエピソードは結構聞く話ですが、
確かにそういう風に使われていたようですね>悪いことをすると地獄に落ちるよ。
展示の前半は「地獄」特集。
これでもか&これでもかと続く、地獄での阿鼻叫喚。
東新館をどんよりした気分で出てくると、次は極楽がお待ちです(笑)
平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像や、當麻寺の法如(中将姫)坐像などが迎えて下さいます。
なかでも、西新館はいってすぐの四室での即成院の二十五菩薩坐像にズキュぅン☆彡
その中の笛を吹く宝蔵菩薩さんが実によいお顔をしてらっしゃる。
ひゃ~平安時代風のよいお顔で。
福々しいよいお顔で。
くるりと一周してみてみると…。
左足を正座から崩した横座りにして、右足はあぐらのかきかけ。
ふむむとみてみれば…。左足の裏(足の甲ではない)をじべたにつけて、膝頭は床すれすれ。
この格好って、股関節の柔らかい人でもできない恰好で、
とてもとても人間には無理だ!!(力説)
※家に帰ってきてやってみたけど、やっぱり無理だった。
ってことで、この像はやはり「人間ではない方の姿」なのだなと納得しました。
いやー、この方、目録以外ではグッズになっていないので、
グッズで持ち帰ることは不可能でしたが、
奈良国立博物館だより第102号の裏表紙に載っておりました。
奈良博お越しの方はぜひ、リーフレットをゲットしてください。
(残念ながら、宝蔵菩薩さんは前期展示のみでございました)
※図録にはもちろんお姿はあったけど、私の気に入った左足を
クローズアップした写真はなかったもんでパスしちゃいました。
西新館には阿弥陀来迎図や、當麻寺の菩薩面やら、「極楽とはこんなトコ!」
な可視化されたアイテムがたくさん。
最後の方では當麻曼荼羅が出ておりまして。
天女が乱れ飛び、蓮の花が咲き、よい香りが漂い、歌舞音曲で浮かれまくる人たち。
それをまじまじと見ていたら、となりのお嬢さんたちが
「ヤバいよ、これ、マジヤバい!」
「シュールシュール」
「いっちゃってるよね~」
曼荼羅見てヤバいってなんやねん?と思ったら、
當麻曼荼羅の中央下部で踊りまくっている一団がいるのですが、
唐子のような頭を丸めた童子がすっぱんぽんで踊り、
周囲の人たちも正面を見据えたカメラ目線状態でアハハ&ウフフ状態。
なるほど。
こりゃ、イッっちゃってるわな。
いや、極楽だから”逝っちゃってる”で正しいのかもしれないけど(笑)
(全体像は→こちらから。残念ながら私がおすすめする箇所ははっきりは見て取れません)
西新館の残り半分は地獄のパネル絵で手抜き(?)してあったので、
地獄→極楽→地獄で終わりってのも納得ができず、
最後の展示まで見た後で、また當麻曼荼羅の「ウフフアハハ」を見て
「うふふ」な気持ちのまま終わることができました。
その日は公開講座もやっていたので、それを聴講して。
奈良博滞在は四時間半ほど。
結構のんびりできました。
さて、次は大阪へ移動です。
今日は博物館のハシゴなのだ~。
ええ、外は暑いが、博物館の中は涼しいので、
次々見ちゃっても大丈夫です。
てか、夏は博物館に限るのですが。
ってことで奈良から天王寺へ移動して、あべのハルカス美術館へ。
実はハルカスに来るのは初めてでして。
さて、どこにあるんだと思ったら、
近鉄百貨店阿倍野橋店隣接となれば迷いようがありません。
ハルカス展望台に上る人をしり目に、私は博物館へ。
どの程度の大きさなのかはわからなかったのですが、
奈良博の東新館と渡り廊下を含めたくらいの大きさかな。
ほどほどな大きさで、ゆったり展示、人もまばらでいい感じでした(をい)
本日の催し物は「創建1250年記念 奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝」
ここでのお目当ては京都・浄瑠璃寺の吉祥天さん。
8月6日までの限定おでましなので、すべりこみセーフです。
しかし、そこに到達するまでも
「称徳天皇像」(江戸時代に書かれた百人一首風の称徳天皇さんなんですけど)」とか、
「興正菩薩像・オリジナルとそれを元に作られた像(どんどん伏し目がちになっていく)」とか、
つっこみどころ満載のものもあって、それはそれで楽しい。
西大寺は現在真言律宗のお寺なので、真言律宗に属している有名寺からの出展も多数。
そのうちの一つが例の吉祥天さん。
