山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

東京都大田区羽田図書館でセーラムコーナー訪問

2014-02-22 05:00:42 | 旅行
僕は、国際姉妹都市交流について研究しています。

それぞれの姉妹都市でいろいろな交流が行われていますが、姉妹都市間で図書の交換(寄贈)が行われる場合もかなりあります。

例えば、新見市に対してアメリカの姉妹都市ニューパルツ・ヴィレッジから送られた図書は新見市大佐の大佐総合センター図書コーナーの中のニューパルツ・コーナーに収められています。

その他、僕は、各地の図書館でこのような図書コーナーを巡っていますが、例えば、松江市プラバホールにある図書館には、松江市の姉妹都市ニューオーリンズのコーナーがありました。

静岡県掛川市の図書館にも掛川市の姉妹都市ユージーンからの寄贈図書を収めたユージーン・コーナーがありました。

先週末の東京出張では、大田区と姉妹都市交流をしているセーラム市からの寄贈図書が区内の羽田図書館にあると知り、羽田図書館のセーラムコーナーを訪れました。
(この図書館を訪問するために、図書館から徒歩圏内の羽田のホテルに宿泊しました。)


大田区がセーラム市と姉妹都市になったのは、大森貝塚を発見したエドワード・モースが帰国後セーラム市にあるピーボディ科学アカデミーの館長になったことによります。

その縁で、ピーボディ博物館と大田区立郷土博物館が姉妹館となり、それが1991年に大田区とセーラム市の姉妹都市提携につながったようです。

また、セーラムは作家ナサニエル・ホーソンが住んだ地でもあります。

ですから、モース関係の書やホーソンの作品がこのセーラムコーナーには多数収められていました。

それからこのようなコーナーで貴重なのは、これまで交流に参加した人たちの手記が収められていることです。

大田区では、中学生を毎年セーラムに派遣しているようで、「大田区立中学校生徒海外派遣報告書」(平成18年度の第22回~平成24年度の第28回)を閲覧しました。

大田区立の中学校が28校あり、各校2名が毎年海外派遣されます。各校の2名は、A・Bの2コースあるうちのどちらかに参加するのですが、そのうちの一つのコースが毎年セーラム訪問になっているようです。

ですから、毎年28名の中学生がセーラムを訪問することになるようです(ちなみに、引率教員は2名のようでした。僕も海外研修の引率をしますので、この辺り、気になるところです。)

生徒たちの文章には、セーラムを訪問しての新鮮な感動がにじみ出ていました。

その他、大人の交流も進められていて、大人の感想文は「Keeping Old Ties Alive セーラム・ピーボディ博物館親善訪問団報告書」Ⅰ~Ⅶにまとめられていました。

関直彦『永遠の友 ピーボディ・エセックス博物館と日本』(東京:リンガシスト, 2000)の書も収められておりました。

姉妹都市提携の頃の『大田区報』内のセイヤー桂子氏の「セーラムからの便り」も貴重な資料でした。

ホーソン関係では、エドウィン・ハヴィランド・ミラー著 佐藤孝己訳『セーラムは私の住み処 ナサニエル・ホーソン伝』(近代文芸社, 2002)などがおもしろそうでした。





大田区民にとっては、セーラムを拠点としてアメリカ合衆国に興味を持ち、広げることができるとてもいいコーナーだと思いました。
コメント
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