今週末に開催される中四国アメリカ文学会で「文学作品の持つ地域活性力及び教育力」というタイトルで研究発表をします。
↓
中四国アメリカ文学会
ここでは、次のような要旨で発表をする予定です(興味のない方は読み飛ばしてください)。
「文学作品の持つ地域活性力及び教育力」
新見公立大学 教授 山内 圭
近年、日本の大学の英語教育の現場では、実用的ではないということで、文学教材が遠ざけられる傾向がある。また、その傾向への反発として、文学教材の見直しが図られる動きも出てきており、2009年度の日本英文学会でも、同年度の日本ジョン・スタインベック学会でも、文学作品教材の見直しを目指すパネルディスカッションが行われている。発表者は、文学作品には様々な力があると信じている。その中でも今回は、文学作品が持つ地域活性力について考察し、発表する予定である。
本発表では、まず、アメリカ合衆国で行われているBig Readという運動について概説する。また、発表者が姉妹都市交流に関わる新見市の姉妹都市アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジで行われているOne Book One New Paltzというプロジェクトについても説明する。そして、それらのプロジェクトを日本の地域活性化に利用できる可能性、また日本の大学の教育現場にも応用できるかどうかについても考察したい。
アメリカ合衆国では、Big Readの運動が2006年からThe National Endowment for Artsの主導のもと始まった。それ以来、アメリカ全土の様々な町で展開されている。このプロジェクトは、町で一冊の課題図書を決め、市民にその本を読むように呼びかけ、その書についてのディスカッションや読書感想発表会や読書感想文コンクール等を開催したり、その書の著者や研究者の講演会を開いたり、その書に関する写真展や美術展を開いたり、映画化されている作品であるならば映画鑑賞会を開いたり、一冊の書籍を通じて様々な活動を行い、地域活性化と市民の読書を推進する活動である。
このBig Readでは課題図書の候補が指定され、現在31冊がエントリーされている。その中には、John SteinbeckのThe Grapes of Wrath、Mark TwainのThe Adventures of Tom Sawyer、Jack LondonのThe Call of the Wild、Carson McCullersのThe Heart Is a Lonely Hunterなどが含まれる。
また、英国ではBBCが実施したBig Readという書物の人気調査があった。このランキングでは、イギリス文学が上位を占める中に、アメリカ文学の作品としては、J. D. SalingerのThe Catcher in the Rye、Louisa May AlcottのLittle Women、Margaret MitchellのGone with the Wind、John SteinbeckのThe Grapes of Wrathなどが上位にランキングされている。
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジでは、2005年からOne Book One New Paltzのプロジェクトが、州立大学ニューパルツ校内、および地域内のコミュニティを読書を通じて形成するために開始されている。2009年にはWashington Irvingの“Rip Van Winkle”がテーマになって開催されている。2010年度の課題図書の候補も22冊が挙げられている。
発表の最後に、まとめとして、そのような活動を日本で行う場合について、教育への応用について考察をする。
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中四国アメリカ文学会
ここでは、次のような要旨で発表をする予定です(興味のない方は読み飛ばしてください)。
「文学作品の持つ地域活性力及び教育力」
新見公立大学 教授 山内 圭
近年、日本の大学の英語教育の現場では、実用的ではないということで、文学教材が遠ざけられる傾向がある。また、その傾向への反発として、文学教材の見直しが図られる動きも出てきており、2009年度の日本英文学会でも、同年度の日本ジョン・スタインベック学会でも、文学作品教材の見直しを目指すパネルディスカッションが行われている。発表者は、文学作品には様々な力があると信じている。その中でも今回は、文学作品が持つ地域活性力について考察し、発表する予定である。
本発表では、まず、アメリカ合衆国で行われているBig Readという運動について概説する。また、発表者が姉妹都市交流に関わる新見市の姉妹都市アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジで行われているOne Book One New Paltzというプロジェクトについても説明する。そして、それらのプロジェクトを日本の地域活性化に利用できる可能性、また日本の大学の教育現場にも応用できるかどうかについても考察したい。
アメリカ合衆国では、Big Readの運動が2006年からThe National Endowment for Artsの主導のもと始まった。それ以来、アメリカ全土の様々な町で展開されている。このプロジェクトは、町で一冊の課題図書を決め、市民にその本を読むように呼びかけ、その書についてのディスカッションや読書感想発表会や読書感想文コンクール等を開催したり、その書の著者や研究者の講演会を開いたり、その書に関する写真展や美術展を開いたり、映画化されている作品であるならば映画鑑賞会を開いたり、一冊の書籍を通じて様々な活動を行い、地域活性化と市民の読書を推進する活動である。
このBig Readでは課題図書の候補が指定され、現在31冊がエントリーされている。その中には、John SteinbeckのThe Grapes of Wrath、Mark TwainのThe Adventures of Tom Sawyer、Jack LondonのThe Call of the Wild、Carson McCullersのThe Heart Is a Lonely Hunterなどが含まれる。
また、英国ではBBCが実施したBig Readという書物の人気調査があった。このランキングでは、イギリス文学が上位を占める中に、アメリカ文学の作品としては、J. D. SalingerのThe Catcher in the Rye、Louisa May AlcottのLittle Women、Margaret MitchellのGone with the Wind、John SteinbeckのThe Grapes of Wrathなどが上位にランキングされている。
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジでは、2005年からOne Book One New Paltzのプロジェクトが、州立大学ニューパルツ校内、および地域内のコミュニティを読書を通じて形成するために開始されている。2009年にはWashington Irvingの“Rip Van Winkle”がテーマになって開催されている。2010年度の課題図書の候補も22冊が挙げられている。
発表の最後に、まとめとして、そのような活動を日本で行う場合について、教育への応用について考察をする。