吉祥天さんは浄瑠璃寺でお目にかかったことはあるけど、
こんなに近くで、しかも360度ぐるりと眺められるってのが、
お寺ではなく、博物館・美術館で眺められることのメリットだわさ。
「元興寺の智光曼荼羅図」も、「不退寺の在原業平像」とかは現地でも見ているけど、
わりと照明がしっかりした中で、じっくりと見られるというのは、
やはり出開帳ならでは。
会場がこじんまりしていたので、行きつ戻りつ、何度も見たりしました。
その中でも一番のヒットは、「宝山寺の制咤迦童子と矜羯羅童子」
向かって右側で両手を合わせて腰をひねり、しきりと懇願するような目つきの矜羯羅童。
それを左側から頬杖をついてジト目で眺めている制咤迦童子。
『ごっめーん、君の分のお供えのお饅頭、食べちゃった~』
『ふーん、それがヒトに許しを乞う誤り方なのかと』
この目つき、笑える。
何度もあちこちから見ちゃって、ひとりアフレコしてました。
あはあは。
あべのハルカス美術館は平日は20時までやっているのに、
何故か月土日祝は6時で閉館なのね。(月曜日やっているのは驚きだけど)
この日は土曜日ってことで、六時閉館。
一時間前、三十分前に「もうすぐ終わるよ」のアナウンスが入り、
ちょっと慌てましたが、展示室の最後が見えてからは時間を逆算してみると十分見られる時間内。
なんとか二時間たっぷり楽しみましたけど、
一時間半もあれば十分見て回れるサイズと展示内容でした。
本日は奈良と大阪、青春十八きっぷにての日帰り、博物館ハシゴの旅でした。
ちょいと奈良博まで行ってきました。
いえね、ほら、「源信展」をやっているからですよ。
「地獄と極楽」っていう、今の時節柄ぴったり(?)のお題で。
源信遠忌「1000年記念」ってのもあるそうで。
源信といえば『往生要集』
極楽に行くにはどうしたらいいかというハウツー本でもあります(をい)
死んだあとは阿弥陀様が迎えに来てくれて、極楽浄土へ生まれる。
そのためには一心に念仏を唱えろというのがそれでして。
それなら一般庶民でもなんとかなりそうです。
そのためには南無南無してね>浄土信仰サイコー。
それを普及させるには
「極楽ってこんなとこよ」
「間違って地獄に落ちるとこんな目に合うよ」
ってのをわからせるために描かれたのが「地獄絵図」と「極楽図」
閻魔様の前に引き出されて過去の悪行を洗いざらい調べられ、
煮え鉛を飲まされたり、体を切り刻まれたり、それを気が遠くなるくらい
繰り返し繰り返しされて、「死ぬ」ことも許されない。
だから、地獄に落ちるようなことはしないようにね★と説き、
念仏を唱えると極楽に行けるよ、極楽はこんなにいいところだよと
目に見える様子を見せて、
「こんなところに生まれ変わってみませんか?」と誘うのが浄土教。
地獄絵図をババアに見せられて夜中にトイレに行けなくなったというエピソードは結構聞く話ですが、
確かにそういう風に使われていたようですね>悪いことをすると地獄に落ちるよ。
展示の前半は「地獄」特集。
これでもか&これでもかと続く、地獄での阿鼻叫喚。
東新館をどんよりした気分で出てくると、次は極楽がお待ちです(笑)
平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像や、當麻寺の法如(中将姫)坐像などが迎えて下さいます。
なかでも、西新館はいってすぐの四室での即成院の二十五菩薩坐像にズキュぅン☆彡
その中の笛を吹く宝蔵菩薩さんが実によいお顔をしてらっしゃる。
ひゃ~平安時代風のよいお顔で。
福々しいよいお顔で。
くるりと一周してみてみると…。
左足を正座から崩した横座りにして、右足はあぐらのかきかけ。
ふむむとみてみれば…。左足の裏(足の甲ではない)をじべたにつけて、膝頭は床すれすれ。
この格好って、股関節の柔らかい人でもできない恰好で、
とてもとても人間には無理だ!!(力説)
※家に帰ってきてやってみたけど、やっぱり無理だった。
ってことで、この像はやはり「人間ではない方の姿」なのだなと納得しました。
いやー、この方、目録以外ではグッズになっていないので、
グッズで持ち帰ることは不可能でしたが、
奈良国立博物館だより第102号の裏表紙に載っておりました。
奈良博お越しの方はぜひ、リーフレットをゲットしてください。
(残念ながら、宝蔵菩薩さんは前期展示のみでございました)
