三日間伊勢&鳥羽&志摩を堪能したあとで、一路奈良へ行ってきました。
本来ならばもっと早くに伊勢神宮に行く予定だったのですが、
台風のせいで雨天順延となり、それが延び延び。
そうこうしているうちに正倉院展が始まるってことで、
どうせなら一緒に行ってまえってことで伊勢の旅にプラスして、
そのまま奈良入りすることにしました。
★
11月1日はまずは正倉院展から。
のんきに朝ごはん食べていたら遅くなってしまって、開館20分前に行ったら、
すでに「ぐるぐる行列」二列巻きになっていました。
まあ、開館前の待ち行列は、連日こんなもんでしょうな。
入館したらすぐの混雑している会場をすっ飛ばして、どんどん先へ進みます。
とりあえず、今回の出陳品を眺めつつ、最終展示場にたどり着いたら、
入館五分後にもかかわらず、人がいた!!
ちぇ!一番乗りじゃなかったわ(笑)
ってことで、とりあえず、西本館から見ていくことにしました。
(どーせ混んでいるんですから、少しの間だけでも、快適な空間で見たいではないかってことで)
それでも今年の目玉「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」にはすでに行列が出来ていました。
(だから、開館10分くらいだってーの。それなのに、なんでここが既に混んでる?!)
せっかくだからというので、ぐるぐる列にも並んでみて、3分かからず一番前へ。
今年の目玉はこれらしいのだけど、一枚一枚の蓮華に描かれた絵を見ている暇はなく、
「動きながらご覧下さーい」「ゆっくり進みながらご覧下さーい」
まあそれはしゃーないな。
前情報として知っていた、「実際の蓮の花とは逆に、一番上の花びらが一番大きく
作られている」(普通は一番下(ガクに近い方)が一番大きい花びらになっている)
というのはなんとか確認しました。
でも私としては、その盤に乗せて用いたであろう、お香を作る、
「黒漆塗香印押型盤(くろうるしぬり こういんの おしがたぼん)」と
「黒漆塗平盆(くろうるしぬり ひらぼん)」
の方が興味津々でした。
最終展示室から逆流して戻ってきた時、行列の手前で目立っていたのが、これでして。
予備知識無しに見ると、
盆の中に蕨手文様がぐるぐると巡っており、なんじゃこりゃ?
漆塗りなんだけど、色味が茶色にみえて、どうもハート型が四つ、
円の中に配置されている様子が、
「
源氏パイ・チョコレートがけ、詰め合わせセット」みたいにみえて、思わず「ウマそう」←莫迦。
なになに?これ、うまそーじゃん♪
え?線香?!え~!これで線香つくるの?
なにやらこの溝に抹香を詰めて、更にその上に灰を置き、押し固めて、
もうひとつの漆盤を蓋のようにして、くるっとひっくり返すと、
溝に入り込んだお香が形作られて、そのお盆がそのまま灰皿になるんだとか。
うぉー、これほしい!
大人の科学(?)とかの付録でないかしらん(謎)
展示に際して、実際に復元品でこれを作ってみて、香を炊いてみたら、
とっても上手に出来て、7時間ほどかけて燃え尽きたんだとか。
(
『日曜美術館』で実際にやっているのをみました♪)
これを見た後で、私は「盤」の方を見たんだけど。
普通は「メイン」を見た後で、この型を見ることになります。
ということで、「盤」を先に、並んで見た方はその満足感で、「これ」の前はほぼ素通り。
見ても一瞥をくれるだけで、しみじみ見てる人はなかったようですが。
まあ、地味な器ゆえに、そんなに興味をそそらなかったのかもしれないけど。
あの「盤」に、「これ」を載せて、仏前に供えるというのが正式な使い方だったようで。
ゆらゆらと漆金薄絵盤から立ち上る煙。
なんともまあ、美しかったですよ。
妄想してみて、馥郁たる香りも漂ってきた「ような」気がするし☆
西本館の展示を半分堪能して、とりあえず東本館に戻ると、ほどほどに混雑していました。
これで混雑していると言ってはいかんだろうという感じの混み具合。
今年は「グルグル行列」が西本館の入口だったので、東本館の中心部分はスキスキ。
私が東本館へ戻ろうとした時で、すでに行列は30分待ちとかっていっていたなあ。
あの狭い部屋でグルグル行列を作ると、結構邪魔くさいんだけど。
東本館でやればいいのにって思ったけど、あっちは今年
「聖武天皇ご遺愛の品々」と「天平の音楽と遊び」の展示だったから、
