昨日は9時頃に家を出て歌舞伎座へ。
「盟三五大切」の通し狂言。
確か服部幸雄の本で粗筋を読んだことはあるが、見るのは初めて。
仁左衛門の源五兵衛、菊五郎の三五郎、時蔵の芸者小万、
というのが主な役どころ。
話の筋は、いま一つ納得しづらいところがある。
源五兵衛が、三五郎という亭主があることを知らないまま
小万に惚れ込み、金を注ぎ込んでしまう。
三五郎から自分が夫だ、と明かされて騙されたと分かり、
恨みを持って刃傷沙汰になる、
というのが一つの筋。
まあ、「籠釣瓶」とか「伊勢音頭」のパターン。
もう一つは、源五兵衛が実は赤穂浪士であり、
三五郎はその元家臣の子で、主人が仇討に加えてもらえるよう、
金を集めている、という流れ。
忠臣蔵の、勘平に関係するところと同じ感じ。
この二つの筋が絡み合ってくるのだが、
大詰でのあまりにも残酷な描写(源五兵衛が、小万と三五郎の間の赤子まで
殺してしまうのは、正直ちと引く)と、
最終場で三五郎が腹を切る(絵面的に、六段目の勘平切腹のパロディかと感じた)
ことで、うまく決着しているか、というと、
私にはそうは思えない。
結局源五兵衛が晴れて四十七士に加えられるのだが、
あれだけ残酷な殺しをやっておいて、それはありなのか?と感じてしまう。
ここは、私がどうしても近代人の感覚で見てしまう部分だと思うのだが。
ただ、個々の場面はそれぞれ満足。
仁左衛門の声や調子は好み。
騙されて以降の「殺し」の場面では、冷気が舞台から漂ってくる感じ。
凄いなあ。
菊五郎も、市井の小悪党らしい雰囲気が今回はハマった。
あと、歌昇の真っ直ぐな家臣の感じが快かった。
# 主人の代わりに縄打たれて引っ立てられるところは
あまり理解できなかったが。
陰惨な場面もあるが、
各場面で細かいクスグリがあったり、濡れ場があったりして
楽しめるように作られていたと思う。
大詰まで見て満腹し、
藤十郎の声は聞きたくなかった(生理的に合わない)ので
「吉田屋」は見ずに出た。
「盟三五大切」の通し狂言。
確か服部幸雄の本で粗筋を読んだことはあるが、見るのは初めて。
仁左衛門の源五兵衛、菊五郎の三五郎、時蔵の芸者小万、
というのが主な役どころ。
話の筋は、いま一つ納得しづらいところがある。
源五兵衛が、三五郎という亭主があることを知らないまま
小万に惚れ込み、金を注ぎ込んでしまう。
三五郎から自分が夫だ、と明かされて騙されたと分かり、
恨みを持って刃傷沙汰になる、
というのが一つの筋。
まあ、「籠釣瓶」とか「伊勢音頭」のパターン。
もう一つは、源五兵衛が実は赤穂浪士であり、
三五郎はその元家臣の子で、主人が仇討に加えてもらえるよう、
金を集めている、という流れ。
忠臣蔵の、勘平に関係するところと同じ感じ。
この二つの筋が絡み合ってくるのだが、
大詰でのあまりにも残酷な描写(源五兵衛が、小万と三五郎の間の赤子まで
殺してしまうのは、正直ちと引く)と、
最終場で三五郎が腹を切る(絵面的に、六段目の勘平切腹のパロディかと感じた)
ことで、うまく決着しているか、というと、
私にはそうは思えない。
結局源五兵衛が晴れて四十七士に加えられるのだが、
あれだけ残酷な殺しをやっておいて、それはありなのか?と感じてしまう。
ここは、私がどうしても近代人の感覚で見てしまう部分だと思うのだが。
ただ、個々の場面はそれぞれ満足。
仁左衛門の声や調子は好み。
騙されて以降の「殺し」の場面では、冷気が舞台から漂ってくる感じ。
凄いなあ。
菊五郎も、市井の小悪党らしい雰囲気が今回はハマった。
あと、歌昇の真っ直ぐな家臣の感じが快かった。
# 主人の代わりに縄打たれて引っ立てられるところは
あまり理解できなかったが。
陰惨な場面もあるが、
各場面で細かいクスグリがあったり、濡れ場があったりして
楽しめるように作られていたと思う。
大詰まで見て満腹し、
藤十郎の声は聞きたくなかった(生理的に合わない)ので
「吉田屋」は見ずに出た。