※図録にはもちろんお姿はあったけど、私の気に入った左足を
クローズアップした写真はなかったもんでパスしちゃいました。
西新館には阿弥陀来迎図や、當麻寺の菩薩面やら、「極楽とはこんなトコ!」
な可視化されたアイテムがたくさん。
最後の方では當麻曼荼羅が出ておりまして。
天女が乱れ飛び、蓮の花が咲き、よい香りが漂い、歌舞音曲で浮かれまくる人たち。
それをまじまじと見ていたら、となりのお嬢さんたちが
「ヤバいよ、これ、マジヤバい!」
「シュールシュール」
「いっちゃってるよね~」
曼荼羅見てヤバいってなんやねん?と思ったら、
當麻曼荼羅の中央下部で踊りまくっている一団がいるのですが、
唐子のような頭を丸めた童子がすっぱんぽんで踊り、
周囲の人たちも正面を見据えたカメラ目線状態でアハハ&ウフフ状態。
なるほど。
こりゃ、イッっちゃってるわな。
いや、極楽だから”逝っちゃってる”で正しいのかもしれないけど(笑)
(全体像は→こちらから。残念ながら私がおすすめする箇所ははっきりは見て取れません)
西新館の残り半分は地獄のパネル絵で手抜き(?)してあったので、
地獄→極楽→地獄で終わりってのも納得ができず、
最後の展示まで見た後で、また當麻曼荼羅の「ウフフアハハ」を見て
「うふふ」な気持ちのまま終わることができました。
その日は公開講座もやっていたので、それを聴講して。
奈良博滞在は四時間半ほど。
結構のんびりできました。
さて、次は大阪へ移動です。
今日は博物館のハシゴなのだ~。
ええ、外は暑いが、博物館の中は涼しいので、
次々見ちゃっても大丈夫です。
てか、夏は博物館に限るのですが。
ってことで奈良から天王寺へ移動して、あべのハルカス美術館へ。
実はハルカスに来るのは初めてでして。
さて、どこにあるんだと思ったら、
近鉄百貨店阿倍野橋店隣接となれば迷いようがありません。
ハルカス展望台に上る人をしり目に、私は博物館へ。
どの程度の大きさなのかはわからなかったのですが、
奈良博の東新館と渡り廊下を含めたくらいの大きさかな。
ほどほどな大きさで、ゆったり展示、人もまばらでいい感じでした(をい)
本日の催し物は「創建1250年記念 奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝」
ここでのお目当ては京都・浄瑠璃寺の吉祥天さん。
8月6日までの限定おでましなので、すべりこみセーフです。
しかし、そこに到達するまでも
「称徳天皇像」(江戸時代に書かれた百人一首風の称徳天皇さんなんですけど)」とか、
「興正菩薩像・オリジナルとそれを元に作られた像(どんどん伏し目がちになっていく)」とか、
つっこみどころ満載のものもあって、それはそれで楽しい。
西大寺は現在真言律宗のお寺なので、真言律宗に属している有名寺からの出展も多数。
そのうちの一つが例の吉祥天さん。
吉祥天さんは浄瑠璃寺でお目にかかったことはあるけど、
こんなに近くで、しかも360度ぐるりと眺められるってのが、
お寺ではなく、博物館・美術館で眺められることのメリットだわさ。
「元興寺の智光曼荼羅図」も、「不退寺の在原業平像」とかは現地でも見ているけど、
わりと照明がしっかりした中で、じっくりと見られるというのは、
やはり出開帳ならでは。
会場がこじんまりしていたので、行きつ戻りつ、何度も見たりしました。
その中でも一番のヒットは、「宝山寺の制咤迦童子と矜羯羅童子」
向かって右側で両手を合わせて腰をひねり、しきりと懇願するような目つきの矜羯羅童。
それを左側から頬杖をついてジト目で眺めている制咤迦童子。
『ごっめーん、君の分のお供えのお饅頭、食べちゃった~』
『ふーん、それがヒトに許しを乞う誤り方なのかと』
この目つき、笑える。
何度もあちこちから見ちゃって、ひとりアフレコしてました。
あはあは。
あべのハルカス美術館は平日は20時までやっているのに、
何故か月土日祝は6時で閉館なのね。(月曜日やっているのは驚きだけど)
この日は土曜日ってことで、六時閉館。
一時間前、三十分前に「もうすぐ終わるよ」のアナウンスが入り、
ちょっと慌てましたが、展示室の最後が見えてからは時間を逆算してみると十分見られる時間内。
なんとか二時間たっぷり楽しみましたけど、
一時間半もあれば十分見て回れるサイズと展示内容でした。
本日は奈良と大阪、青春十八きっぷにての日帰り、博物館ハシゴの旅でした。