先週末、奈良におりまして(笑)
奈良博と奈良県立美術館をハシゴしてきました。
なんといっても
「信貴山縁起絵巻」がそろそろ終了ってことで慌てて出かけることに。
ノンキに家を出て、昼ごはんを食べて、イザ奈良博へってのは一時を回ってから。
パスポートが切れていたので、それをのそのそと購入し、
開場に入ったのは一時半を過ぎておりました。
(それが後半戦に響くことになるのだが、まだその時はあずかり知らぬハナシ)
開場の入り口には
「一番前の列でご覧になるには30分ほどお待ちいただきます」
なる文言があって、謎だったのだけど。入って納得。
今回は入り口付近にとぐろを巻いた部分があって、
そこで待ち行列を作り、三巻とも一列に並んで、かぶりつきで、
右から左へ移動しながら見ていく、という見学方式でした。
「後の列からご覧になる場合は、並ばなくても結構です」
とはいうものの、正倉院展の展示のように、人の頭の間からでも見られればいいですが。
今回の展示物は巻物ですので、地面と平行に平置き。
それを、前にいる人の体の後から眺めるなんてことはほぼほぼ不可能です。
(もちろん、順路にはテープ&ポールで仕切ってあって、その後からの観覧ですから、
展示物まではかなりの距離があるし、見えないでしょ、目がよくっても)
ちゅうわけで、ノンキに30分グルグルならびに入り、
あとはじっくりかぶりつきで、見て回るってことになりました。
いやー、鳥獣戯画の時はオウジョウこきましたが、今回は比較的快適でしたよ。
ほどほどに進みながら、かぶりつきで鑑賞でき、一巻を見終わったら、
また二巻目の行列に並ぶっていう、インターバルはありましたが、
鳥獣戯画のようなことはなかったです(笑)
※あれはホントにしんどかったからなあ~体力勝負の鑑賞っていったい…。
今回の目玉は三巻まるまる、勢ぞろいってとこ。
「焼けちゃった大仏殿の威容さ」を観ることもできて、ウハウハ。
あと「山崎長者邸の三ババァ」が生で見ると、
印刷(映像・画像)以上に生々しかったこと(ははは)がお気に入りでした。
おばさん、大口、開けすぎ(笑)
鳥獣戯画もマンガの原点と言われていましたが、これもなかなか原点でしたよ。
護法童子が「来たよ~」って走ってくるシーンには、
マンガの手法でいうところの雲形定規つかって描く「勢い線」がみられたりとか。
走っている様子を表すために足がグルグルってのの代わりに、
転がる輪宝に細い同心円を描き加えて、回転している様子を現していたり。
すべてにおいてマンガチック。
尼君の巻では、大仏を前に、いても立ってもいられない、
夢うつつ、マコトナノカ幻なのかな状況を、細い線描きで、
同じ場面に、いくつもの尼君の姿を描き、
いわゆる「右へウロウロ、左へウロウロ」を示すことにより、
動きと、時間の経過をあらわしているという素晴らしい手法。
はあ~堪能しました。
で。
今回は奈良博、普通の土曜日で閉館時間は午後五時。
駆け足ながらもなら仏像館のリニューアル後初の訪問も果たしましたが、
やっぱり時間が足りなかったなあ。
午後五時すぎに外へ出ればまだお日様は高くて、
このまま宿に入るのはもったいないなあと思って近奈良方面へ歩いてきたら。
奈良県立美術館の「藤城清治 光のメルヘン展」のポスター。
明日朝一に行こうと思っていたら、金土曜は19時まで開いているって!
慌てて取って返し、ご入館です。
ちょうど信貴山縁起と会期が重なるから、一緒のタイミングで行こうと思っていたけど、
行ってよかった!
まだの方は是非どうぞ。
(会期は7月3日まで)
藤城清治さんのことは、秋篠宮家の若宮さま(悠仁さま)の
お誕生を記念した影絵を作られていて、そこで意識的に知りました。
(それまでにも見たことがある絵柄ではありましたが)
こびとが多用される幻想的な画風にひかれたけど、なかなか本物を見る機会には恵まれず。
今回ここで出会えたのは運命的でした。
行ってよかった!
今までに発表された作品たちももちろん素晴らしかったけど、
奈良での奈良を題材にしたスケッチと、ステンドグラスが非常に美しかった。
あれ、欲しかったなあ(とても買える代物じゃないだろうけど)
(>
絵葉書では買えるみたい…買いそびれた(涙))
そして、原爆ドームに舞う折鶴の図に涙。
誰も周囲にいないのをいいのに、開場で大泣きしてました。
平和の象徴「鳩」でも、生き物の「鶴」でもなく、
ドームの上空を折鶴(千羽鶴)が飛び交う構図は、いろいろなことを連想させるものでした。
あと、大阪の景色を題材にした大画面の「オオサカ」
どれもこれも馴染みのあるもので、それをすべて盛り込んだ構図はお見事でした。
丁寧に見てきたら時間が足りなくなってしまい、最後は駆け足になったのが残念。
もっと早くに入っていたら、のんびり最後まで見られたのになあ。
最後の最後のキリスト教に関する絵本(?)のあたりが、素養がないのでよく判らなかったし、
あんまりじっくり説明を読んでいる暇がなくて読み飛ばしたりして、
どうにかこうにかすべてを見て回りましたが。
最後の最後にあるミュージアムショップでのショッピングが全然出来なかったことが心残り。
残り時間1分の段階だったので、原爆ドームの絵葉書を買うのが精一杯でした。
ああ、もう一度行くべきかなあ。
まだの方は是非どうぞ!
(あ、信貴山縁起絵巻の方もね>これはもう今週末までだから急げ!!ですが)