ダメってことかなあ。
ということで、ほどほどの混み具合の中、東本館の展示を見て回り、
そこを出る頃には、びっくりしたことに、入口付近人がゼロ…。
こんなこともあるもんだ。
で。びっくりついでに、しみじみと東本館入口の
「第65回 正倉院展」とある展示パネルをしみじみ見入ると、
これが実にかっこいいんだ~(笑)
アクリルパネルを切り抜いて、正倉院展の文字を作っているのだけど、
裏面に白い紙を貼って、陰影が付くようになっている。
「倉」の中の「□」の部分は、深く彫り込んであるのではなく、
少しだけ彫り込んであって、そこに表から白い紙が入ってあって、
文字がくりぬいてあるように見えてるんですの。(←読んでる人は意味わかんねーですわな)
ま、そういう細かいところまで、きちんと作られているってのがスゴイなって思ったわけで、
いろんなキャプションとか、表示方法とか、ボード自体も見てて楽しめました。
今年は「平螺鈿背円鏡(へいらでんはいえんきょう)」や
「鹿草木夾纈屏風(しかくさききょうけちのびょうぶ)」なんかが目玉品でしたが、
私は線香造りが一番気に入ったなあ~。
一通り見終わって、グッズでも買って帰ろうと思ったら、
私いちオシの「線香つくりキット」がないではないか!(無いでしょうな)
「キット」じゃなくても、何かになっていたら(しおりとか、絵葉書とかでも可)
買っちゃおうと思っていたのになあー。
ちゅうことで、図録だけ買って退散しました。
その後、興福寺に行こうと思ったので、猿沢池方面まで戻り、
「
ペピタ ドーロ」でランチ。
珍しくわたしが、座って、ゆっくり、落ち着いて、ランチ。
お店でランチしたのは、この旅では初めてかもしれないっす(ははは)
そして、食後は興福寺へ。
朝のうちに境内はぐるりと一周していたんだけど、
東金堂の拝観は9時からってことで、入れず。
前回寺まわりした時で御朱印帳が終了してしまったので、
新しいのが欲しくて、次は興福寺で買おうかなって思っていたので、
わざわざ奈良博あたりから興福寺まで戻ってきちゃったわけさね。
(ちなみに一冊目は東大寺、二冊目は法華寺ときたんで…三冊目は西大寺が正しい
チョイスなのかもしれないけど(父・母・娘の流れね>発願者順でいえば)、
どうも模様のある御朱印帳が豊富のような気がしていたので)
久しぶりの東金堂は、十二神将さんが東京へ出張中だったので、スキスキでした★
しかし、あの隙間に十二体のガタイのいいおっさん(をい)がキチキチに
詰め込まれているかと思うと…満員通勤電車中のサラリーマン並かなと。
案外、十二人の怒れる男たちは東京出張を楽しんでいるのではないかと思いますわ。
個人個人にスポットライトもあたっているしね。
しかし薬師さんはガードマン無しの日々は怖なくないでしょうか(ないか)
セコムしてるよね?(そういうことじゃないと思う)
今なら芸大でゲットしたチラシを持っていったら、
東金堂か国宝館の見学で、記念品がもらえます♪
(金堂再建木材の余材で作った、木の珠の根付でした)
さて、次は東大寺へ。
先日「四月堂のご本尊が交代したんだよ」というとんでもない情報が寄せられたので。
それは行ってみねばならんということで。
おっと、その前に、久しぶりに三月堂にも行かねばってことで、まずは三月堂へ。
ちょうど係りの方の説明が始まったので、仏様と対峙する位置に設けられた床几に腰掛けて説明を聞きます。
しばし、久しぶりの三月堂を満喫しました。
その後、いよいよ四月堂へ。
この春に四月堂におまいりしたんだけが…。
その時は三月堂が間もなく再公開されるよってのは知っていたけど、
続いて入れ替わりに
四月堂が修繕に入るなんて知らなかったよー。
それと同時に千手観音さんも修理され、
なおかつ、修理終了後は東大寺ミュージアムに安置されることになったんだとか。
御朱印をもらった後で、なんでご本尊さまが交代になったのかを尋ねてみると…。
前のご本尊の千手観音さまも、今のご本尊の十一面観音様も客仏で、
もともと四月堂では、向かって右に安置されている「普賢菩薩」さまが本尊だったそうな。
この度、千手観音さまが修理でお移りいただくのに際して、
収蔵庫におられた十一面観音さまにご出座いただいて、
広く皆様に拝んでいただこうということになったらしいです。
収蔵庫に、こんな仏像がゴロゴロまでいらっしゃるってことか?
恐るべし東大寺。
収蔵庫に収まる前は、二月堂にいらっしゃったとのこと。
二月堂のご本尊様は秘仏なので、顔見世興行はされず、
その代わりに、この十一面観音様が立たれていたようなんだけど、
修二会の時にバタバタしていると破損の危険性がある(そうなん?)ので、
収蔵庫へしまったっきりになっていたらしい。
この前までのご本尊様だった千手観音さまは割と大きくて、
天井がつかえるほどの大きさだったために、天井板を外しての安置だったそうで。
それがこの度、お堂に対しての適正サイズの方にお出まし頂いたというわけ。
ということで、新しく四月堂のヌシとなった、十一面観音さんの御朱印もいただきました。
(しかし、後で調べてみたら、
もっと人間の都合的な話があったようですけどね(笑))
とりあえず3月堂と4月堂に詣でて、目的を達して、最後の目的地、薬師寺へ。
「
国宝東塔 水煙降臨展」をやっている間に是非!
と思っていたので、ようやくこれたという感じ。
ここも前回の訪問で、お写経の12巻が終わったので、新しい御朱印帳をゲットしておこうと思い、
お写経をした上で、水煙展を見ようと思っていたんだが…。
薬師寺へついたのが3時50分。
水煙展は4時半入場が最終。
お写経してからでも間に合うのか?!
電車に乗っている間中、
「あー、失敗失敗。正倉院展に先に行かずに、
三月堂からスタートすれば時間のロスがなかったんじゃないの~?」とか、
「珍しく昼ご飯のんびり食べていたのが敗因じゃない?」とか、
「奈良博から興福寺って戻るルートがいかんかったんじゃ?」とかとか、
いろいろ反省したものの、残り時間が少ないのは延ばせない。
受付でその旨伝えたら、
「じゃあ、鉛筆で写経されます?鉛筆ならば間に合うと思います」
え?鉛筆で写経?
確かに自宅でする写経の経巻には「鉛筆書きでも構いません」とは
書いてあったけど、わざわざお寺で写経するのに、鉛筆でもOKとは…。
ということで、鉛筆で、般若心経ではなく、『般若心経のこころ』という、
簡単な方の写経文でお写経をさせていただきました。
とりあえず30分で書き終えて(丁寧に書いたつもりですが)
なんとか白鳳伽藍に入ることができました。
ごめんなさーい、ほとけさまたち。
次回は、ちゃんと墨すって毛筆で書きますので許して~!
入ったら、いつもの出入り口とは位置が変わっていて、
出入り口前の土をひっくり返してて、「発掘作業中!」って看板がかかっていたので、
食堂跡でも調査していたんでしょうか。
中へずんずん進んでいくと、東院堂のとなりに大きな建物が建っていて、そこが会場。
そこに解体工事中で外された水煙やその中の仏像などが安置されていました。
おおおおー。
肉眼では地上からはほとんど見えない水煙が、目の前にあるという不思議。
マジマジと見られるなんて、解体工事でもなければできなかったこと。
ちらっと見れば完了するかと思ったけど、たっぷり30分見学させていただきました。
この場限りの御朱印(「水煙」と書かれている)と、パンフレットもゲットして。
もっとゆっくりしたかったけど、今回はどこまでもバタバタでしたね。
それでも、東院堂と金堂は拝観させていただき、
講堂へ向おうとしたら、なんと講堂はもう閉まっている(!)
そこでそそくさと帰宅の途につこうとしたら、坊様が現れ、梵鐘を撞くようです。
ああ!鐘つき女の血が騒ぐ~けど、今回はつけないのよ。
北の門を出る頃になって「ゴーン」
これにて本日の予定は全て終了です。
よかったよかった。
間に合った。